定例会

1、原点を見直す改革とは

@公務員の資質向上


企業の合併や倒産、生き残りをかけてのリストラ、大幅な減給、就職難等、今生活の基盤自体が大きく脅かされている中で、公務員は、もちろん私も含めてですが、今まで以上に市民のみなさんの厳しい批判を受けざるをえない状況です。これからの自治体は、自己決定・自己責任の原則のもと、地域の経営主体としてこれまで以上に重要な役割を担うこととなりますので、各市町村とも、首長、管理監督者から担当職員までの各階層において、それぞれの職員の資質向上を図るため、研修をはじめとする各種人材育成策に積極的に取り組まなければなりません。光市の現実はどうなのでしょうか。
毎日、多くの課題に取り組まれ頑張っておられる職員のみなさんを見ていると、市長さんが日本一の市民サービスになるようにと言われるだけあって、さすがと感じるところも随所に見受けられます。しかし、残念ながら、未だに改革できていない点も多く見られるのが現実ではないでしょうか。私が仕事として関わる中で、公務員としてあるまじき言動、行動をしたにもかかわらず、全くペナルティーも反省も向上もない現実が、私自身の体験の中でも何回かあります。情けない思いと、なぜこんなことが許されるのか、臭いものに蓋をしてしまうことなく、多くの膿を出していかなければ改善しようがないと思います。上司の方は、秩序や規律を守り、議論を重ねて問題解決しなければならないことを避けておられるような雰囲気も感じ取れます。教師の資質問題が大きく取り立たされている中で、公務員全体の資質にも、問題提起していかなければならないと感じています。職務に必要な技能・知識だけでなく、仕事に対する取組み方など、自己啓発のための研修を職員だけでなく、嘱託・パートの方にもどのような指導を行っているのか、具体的にお答え下さい。研修だけでなく、意識改革・職場改善するために、各部署でどのような努力をしておられるのか併せてお答えください。

答弁

21世紀を迎え、少子高齢化の進行や国際化・情報化の急速な進展、さらには、都市間競争が激化する中で、国及び地方自治体を含めた経済社会全体の構造改革が喫緊の課題となっております。
 現在、小泉総理の下、国と地方のあり方、地方自治の根幹を左右する「三位一体の改革」が激しく論議されており、去る6月12日、全国市長会議におきまして、「三位一体の改革」に関する緊急決議を採択したところであります。
申すまでもなく、この「三位一体の改革」は、財源と権限を見直し、「地方にできることは地方に委ねる」を基本方針としたものであり、我々地方自治体にとっても、この改革に呼応し、自らも改革できるかどうかが、将来にわたってそのまちが生き残っていけるかどうかを左右する大きな岐路に立たされていると認識しております。
こうした中、地方主権を築き、都市間競争に打ち勝つためには、常々申しておりますように、自らが改革・刷新を行うことが不可欠でありまして、自己責任と自己決定により、職員自らが、自主的・主体的に政策形式を行う能力の向上が求められております。
また、国においては、信賞必罰の人事制度の確立や多様な人材の確保・育成、さらには、新人事評価制度や能力主義に基づく給与制度の導入など、公務員制度のあり方自体が大きく見直されようとしております。
一方、地方自治体においては、自治体の規模に合わせた組織の最適化、社会経済情勢や市民ニーズの変化に柔軟かつ弾力的に対応できる組織変革など、最小の経費で最大の効果を生み出す組織運営が強く求められております。
 私といたしましても、地方の時代の幕開けに向けて、この光市が、真の地方自治を勝ち取り、輝きつづけるためには、有能な人材の確保や育成はもちろんのこと、職員の意識改革と資質の一層の向上が不可欠であると考えておりまして、職員とも痛みを分かちながら、日々、不断の努力を重ねているところであります。
議員抑せのように、人材育成に向けては、職員研修の充実が急務でありますことから、「自分で課題を見つけ、解決する資質や能力を持った職員の育成」を目標として、階層別研修をはじめ、専門研修や接遇研修、意識改革研修などの幅広い研修を実施しているところであります。
さらには、自己申告制度による職員の適材適所の配置など、総合的な人材育成に取り組んでいるところであります。
特に、分権型社会に対応できる人材の育成を目指し、研修面では、政策形成能力向上研修や政策法務研修などの実施、また、管理・監督者としての役割・使命を認識し、自己変革を図る管理職研修など、職員研修を積極的に展開しております。
また、嘱託・パート職員の接客に対する指導等につきましては、以前にも申しておりますが、採用時に守秘義務の厳守、名札の着用、挨拶の励行等を徹底し、服務等に関し、私自らも訓辞を行っているところであります。
さらに、議員のご提言も踏まえ、新たに、接遇マニュアルを配布し、接遇の向上・徹底を図るとともに、昨年から、庁内講師による嘱託・臨時職員を対象とした窓口・電話応対などの接遇研修を実施し、市民サービスの一層の向上に努めているところであります。
なお、意識改革・職場改善に関するものとしましては、さわやかサービス推進委員会による名札の改善、席次表の設置、市民アンケートの実施、さらには分煙化などに取り組んでまいったところであります。
いずれにいたしましても、人づくりは、すべての組織にとって、根幹に関わる重要な課題でありますことから、地方公務員法の本旨を踏まえつつ、市職員として求められる能力・資質を明らかにし、研修制度の見直しや人材育成に向けた管理職の責務など、組織としての教育力を高め、さらなる職員の資質向上を図り、分権と構造改革の時代に対応できる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。
御理解賜りますようお願いいたします。


Aボランティアへの参加を評価対象に


地方分権を推進し住民主体の行政を実現するためには、自治体職員が常に住民に目を向け、住民の立場に立って考え、住民に対し説明責任を果たしていくことが大切です。こうした観点からの研修等にも積極的に取り組み、市町村への情報提供に努めていかなければなりません。このような研修を効果的に行うために、仕事以外の様々なイベント等のボランティアへ、積極的に参加をすることは、身近な住民の立場、意見等がしっかり吸収できるチャンスなのではないでしょうか。そして、積極的な休日の活動が業務の評価対象になる事も、有意義であり大切なことではないかと考えます。もちろん、企業では業務の評価対象に、これらのことは既に早くから取り入れられております。私は、まちづくりの基本は人づくりであると考えています。仕事以外で、多くの人との関わりを持つ事は非常に重要なことであり、またそこで多くの情報や、身近な知恵を得ることも出来るはずです。優秀な人材を育てるためにも、やってもやらなくても一緒の評価というのではなく、やる気が起こる職場環境にするための評価対象を、どのように考えておられるのかお答え下さい。


答弁

職員のボランティア活動への参加は、異なった視野で行政を見つめ直す良い機会となり、職員の資質向上にも寄与し、職場の活性化にも通じるものと考えております。
人事管理面におきましても、職員が地域の行事や各種イベントなどに参加したり、奉仕活動を行ったりすることは、非常に有意義なことであり、人材育成の観点からも、市の業務に支障のない範囲で、職務に専念する義務を免除するなど職員が自発的に地域活動に取り組める環境づくりに努めているところであります。
国におきましても、公務員制度改革の中で、業務の実態に即して多様で質の高い人材を確保する観点から、採用試験制度を見直すこととしており、その際、ボランティア活動の経験を評価するなど人物評価の在り方について検討するとされております。
議員抑せのとおり、「まちづくりの基本は人づくり」であるという考えには、まったく私も同感であり、職員一人ひとりがボランティア活動等を通し、市民との協働による施策展開を目指し、持てる能力を発揮し、時代の潮流に対応できるように常に自己改革を行っていく必要があると考えております。
そのためには、「やってもやらなくても評価は同じという職場風土」から「やれば評価は違うという職場風土」へ変革させる人事管理全般の改革とともに、ボランティア活動も含めた能力、意欲、実績などを重視した人事評価システムの確立に向け、努力してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いいたします。

Bチェック体制の強化

行政が発信する全てに対するチェック体制については、今までに多くの議員さんから問題提起されております。しかし、その後どのように改善、改革がなされているのでしょうか。間延びした定点観測に基づくチェックではなく、日常の小さな異変もその場ですぐに検出し、当事者にジャストインタイムで問題解決を促す、継続的なチェック体制は取られているのでしょうか。財政悪化の折から、行政評価には予算削減や資金の効率化といった即効性も求められるでしょうが、最大の狙いは行政運営の中に、日常的チェック機能を制度化することにあると考えています。行政改革の観点からお答えください。

答弁

業務委託をはじめ、各種事務事業の執行にあたりましてのチェック体制といたしましては、事業の進行管理をするなかで、例えば、毎日の提出をはじめ、現場の巡回などを必要に応じて実施しながら、事業完了時におきましては、成果報告書に写真を添付されるなどを求めているところであります。
また、こうした日常的なチェックの実施とともに、予算編成や決算時におきましても、その事業の必要性や有効性、またはその成果に対して検討を加えながら今後の事務事業の選択や見直しを行っているところであります。
只今、議員からは、行政評価制度の導入の目的として、行政運営のなかの日常的なチェック機能を制度化するといったご意見もありました。
行政評価制度の導入は、事務事業の成果について客観性を高めるとともに、評価を通じて個々の職員に対して、具体的な目標の設定とともにコスト意識の醸成といった意識改革を進めるうえからも有効な方策の一つであろうと考えており、日常的なチェックに際しましてもこうした職員個々の意識が事業の効率性や成果にも大きな影響を与えるものと考えております。
行政評価制度につきましては、これまでも申し上げておりますように、その必要性は認識しておりますが、導入した先行市におきましても試行錯誤が続いており、評価指標の設定や評価の反映などの課題も抱えているようでありますので、今しばらく導入に向けての検討と研究が必要であろうかと考えております。ご理解を賜りたいと存じます。