主な特徴
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首が長く脚が長い。くちばしは中程度の長さ、まっすぐで多少側扁し、ときに細長いのから短く強いのまでの変化がある。
上くちばしの両側に側溝があり、鼻孔は半ばを占める。脚の前方はヘビの腹状の鱗を、後方は網目状の鱗を有する。
指の前3指は多少基膜で連なり、第1指(後ろ指)は小形で上位に生じる。
翼は広く丸みがあり、およそ33枚の羽からなり、そのうち11枚が初列風切を構成する。後列風切は羽弁が分離して総状となり、翼をたたんだときは初列風切よりも長い。尾羽は12枚です。
舌はやり状、鼻孔は有孔状であり、気管はカンムリヅルを除き成長では胸骨の竜骨突起内に回旋状を呈して鎖骨の後方に入り、前方には入らない。
飛翔の姿でよくサギの種類と間違われやすいですが、サギの場合は首を曲げています。コウノトリは鶴と同じで足、首とも長く伸ばしていますから飛翔の特徴は似ています。
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アオサギ |
コウノトリ(撮影者 河岡 啓太郎) |
鶴の種類 |
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ツル科は世界に17種(亜種を加えると24)ある。地球上の大部分に広く分布するが、マライ諸島、パプア及びポリネシアには見られない。アフリカでは数種を除き、他は北方からの渡り鳥である。
メキシコの南方には住まない。ツル類の主産地は北東アジアであって、アメリカには3種、オーストラリアにはただ1種だけいる。日本には6種だけである。
北海道、山口県、鹿児島県で見られる。
最も珍しいものは南アフリカのゴクラクヅル(Grusparadisea)とタレトサカヅル(.runculata)であって、前者は後列風切と胸羽が大いに延長し、後者も同様で、のど側に垂冠(たれとさか)がある。鶴はツル科に属する鳥を言い、ツル科にはクロヅル属(Grus)、カンムリヅル属(Balearica)、アネハヅル属(Anthropoides)、ホオカザリヅル(Bugeranus)の4属に分かれている。
単にcrane(クレイン)と言えばクロヅルのことである。
日本で見られるのはナベヅル、マナヅル、タンチョウ、クロヅル、カナダヅル、ソデグロヅル、アネハヅルの七種です。
そのうちに、クロヅル、カナダヅル、ソデグロヅル、アネハヅルはたまに飛んで来るだけです。タンチョウは北海道東部に生息し渡りはしません。出水市では少数ではありますがクロヅルが毎年やってくるようになりました。 |
アネハヅル
Anthropoides virgo |
全長約97センチ。もっとも小型のツルで、中央アジアのキルギス高原、モンゴル、トルコに分布。 |
アメリカシロヅル
Grus americana |
全長約132センチ。北アメリカに分布するが、数が少なく絶滅の危機にある。 |
オオヅル
Grus antigone |
全長約152センチ。ツルの仲間では最大。アジアとオーストラリアに分布。 |
オグロヅル
Grus nigricollis |
全長約112センチ。アジアに分布。インドやチベットの標高3000〜5000mの高地で繁殖。 |
カナダヅル
Grus canadensis |
全長約104センチ。アジアの一部と北アメリカに分布。 |
カンムリヅル
Balearica pavonina |
全長約109センチ。アフリカに分布。頭に冠のような羽毛がある。 |
クロヅル
Grus grus |
全長約113センチ。ヨーロッパ、アフリカ、アジアに広く分布。
日本にも少数が飛来する。 |
ゴウシュウヅル
Grus rubicunda |
全長約127センチ。オーストラリア、ニューギニア南部に分布。 |
ソデグロヅル
Grus leucogeranus |
全長約119センチ。アジアに分布。シベリア地方で繁殖し、インドと中国で越冬。日本にも少数が飛来する。 |
タンチョウ
Grus japonensis |
全長約140センチ。アジアに分布。日本では北海道東部、釧路湿原などに一年中生息。 |
ナベヅル
Grus monacha |
全長約100センチ。アジア北部から東部に分布。大部分が日本で越冬。 |
ハゴロモヅル
Anthropoides paradisea |
全長約109センチ。アフリカ南部に分布。 |
ホオカザリヅル
Bugeranus carunculatus |
全長約132センチ。エチオピアとアフリカ南部に分布。 |
マナヅル
Grus uipio |
全長約130センチ。アジア北部から東部に分布。中国、朝鮮半島、日本で越冬。 |

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ソデグロヅル |
カンムルヅル(撮影者 河岡 啓太郎) |
鶴の夫婦 |
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一雄一雌制で鶴の夫婦はとても仲が良くどちらかが何かの理由で欠けるまで生涯共に暮らすようです。
以前(昭和48年12月)出水市での出来事で一羽の羽が傷ついた雄鶴がいてその鶴を保護をしたところ相手の雌鶴が心配をして上空を旋回しながら鳴いていた。その後もお互いが鳴きあいこの夫婦鶴は別々な場所で冬を越すことになり、3月に入って他の鶴がシベリアに帰っても夫婦の相手は保護された鶴が心配で5月まで出水市に残っていたそうである。
その年の冬にふたたび第一陣としてやって来た相手の鶴は夜の11時頃、保護舎上空を旋回しながら鳴いていた。
雄鶴も元気になり放してやると夫婦は共に冬を過ごし三月には仲間と一緒にシベリアに帰って行ったそうである。 |
鶴の家族 |
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ヨシ、牧草地などに、わらと小枝で円錐形の巣を営む。一腹2個まれに3個のクリーム白色卵(種類によっては有斑卵)を産むが、無精卵が多いのである。33日前後の抱卵によって孵化をし、綿毛の雛は褐色である。鶴の家族は普通は2羽から4羽である。5羽とか6羽の家族はいません。
これは夫婦だけであったり、その夫婦の幼鳥が1羽または2羽が加わるからです。
昼間のえさ場では常に家族単位で行動をしているが塒では家族が一カ所に寄り添っているとは限らない。
これは、朝、塒から飛び立つときに同じところから飛び立たずに別の場所からそれぞれが飛び立ち、えさ場で一緒になるようである。
これらの行動は危険の時に身内の絶滅を防ぐ習性かと考えられている。
また、雛が2羽のときそれぞれの親は1羽づつの雛を連れている。これらの行動は雛同士の殺し合いを防ぐためとも言われている。 |
鶴の渡り |
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鳥たちのほとんどは気候の寒暖によって、それぞれの環境に適したところへ移動をします。
それが、近くであったり、また山を越えたり、海を越えての移動であったりします。
その移動の距離が長ければ長いほど危険が多いこともあることでしょう。
鳥の呼吸器官は、薄い大気中でもガス交換をおこなって、体内に酸素を取り込む機構を備えている。そのため、鳥は高空でも飛翔することができるのである。
アネハヅルは繁殖地のモンゴルからインドまでを渡るときには標高8000mのヒマラヤ山脈を越えている。
日本に渡来する鶴の第一陣は10月上旬シベリア大陸バイカル湖、南に優勢な高気圧(1030〜1040ヘクトパスカル)が発生、南東に移動し4日から5日位には日本を覆うようになり北西の冷たい季節風が吹き始める。
この季節風に乗って飛来をする。
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その他のものしり |
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鶴の1本脚
鶴の体温は43度あまりあり、冷たい脚の血液を股関節部で温めている。だから、1本脚で立ったまま寝ることができるのである。
鶴の寿命
鶴の寿命は私が個人的に調べた限りどの年数が定説なのかは解らないが日本の動物園では50年以上飼育されたタンチョウがいたそうである。
鶴の鳴き声
鳴きかたは地上で頭を後ろに引き、くちばしを開いて出す喉(こう)音、あるいは共鳴的ラッパ音のように鳴く(いわゆる<鶴の一声>)で、数百m以上に響きわたる。あるいはまた非常な高音でたえまなく反復をする。種類によって音量に差がある。これは鶴の気管はラッパのように長くて胸の中で曲がりくねっているからです。
危険を感じたとき、他の家族を威嚇するときなどに鳴きます。 |
下の鶴名をクリックすると鳴き声が聞こえます
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鶴の餌
鶴は穀類で300から400グラムの餌が必要であるとされている。豆とかの植物の他ドジョウなどの生物も好んで食べる。 |
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上の写真は出水市での餌やり風景 |