定例会
5、パブリックコメント制度の確立

@市民の視点に立った、開かれた市政の推進

 
 パブリックコメント制度とは、生活に広く影響を及ぼす市政の基本的な計画、条例等を立案する過程で、これらの案の趣旨、内容等を市民の皆様等に公表し、寄せられた意見を考慮して最終決定するための一連の手続のことです。 
 光市では、これまで各種の市民協議会などで公募の市民委員から、会議の場で意見を述べていただいたり、アンケートや、市長と語る会、住民説明会等を実施するなど、多様な方法により市民の皆さんの意見を行政に反映できるように努めてきましたが、これは、特定市民の参加といえるでしょう。実際には、政策形成に当たって、民意の反映や専門的知識の導入、利害関係の調整を図るため、審議会等に諮ってその意見をもとに意思決定が行われることが多いのですが、この手法は、施策の妥当性、実効性を確保する上で有効であるものの、一方で、審議会が行政の隠れ蓑になっているという批判もあるように、政策形成過程の透明・公正化という観点からは、改善を要するものと考えられます。
 また、光市のホームページで市長・各課へのメールで広く一般市民の意見を取りいれることも実施していますが、これも広い意味でパブリック・コメントに該当するものといえるでしょう。ただし、市がより広く市民全体の意向を知り意見を反映させたいと考える施策に実施するものであり、実施するかしないかは市(担当部局)の裁量に任されていました。より透明・公正な政策決定を推進するためには、市民の誰でもが行政に意見の言える制度が必要です。あらかじめ、どのような案件の場合に市民の意見を求めるのかの枠組みを決めておき、その枠組みに該当する場合は、必ず市民の意見を求める手続を実施することを行政に義務付けることが求められています。 
 市民参画の今までのやり方は、専門家によってほぼ作り上げられた計画書が提示されて,それについて意見(感想)を述べるだけのものが多く、「形だけ」のものになっていたように感じます。多くの人が良い意見や考えを持っていても、「言ってもどうせだめだから」とあきらめてしまっている人が多いのも事実です。そんな問題を基本的に解決するのが、このパブリックコメント制度なのではないのでしょうか。
 パブリック・コメント制度は、欧米では古くから実施されており、市民の行政運営への参加が推進されるなどの効果が上がっている一方、迅速な行政執行という観点からは、かえって非効率になるなどの指摘もあります。
しかし、より一層の市民の行政への参画、さらには市と市民の協働による行政運営がこれからは不可欠と考えており、光市にふさわしいパブリック・コメント制度の導入を検討することが求められているのではないのでしょうか。
 当局のご見解をお尋ねします。

答弁
ただ今、議員さんからご紹介がありましたように、この制度は、政策の立案・決定過程において広く市民の意見を反映し、また、透明性の向上と公正の確保を図りながら、市民との協働によるまちづくりを進めていく手法であると認識をいたしているところであります。
国におきましては、平成11年度からこの制度を本格導入し、地方分権の流れの中で、全国の地方自治体でも導入の動きが広がりつつあり、県におきましても、平成14年4月から実施しているところであります。
本市におきましては、これまで、まちづくりの基本理念の一つに「市民参加による自立するまちづくり」を掲げ、その一環として、住民説明会やまちづくり出前講座の開催、また、市広報やホームページによる市政情報の提供、情報公開制度の実施、市民ふれあいトークや電子メールによる広聴活動の実施、あるいは、各種計画などの策定の際に必要に応じて市民協議会などの設置、さらには、本年度からは、新たに「まちづくり燦燦会議」を開催するなど、市民が主役となる開かれた行政の推進に努めているところであります。
しかしながら、地方分権や規制緩和が進み、地域間競争が激化している今日、限られた財源の中で、様々な行政課題に的確に対応し、魅力あるまちを築いていくためには、これまで以上に行政と市民とが協力し合い、知恵を出し合って、まちづくりに取り組んでいかなくてはなりません。
そのためには、市の説明責任を果たしながら、市民と情報を共有化し、市政に対する理解と信頼を深めていく必要があります。そして、これらをベースとして、市民や地域が自主的・主体的にまちづくりに参画でき、市民の皆さんの力を最大限に発揮できるような行政システムの構築が必要であると考えております。
こうしたことから、ご提言のパプリックコメント制度につきましても、新たなまちづくりにおける重要な施策の一つであると認識いたしております。
今後、先進事例地なども参考にしながら、本市にあった制度について検討してまいりたいと考えております。引き続き、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。