定例会
3、御手洗湾沿いの整備計画について

  前回の質問において海岸事業計画として、松林・海岸保全という大きな視点からおこないご答弁をいただきました。しかし、将来の思いは確認しあえたものの、なんら解決策を見出したものではない答弁であったように思っています。今回は、夢ばかりを語るわけにはいかない現実があることをしっかり理解していただき、早急な対策として2点にわたり質問していきたいと思っています。

@188号線の護岸整備計画の促進
188号線の室積御手洗湾沿いを通っていると、堤防がないただのガードレールである箇所が一部残っている現状をみなさんご存知でしょうか。毎年台風シーズンになるとこの部分から波が押し寄せ、大きな岩が道路を塞ぎ、通行止めになってしまいます。また押し寄せた波は、近隣の民家へ流れ大きな被害となっているのが現状です。毎年の事ながら、なぜこの一部分だけが取り残されているのでしょうか。何か特別な意味があるのでしょうか。それによる市民の生活道を遮断されることを思えば、早急な対策が講じられることが必要不可欠です。またそこから続く188号線沿いの堤防も見直しの時期に来ているように感じています。通行止めや多くの被害をもたらしている現状も十分に踏まえていただき、早急な対応を国や県にお願いしていただきたいと願っています。ご所見をお伺いいたします。

答弁
国道188号の室積東ノ庄から田布施町境までの約5キロメートル間は、海岸に沿って走る区間で、波返しのコンクリート堤防が続いており、五軒屋などの海岸への出入り口には、ゲートも設置され、高潮の状況により閉鎖するなどの措置を行っていますが、一部分ガードレールのみ設置されている箇所も残されています。
国道188号のこの区間は、大きな台風の襲来時などでの越波や、国道に平行する山や斜面が急傾斜であり、降雨などによる崩落等の危険性がある場合には、警察署により通行止めの措置が取られ、昨年の台風18号の際も通行止めの措置が取られております。
国土交通省においても、国道の横断勾配の修正に伴うコンクリート擁壁の新設や嵩上げ、また、急傾斜地の斜面に法枠工を設置するなど、災害の未然防止に努めるとともに、事前のパトロールも行っているところです。
あらゆる自然災害などに対応できる施設が設置されることが、市民生活には当然必要なことでありますが、予測以上の自然災害への対応もまた困難なことも事実で、災害を最小限に食い止める努力が必要であろうと考えています。
この区間の国道は、光市にとって近隣市町村を結ぶ広域主要幹線であり、長い通行止めは市民生活への影響は勿論のこと、経済的行為にも影響を及ぼしかねないこと、また、民家への被害も防ぐ必要があることから、実態を調査しながら、国道管理者である国土交通省に対し改善の要望などを行って参りたいと考えております。

要望
 未整備部分の堤防については、早急に県や国にお願いして頂き、通行止めにならないよう、民家の災害を少なくするよう要望しておきました。


A高潮対策の未整備部分の対応は
今光漁港広域漁港整備事業として漁港の一帯が整備され、より安全対策が充実していく中で、室積御手洗湾の両端になる部分が、見過ごされているのではないかという思いがあります。たとえば、普賢の波止より山大附属側は堤防はなく、台風による波の被害はかなりのもので、石垣が壊された状況は悲惨なものがあります。また埋め立て等に使うための砂の流出による影響で、なだらかで浅かった海も今ではかなり深くなってきています。
反対に位置する栽培漁業センターより簡保側では、今行われている防波堤の延長による波の影響や、堤防のない国道からの海水の進入で、今まで以上に高潮対策が必要になってきています。両端ではありますが、あまり重きをおかれていないような未整備部分に対しても、年次的に有効策を考え見直していただきたいと思います。ご所見をお伺いいたします。

答弁
御手洗湾の高潮対策については昭和46年から昭和53年にかけて光漁協から普賢波止場までの637メ−トルを整備いたしました。建設当時、専門業者によって高潮に対する解析を実施したところですが、普賢波止場から山大付属側495メ−トルについては象鼻ヶ岬があることにより波による影響が少ないという結果が出ていました。また、当地区はほとんどが民有護岸で、海岸保全整備事業の採択には、施設の移管等一定の条件をクリアーする必要がありました。
 しかしながら、平成11年9月24日に襲来した台風18号により整備計画の基準が見直されたことから、これらが整理できれば、今後整備対象となりうる可能性もありますので、当地域の高潮による被災状況の確認をし、国県に整備要望するための資料作りを行っていきたいと思っています。
 次に埋め立て等に砂が使われ浅かった海も深くなったということですが、公共事業によって埋め立てを行った栽培漁業センタ−建設の造成、また光漁協から普賢波止場までの高潮対策の整備を実施しておりますが、いずれも使用した土砂は他地区からの搬入であり、海が深くなったことにつきましては、開発による砂の供給低下や護岸等の構造物設置により潮流の変化などによる砂の移動も考えられます。
 次に栽培漁業センタ−から国道188号までの高潮対策についてで、現在施工している防波堤は、波を吸収し波高が増幅されない構造で整備していますが、風向・風速による反射波等の影響も考慮しなければならないと考えております。
 いずれに致しましても、高潮に対する被災状況等の関係資料などを整備し、当地域の高潮に対する防災対策について国県等関係機関とも調整をしてまいります。

要望
とにかく、年次的にも越波・高潮対策に対する調査を早く進めてほしいことをお願いしました。これらの案件は、多額の予算がかかることから、人口リーフ・消波ブロック等の比較的早く対応できる工事からでも始めてほしいということを強くお願いをしておきました。