周南、光、下松の3市議会が意見交換会

 

 

瀬戸内タイムスより  

 周南、光、下松の3市議会意見交換会が22日、下松市議会委員会室で開かれた。正副議長と議会事務局長の計9人が出席し、議会運営や一部事務組合について意見交換した。次回は10月下旬に周南市で開かれる予定。
 以前は徳山、新南陽、下松、光に防府、柳井を加えた6市による周南6市議長議会があったが、3年前
に解散。『平成の大合併』も一段落したことから、改めて3市議会で意見交換の場を持つことになった。
 まず取り上げられたのは一部事務組合の問題。3市が関係する一部事務組合は、周南地区衛生施設組合(3市)、周南地区食肉センター組合(3市)、周南東部環境施設組合(光、下松市)、周南地区福祉施設組合(周南、下松市)、光地区消防組合(周南、光市など2市1町)、光地域広域水道企業団(周南、光市など2市2町)がある。
 周南地区衛生施設組合について、周南市は「組合のクリーンセンターへ新南陽地区、鹿野地区の可燃ごみを持ち込むことができず、周南市全体のごみ問題があるとき、混乱することがある。柔軟な対応をしていただけないだろうか」と述べた。
 これに対し、下松市は「旧清掃工場跡地をどうするかという問題もある」などと述べた。
 また、光地域広域水道企業団については、周南市長が「中山川ダムの水を活用して、熊毛地区へ独自給水したい」という方針を打ち出しているが、同議長は「熊毛地区の水問題の解決には下松市、光市の協力が必要。コストが安く、熊毛地区の方々へ水が提供できないか、議会でも議論が出ている」と述べ、注目された。
 これを受け、光市は「難しい問題もあることは承知しているが、光市は水が余っているので、大変美味しい水を(周南市が)買ってほしい、飲んでいただきたいというのが本音」と述べた。
 周南地区食肉センター組合については、光市の業者は平成10年度から、下松市の業者は11年度から利用実績がなく、下松市議会側から「利用が少なくなっており、閉鎖することを検討する時期ではないか」という意見が出された。
 また、光市は「組合議会に出ている議員が、組合議会での議論を他の議員にきちんと報告しているかをいう課題がある。市議会全体が共通認識を持つため、一部事務組合の改革のため、報告をしっかりしていきたい」と述べた。
 一方、議会運営については、周南市が委員会懇談会(ミニコン)制度創設について説明。「行政は市民参画が進んでいるが、議会はなかなか対応できない。市民参画の一環として委員会懇談会制度を設けた」と述べた。
 このように、3市議会の意見交換会は、お互いに本音で意見を出し合ったり、率直に質問する場面も見られ、一部事務組合で行き詰っている問題・課題解決の糸口となる可能性もある。また、お互いに議会運営の長所を採り入れるなどして、各市議会が長年続けてきた慣習や旧態依然とした部分の改革につながることも期待される。



■<一部事務組合>複数の普通地方公共団体(市町村)が業務の一部を共同処理するためにつくる特別地方公共団体。構成団体の首長や議員らにより組合議会が設けられる。
 一部事務組合は
  1.寄り合い世帯のうえ、処理業務ごとに設立された組合が多く、効率的な組織・財政運営がなされていない。
  2.住民による直接請求など住民参加の仕組みがなく、情報公開も遅れており、住民からの距離が遠くて意見が反映されにくい。
  3.構成団体に対し、規約を変更することができず、組合自らのイニシアティブを発揮できない。
などの問題点があるとされる。