巨大ステンレスタンク設置へ

 

 

瀬戸内タイムスより  

 光市の上水道は、島田川の伏流水を林浄水場(中島田3丁目)で取水し、ポンプアップして清山配水池(島田1丁目)に送水。自然流下方式で市内に配水している。
 その清山配水池には地下コンクリート槽(5千トン)が3基あり、配水池からの配水本管(500ミリ管)は国道188号線から東西に一本しかない。
 増築工事は従来の地下コンクリート槽に加え、新たに地上タンクを2基設けるもので、あわせて配水本管を市道虹ヶ丘森ヶ峠線側にも新設し、国道側と2系列の配水本管で配水する体制を作り上げる。
 この増設工事は第4次拡張事業のメイン事業。増築工事に先立ち、平成15年度に清山配水池への進入路工事、16年度は造成工事を行なった。
 今年度から地上タンクの工事に取りかかり、19年度に完工の予定。タンクの設置工事費として7億8千8百万円が見込まれている。
 全国的には配水池は地下式ではなく、地上タンクが主流で、鋼鉄・コンクリート製のものが多い。ステンレス製は錆が出ず衛生的であるうえ、メンテナンスが容易などの利点があることから、市水道局ではステンレス製タンクを導入することにし、指名競争入札の結果、新日鉄が落札した。
 ステンレス製タンクは直径31メートルもあり、高さ12.5メートル。市内全域に配水が可能。水深は8メートルで、貯水量6千トン。配水池のステンレス製タンクとしては日本最大級。
 現在はタンクの製造工事を行なっており、据え付け工事は来年度。巨大なステンレス製タンクが設置されたあと、遠くから眺めると、清山にUFOが着陸したように見えたそうだ。
 市水道局によると、ステンレス製タンク2基の新設により、清山配水池の貯水量は1万5千トンから2万7千トンにアップ。停電や事故により林浄水場からの送水が止まると、これまではタンクに貯水している8時間弱分の水道水しか配水できなかったが、今後は12時間以上にわたって配水が可能になるという。
 水圧も0.8キロ上がり、虹ヶ丘など高所へ安全給水を図ることができる。
 また、配水本管1系列の現在は、事故が起こると市内全域が断水する恐れがあるが、2系列になると、1系列に事故があっても前面断水を免れることができる。また、老朽化して配水本管の更新工事も、大きな影響なく実施することができる。