定例会

2、誇りに思えるまちづくり

@冠山総合公園地域再生構想について
 この質問は、先行議員さんと重複いたしますので割愛させていただきますが、自分たちのまちを一人ひとりが知ることは、とても重要なことだと思っています。市民の皆さんと協働できる取り組みとして進めていっていただきたいということを強く要望しておきます。


A大切な自然・伝統文化の継承
 「ものの豊かさ」から「心の豊かさ」が求められる時代になりました。そのような中、これからのまちづくりに必要不可欠なものは、水や大気などに代表される自然環境の保全や、地域に根ざす伝統や文化をはじめとする地域資源の保全・継承といえます。
 都市化が進む今日、安全な水源・大気の確保や、伝統・文化 の継承には、地域が一体となり、互いに助け合っていくことが必要です。
 また、それぞれの市町村が持っている貴重な資源を共有することにより、今までにはない新しい発想のまちづくりが可能となるでしょう。
 次世代の子供たちが安心して暮らせる生活環境の継承が、今を生きるわたしたちの使命とも言えます。総合的な観点から、教育に地域活動にもう一度市民の皆さんに協力していただき、具体的な計画の必要性を感じます。光市に住んでいる人はもちろんですが、ふるさとを離れた方、一時的にも光市に住まれた方が、光市に戻りたいと思えるような誇りに思えるまちづくりとして、具体的に取り組んでいただけたらと思っていまが、合併後の構想としての考えをお聞かせ下さい。

答弁
〇末岡市長
 それでは、磯部議員さんの2番目、「誇りに思えるまちづくり」についてお答え申し上げます。
 我が国には、先人の努力により、美しく緑豊かな自然や世界に誇れる伝統文化が残されております。私たちは、日々の生活の中で、この素晴らしい自然に触れ、伝統文化を体験することで、故郷への愛着と誇りを育んでまいりました。
 議員ご指摘のように、このような豊富な自然や地域固有の伝統や文化など、素晴らしい財産の恩恵を享受しております私たちには、これらの財産を守る責任があり、次世代に継承する責務があります。
 しかしながら、今日、地球的規模での自然環境の破壊が進み、地域で継承してきた伝統文化も、若者の流出や担い手の高齢化による後継者不足などを背景に、地域から失われようとしております。
 また、物があふれる豊かな日常生活はいつの間にか、自然や伝統文化の保全と継承という意識の希薄化を招き、若者をはじめ、故郷に対する愛着と誇りは失われつつあるようにも感じております。
 今後、貴重な自然や伝統文化を後世に伝え、故郷に愛着や誇りを持ち続けるためにも、これまで以上に、地域による一体的な保全と継承への取り組みが重要と認識し、自然や伝統文化の体験を通じた故郷への誇りと愛着を醸成する取組みが必要であると考えております。
 幸いにも 本市には、瀬戸内海国立公園に指定されている室積・虹ヶ浜海岸や県指定 無形民俗文化財 の 島田人形浄瑠璃芝居 など、美しい自然と郷土色豊かな伝統文化が、地域資源として残されておりますし、今でも、地域の皆様が一体となり 保存と継承にご尽力されておられます。
 一例を申し上げますと、白砂青松の風光明媚な室積・虹ヶ浜海岸では、松の植栽や海浜清掃が行われるなど、市民自らが自然海浜の保全と育成に積極的に取り組み、故郷の素晴らしい海岸を守る取組みを展開されてこられました。
 一方では、人々の足が 自然海浜から遠のきつつありましたことから、人々が自由に活用し、多くの人が自然に目を向けることを目指し、昨年11月、「構造改革特区」に自然海浜の高度利用についての提案を行いました。特区の認定は受けることができませんでしたが、許認可にあたっての手続きの簡素化を図ることができました。
 こうした結果、先月6日から3日間にわたり「スターライトファンタジーイン虹ヶ浜」を開催いたしましたが、これは単なるイベントではなく、多くの人が自然海岸の素晴らしさを共有し、自然環境の大切さを認識し、愛着心を育むことができたものと考えております。
 私は、「人が生き続けていくための理想的な生存空間」を創造するためにも、光市と大和町に現存する、多くの自然や貴重な伝統文化を、市民や地域と行政が連携し、「共創・協働」による保全と継承を進め、全ての人々が、愛着と誇りが持てる故郷づくりを実現したいと考えております。
 こうしたことから、合併協議会委員の総意で策定されました「新市建設計画」の新しいまちの施策のひとつに、「自然と歴史的資源を活用した潤いのまちづくり」や「豊かな人間を育てる教育と文化のまちづくり」を掲げております。
 ともすれば、私たちが見落としがちな身近にある故郷の自然や伝統文化を再発見し、さらにこうした素晴らしい地域資源を活用し、人々が心豊かに交流できるシステムづくり、これは新市の実現しなければならない課題であります。
 ご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。