定例会

3.合併問題について

 

 ある新聞のコラムに日本ハムのことが書かれており、ハムは続けると漢字の「公」(おおやけ)という文字になるが、日本の企業の中には「公」を忘れて、会社は自分と家族のものと思っている経営者が多いことを嘆き、今後の日本ハムのキャッチコピーを「私たちは『ハ』と『ム』をくっつけま−す」としたらどうか皮肉っていました。

 私は早速「公」の語源を調べてみました。そうすると「囲む」を表す「口」(い)と「開く」を表す「八」(はち)とを合わせた会意字であることがわかりました。残念ながら、公の下のムは囲むの省略文字だったのです。

 そしてその意味は、勝手に囲い込む独占の反対で公平な分配の意味ということです。つまり「公」とは十分な情報公開が必要条件で、それに対して市民が反応して初めて必要にして十分な条件になると思いました。

 この夏の合併に関する市民集会でも、まだ合併に関する情報が十分伝わっていないなと感じましたので、市民の方々のご意見を参考にしながら、大和町との合併についてを中心にしながら、質問を展開していきたいと思っております。

 さて周南地区の合併に関する取り組みは早かったように思っておりますが、合併特例法の期限が近づこうとしている現在、ここに来て混乱を来しているように感じられます。

 下松市が実質的に合併協議会を離脱したことが大きな原因でしょうが、それが熊毛町に飛び火して、町を二分しての議論になり、感情的なしこりまで出来てしまったといわれております。

 

@合併問題については、感情論に走ることなく、冷静・慎重に議論すべきと思いますが、いかがでしょうか。

 

A大和町は、財政力が低く、光市と合併した場合に現状の光市の行政サービスの低下に繋がらないかということもよく聞かれることの一つです。また、現状でも財政状況が逼迫している中で、こうした財政問題にどのように対応しようとしているのかお尋ねします。

 

Bさて究極のリストラともいわれる都市合併ではありますが、もう一つの視点は将来のその都市の姿であります。どのような町にするのか、したいのかが重要な論点であることは間違いありませんが、大和町との合併で光市の将来のまちづくりにどのような夢が描けるのかをお聞きかせください。

 

C大和町との合併に関して、具体的な論点の一つは公立病院の問題です。合併すれば、2つの総合病院を持つことになります。市立病院におきましては入院・外来患者数が大幅に減少しており、赤字経営に転落の危機を迎えており、健康保険の改正により、個人負担が増大し、患者数の減少がさらに進むと予測され、病院間競争はますます激化する中、、どのような役割分担を考えているのでしょうか。さらに、大和病院は、赤字経営であるとお聞きしておりますが、将来の病院経営に不安はないのでしょうか。

 

D大和町との合併で、特に、各論部分でデメリットが強調されているように感じられます。こうしたことに対する市長さんのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 

E最後に、現在、議会においては、本市の合併問題について、合併調査特別委員会の中で、様々な議論が交わされておりますが、合併特例法の期限を見据えた場合、残された時間はあまりないと考えます。国が示した合併マニュアルによれば、合併までには22ヶ月を要するとありますが、大和町との合併に向けての今後のスケジュールをお尋ねいたします。

 

答弁

 

それでは、磯部議員さんの「合併問題について」のご質問にお答え申し上げます。

 まず、1点目の「合併問題については、感情論に走ることなく、冷静・慎重に議論すべきではないか」とのお尋ねでありますが、私も全く同感でございます。申すまでもなく、市町村合併は、地方自治の根幹に関わり、将釆にわたる地域のあり方やそこに暮らす住民に大きな影響を及ぼす極めて重要な課題であり、市民合意のもとでの合併が基本であります。従いまして、今後とも本市の合併問題について、市民の皆さんが冷静な判断を行える必要な状況提供に努めるとともに、将来に禍根を残すことのないよう、現状を冷静・慎重に見極めつつ、引き続き議論を重ねてまいりたいと考えております。

 

 次に2点目の「財政力の低い大和町との合併に際し、財政問題にどのように対応していくのか」についてでありますが、確かに大和町との財政格差は、大和町との合併における課題の一つと認識しております。しかしながら、市町村合併は、究極の行革と言われますように、合併により、行政組織や行政運営の効率化を図ることも目的のひとつであります。合併に伴う人件費の削減をはじめ、組織・機構の統廃合により、あらゆる部門での改革や刷新を通して得られる合併効果や、さらには、国・県の財政支援制度の効果的な活用によりまして、財政力の格差が是正きれ、足腰の強い行財政基盤を確立することが可能になるものと考えております。

 

 次に3点目の「大和町との合併で、光市の将来のまちづくりにどのような夢が描けるのか」についてであります。合併後のまちづくりにつきましては、具体的には法定合併協議会の中で協議されるわけでありますが、光市・大和町ともに保健・医療・福祉施設が充実しておりますことから、こうした施設の有効活用を図り、より高度な保健・医療・福祉サービスの提供を行うことができるものと考えられます。また、歴史的な繋がりも強く、日常生活圏も一体化していることから、まちづくりに必要な地域コミュニティの形成が容易であり、コンパクトな市域とも相俟って、住民が積極的にまちづくりに参加できる環境整備の実現が可能と考えられます。さらに、共同処理を行っております消防・救急業務やごみ処理業務につきましても、合併により、新たな施策の展開が期待できると考えております。このように、光市・大和町がもつ地域の特性を活かせば、必ずや夢のあるまちづくりが実現できると確信しております。

 

 次に4点目の「二つの公立病院をどのように役割分担していくのか、また、将来の病院経営に不安はないか」についてであります。現在私は、全国自治体病院協議会の副会長として、また、「経営改善委員会」の委員長として、自治体病院の経営の安定化に向けて、様々な角度から検討を進めております。全国的な課題となっております病院問題につきましては、先日開催いたしました合併問題住民説明会の中でも、何人かの方からご質問をいただきました。確かに今回の大和町との合併に際し、最も大きな課題であるとも考えられます。しかしながら、56,000人の自治体に二つの公立病院が存在するということは逆に、全国に類をみない大きな特徴であり、いわゆる優位性のひとつとも考えられるのではないでしょうか。これからの超高齢社会を迎える市民にとって、十分な安全・安心の確保が図られるという意味では、これほど心強いことはありません。もちろん、これらの病院を有効に活用するためには、議員仰せのとおり病院の区別化を図り、役割を分担するなど、それそれの病院の機能をどのようにしていくか検討し、それそれの利点を活かした病院の体系を整理していくことが重要となってまいります。また、将来の病院経営につきましても、あらゆる改革を実践し、市民のための病院としてサービスの低下を招くことのないようしっかりと経営努力をしてまいる必要があると考えております。いずれにいたしましても、職員が知恵を出し、住民が力を合わせることによって不安の解消は図られると確信しております。

 

 次に、5点目の「大和町と合併するにあたり、各論部分でデメリットが強調されているのではないか」とのお尋ねでありますが、合併問題を議論するにあたっては、とかく、メリット・デメリット論を中心に議論が展開きれることが多いように思えます。しかしながら、私は、これらのメリット・デメリットが、合併を考える上での絶対的な要件ではないと考えております.合併は、112になることではなく、113にも4にもなることであり、合併により双方のまちがもつ特性や可能性を、より高め、より一層引き出していくことが合併の最大の効果であり、目的であると考えております。

 

最後に「大和町との合併に向けての今後のスケジュール」についてでありますが、議員仰せのとおり、平成173月の合併特例法の期限を見据えますと、残された時間は十分にあるとは言い難く、今後は合併に向けて、一歩一歩、着実に手続きを進めていくことが必要であります。先に実施しました市民アンケートや合併問題住民説明会の中では、多くの市民の皆さんが、合併後のまちの姿や、公共料金のあり方等についての情報を求められており、こうした状況を踏まえますと、皆様のご理解を得ながら、大和町との法定合併協議会の早期の設置が可能となるよう、努めてまいりたいと考えております。設置時期につきましては、議会はもちろん、大和町のご理解を得なければなりませんが、法定合併協議会の設置により、これまで以上に一歩踏み込んだ合併議論を行う時期にきていると考えておりますので、ご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。