ひとり言

光市・大和町の合併住民説明会の意見集約


議員の在任特例適用は批判的

 
 住民からの意見で最も多かったのは、議員の身分に関するもの。伊保木、牛島会場と大和町の束荷会場を除く、9会場で16人が取り上げた。
 議員の身分については、在任特例や定数、選挙区などについて両市町議会の調整作業が難航して合併協議会に提案されていないことに関し、「合併協議会で相当重要な協議が進んでいるのに、議員の定数について説明がない。光市議会は市の行政改革に合わせ、議会もスリム化して22人から18人に削減した。この経緯から考えれば当然、議員定数について早く決めなければならない」(光井会場)「光市の議員数は全国でも低い水準にあり、この成果を失うことなく、新市になっても、この水準を維持してほしい」(島田会場)「合併の目的は行財政改革が大きな柱であり、財政面の健全化が示されている。この点を踏まえ、在任特例は選択肢としてはどうかと思う。周南市は在任特例により、78人の議員がいるが、個人的にはどうかと考えている」(三島会場)「合併して効率の良い、財政出費を少なくするよう進めているはずの議員が、合併後も2年も居続けるというのは、この趣旨に反する。そのような意味合いで在任特例は適用すべきでない」(大和町福祉会館会場)などという意見が相次いだ。
 また、在任特例を適用して旧2市2町の議員78人を抱える周南市を例にとり、「非常に混乱し、議員報酬の問題で恥かしい論議をしている。こういう愚は絶対起こしてはならない」(浅江会場)「(議員報酬について)合併までにまとまらず先送りして、審議会に丸投げするという最悪の事例がある」(室積会場)という意見もあった。
在任特例を適用すべきという意見は大和町塩田会場の2件だけ。「合併すると、大和町からの議員が限られた数になり、地域の声が届きにくくなるのではないか」「(在任特例適用で)多少経費はかかっても、大和町が不利にならないようにしてほしい」という意見だった。
 このほか、「ボランティアでやってもらえれば、議員数を削減することはない。ひとつの考え方として、そういう方向で議員の熱意を期待したい」(浅江会場)「30人にして選挙をして任期を4年にすると、在任特例で2年伸ばすのと経費はあまり違わない」 (大和町福祉会館会場)という意見もあった。
 下松市や周南市との広域合併についての質問のほか、広域合併推進や一市一町合併反対の意見も出された。「財政推計で10年間に44億円の赤字が出るという。光市・大和町の合併は意味がないから、やめた方が良い。脳外科は黒川医院か徳山中央病院であり、周南市と合併すれば、病院問題も解決できると思うので、広域合併すべき」(島田会場)「下松市長選で合併推進の市長が誕生し、周南市と合併したならば、光市は将来、吸収合併されることになり、将来的に広域合併を視野に入れていないと市民が不利になるのではないか」(光井会場)「一市一町の合併には反対。行革の元は財源であり、合併したら、どういう経済事情になるか情報公開すべき。合併については住民投票が一番良い」(光井会場)などという意見だった。
 また、行財政改革の徹底を求める意見や、光市と大和町が合併しないと仮定した場合の平成17年度から10年間の財政推計について疑問や意見が目立った。
 また、新市のまちづくりに関し、「分散型の行政を進め、支所や出張所、公民館を充実させてほしい」(浅江会場)「自治会活動など地域コミュニティを活性化するべきだ」(周防会場)「合併を機に、何か自慢できる光市の特産品、お土産品を検討してほしい」(三島会場)「大和町の住民が辺境になるのではないかと心配されているが、学校と公民館が地域の人づくりと文化の面で核となる。もっとバックアップして、学校が核となって人づくりとか、文化面がもっと向上すると良いと思う」(島田会場)「新しい光市の顔は美しい自然と歴史的資源を生かし、都市と田園風景があるまち。観光都市として全国に情報発信すべき。そのために観光ルートを示し、観光バスや観光タクシーの運行を考えてほしい光市立病院と大和病院は専門的分野の医療拡充による特色を出すべき。ぐるりんバスの運行を合併当日から大和町へ延長してほしい。バスの運行で人的交流が始まり、両市町が合併したという意識を高めることになる」(島田会場)などという意見・提言が出された。
 大和町では、合併すると周辺部となって過疎化が進むのではないかという懸念や、大和支所の機能についての質問が目立った。町名・字名については、大和町か大和を残すべきという意見と、旧四村名(岩田、三輪、束荷、塩田)だけでよいという意見に分かれた。