定例会
3、学校教育の可能性

:Educator配置による地域連携・体験型の企画を

「美術館、博物館が相次いでEducatorと呼ばれる教育・普及専門の担当者を置き始めた。」という記事を読まれた方も多いと思いますが、ここで紹介するEducatorとは、来館者や地域社会との交流を通して、展示品や企画内容への理解を促す人を指します。さらに、学校五日制などで学習拠点としての役割も期待されていることから、より身近な存在をアピールし、来館者の増加につなげたいという目的があります。Educatorが相次ぎ誕生しているのは学校五日制の普及や生涯学習意欲の高まりで、美術館、博物館に学習拠点の役割を期待する声が地域社会で強まっていることがあげられるでしょう。欧米ではすでに一般化しており、特に地域の公立美術館、博物館が学校を補完する学習機関の役割を果たしています。
 光市に置き換えれば、これからの学校教育の中で、市内の文化施設や図書館、さらには周辺の文化施設等が、学習拠点の役割を果たす場所となり、そこへ専門家であるEducatorを置くことで、子供達の体験学習による学習意欲をますことも期待できるのではないでしょうか。もちろん予算の少ない中、Educatorの配置は難しいと思いますが、子供達のためにボランティアで協力していただける方は、意外と多いのではないかと思っています。
 山口県でのEducator配置状況、さらには今後の計画等をお聞かせいただき、市内の文化施設等での体験学習などの企画を、どのように考えておられるのか現況とあわせてお答えください。

答弁

 ご紹介のありましたように、Educatorは、博物館及び美術館等に、教員や民間ボランティア等を一定期間配置して、学校教育と社会教育の連携による教育普及活動を主に行うものでありますが、県内では、現在、県立博物館・美術館も含めて、どこにも配置されていない状況でございます。
 今のところ、関東・関西地方等の人口規模の大きい都市部において、配置されているようであります。
 次に、今後の配置計画でありますが、お尋ねの趣旨のような関係職員の配置予定は、現状、ありませんが、図書館において実施しております、語りや読み聞かせのボランティア養成講座を修了された方が、図書館をはじめ、学校や地域社会等で活躍されておられますので、引き続き、こうしたボランティア養成の充実に努めていきたいと考えております。
 なお、議員仰せの文化センターや、ふるさと郷土館等における文化施設や学習指導ボランティアについては、管理運営を担当しています文化振興会とも意見調整を図ってみたいと考えております。
 次に、学校における市内の文化施設等での体験学習の現況でございますが、「総合的な学習の時間」を中心に図書館・文化センター・ふるさと郷土館等、児童・生徒それぞれの学習課題にそった学習をすることが多く見受けられ、図書館での司書による指導、文化センターにおいては、歴史民族資料室で、常時、本市の歴史に関する資料を展示し、関係職員が開設、指導等の対応をしています。
 また、ふるさと郷土館においては、地域の歴史を中心に資料収集を行い、学習教材、説明資料としての「しおり」を作成するなどして、良好な体験学習の場となるように努めているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後、「総合的な学習の時間」において、こうした文化施設を利用した体験学習がますます活発になり、また、土・日を利用した自主的な学習も増えることも予想されますことから、そのニーズや、より適切な支援の方法等につきまして、人材の活用も含めて研究してみたいと考えております