定例会

1.学校教育について

@学校図書の充実

今春から小・中学校で総合学習が始まりましたが、子供たちが調べものをする「学校図書館」の役割が重要になっているのではないでしょうか。

また、学校図書館を教育に活用する役目を持つ「司書教諭」を、来年度までに12学級以上の小・中学校などに配置することが義務づけられていますが、現状は特に山口県内では、人口が分散している特徴から、小規模校が多く、全校の35%程度にしか配置されないと聞いています。配置される司書教諭は、教員の資格もセットでもつことが必要で、他教科との兼任になるように聞いていますが、教科・学年に応じた読書などへのアドバイス、授業づくりに重点を置けるような状況がはたしてできるのでしょうか。現場の先生方にお聞きしても、自分達の研究課題等やらなければならない事で今でも精一杯の状況。司書教諭が置かれたとしても、今と何ら変わらないだろうとあまり期待されていない声を聞くと、何とか効果のある状況に出来ないかと考えます。

光市の状況、小中学校の学校図書の利用状況とあわせてお聞かせください。

 

今後さらに、法的な位置づけはありませんが、読みたい本を整理したり探したりする、図書館サービスに重みを置いた『学校司書』の存在が重要になってくるのではないかと考えます。

司書に対して、県内でも光市は独自に予算をつけて配置していることは非常に評価できますが、現状は3人の司書が、市内の小学校をかけもちで担当している状況です。司書を置くことで、子供たちが本に親しむような工夫をし、大きな成果が上がっている事も周知の事です。今は小学校だけですが、小・中学校に学校司書を配置し、本に自然に親しめるような環境づくりは今後、特に重要になってくるのではないでしょうか。ここで確認しておきたいのは、司書教諭と学校司書は担当する職務が違い、両者が補って初めて図書館を使った学習が可能になるので、そのことをもっと理解していただきながら、充実する方向へ検討していただきたいと思います。

読書活動は「人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものである」と考えます。

今後の方針についてお聞かせください。

 

A新しい発想

今、教育現場は、大きな転換期を迎えていると思います。私たちが子供の頃は、学校や教師の存在そのものが権威を持つ時代でありました。核家族化、少子化など社会の変化に伴い、学校も家庭も地域も、そして子供たちも随分変わりました。いじめ、校内暴力、自殺、不登校、学級崩壊など学校現場には次々に問題が噴出し、先生の仕事は、ますます難しくなってきている状況です。

 学校は、学校と社会の連携の重要性を強調していますが、現実には、教育委員会や学校現場の閉鎖性がなお根強いように感じます。

私の子供が中学1年の頃、今から6年前ですが、PTAの広報役員で私たちが、世の中で問題になっているいじめ問題等、様々な分野のアンケート調査をやろうと、細心の注意をしながら子ども用・親用・先生用に作った事を思い出します。その時私たちは、少しでも問題をみんなで解決できればという思いで、頑張ったのですが、教官会議でボツになり、手直ししたものに対しても、止めてくださいとの答えだけでした。担当の先生も入ったばかりで、全く頼りにならず、なぜ一緒に考えようとしないのか憤りを感じた事を今でもよく覚えています。その2年後、なぜか子供と親に様々な問題に対する市内のアンケート調査がありました。その時、コメントに親として、2年前のことをしっかりと書いたのですが、何の回答もなく、我が子は卒業してしまいました。今思うと、なぜコミュニケーションをとろうとしなかったのか、残念でなりません。

 いじめや不登校、学級崩壊などは学校だけ、まして先生個人の努力だけで対応するのは難しいのではないでしょうか。「生きる力」の育成、特色ある学校作りも、先生相互の連携、協力はもちろん、父母、地域社会のみなさんが力を合わせることが重要になってきます。 魅力ある学校にするには、学校はもちろん、教員採用などでも、風通しをよくして社会の理解と協力を得る努力が求められていると思います。

 近年、市町村負担で教員を採用し、少人数学級に取り組む例も増えてきています。その他にインターネットで調べてみると、三重県津市では、公立小学校では全国で初めて、市立南が丘小学校の校長について、公募する事を発表しました。

 同スクールは、新しいタイプの小学校運営を研究するもので、公募する校長については、新しい発想と企画力、教育についての理念、さらに組織的、機動的な学校運営をできることを求めています。教員免許は不要で、様々な分野から募集したいとしています。 とあります。

愛知県高浜市は来年度から、市立の小、中学校すべてに「学校評価」システムを導入し、“開かれた学校づくり”と地域社会との連携を強めるのが狙いで、具体的な評価項目、評価する組織、公表方法の検討を始めました。

 学校評価は、個々の教室など学校現場での指導方法、子供とのかかわり方、保護者との連絡状況などについて具体的な評価項目を設け、教職員と保護者、地域住民らが「採点」し、お互いの見方の“ずれ”を確認し合うことで指導内容の改善にもつながるというねらいです。

 「学校側の悩みや課題、その取り組みの実態を公表し、地域の人たちに知ってもらうことで、保護者や地域からの支援、協力が受けやすくなる」ということです。

 このように他市では、新しい事に挑戦し改革しておられます。このようなことに対し、当局はどのようにお考えでしょうか。また、光市独自の改革があればお聞かせください。

 

答弁

 

教育への熱い思い、ご理解に深甚なる敬意を表し、議員ご質問の1番目、学校教育についてのお尋ねにお答えいたします。

まず、1点目の学校図書の充実についてお答えします。

   光市の司書教諭免許所有者についてですが、平成144月現在で、小学校教員が16名、中学校教員が8名となっており、今年度中に2名の教員が資格を取得する予定であります。

 平成154月から12学級以上の学校については司書教諭の配置が義務付けられ、本市では、室積小、島田小、浅江小、光井小、三井小、浅江中、島田中の7校が配置予定校ですが、それぞれ配置は可能であります。

   また、司書教諭の扱いですが、現時点、教育委員会といたしましては、専任としての配置になることを国・県に強く要望しており、議員仰せのとおり、司書教諭が教科・学年に応じた読書などへのアドバイス等ができるような状況ができることを期待しております。

 次に、学校図書館の利用状況ですが、今年度より本格的にスタートしました「総合的な学習の時間」や「朝の読書活動」等での利用が増えるとともに、図書指導員の配置により、図書館整備が進み、児童への貸し出し冊数が増加してきているとの報告を受けております。

  最後に、人生をより深く生きる力を身につけていく上で、読書活動は欠くことのできないものであるという議員のお考えに同感する者でありまして、学校司書の配置等の読書環境の整備に関しての今後の方針についてでございますが、現在の3名の図書指導員につきましては、15年度も維続して配置が叶うよう努力してまいりたいと存じます。

 いずれにしましても、学校図書館の充実は、学校教育の重要な分野でありますから、司書教諭、図書指導員の配置につきましては、今後十分慎重に検討してまいりたいと思っております。

 

 次に、2点目の新しい発想についてお答えします。

 議員ご承知のとおり、平成14329日、「文部科学省令第1415号」によりまして、新たな小・中学校の設置基準が示され、学校の自己評価の実施と結果の公表についての努力規定及び積極的な情報提供についての規定が設けられたところでございます。

 本年度、新しい学習指導要領がスタートし、完全学校週5日制が開始されるなど、教育界にとっては大きな改革がなされようとしておりますが、学校の自己評価や情報提供もその一環でございます。

 こうした中、県においては、学校の質を高め、地域社会への説明責任を果たすための学校評価の公表方法について、調査研究会議で検討がなされているところでございます。

 本市におきましても、それぞれの小・中学校で、学校目標及び重点目標を設定し、その達成度を自己評価することはもちろん、学校評議員の方々に説明しながら、ご意見・ご助言をいただくなどをしているところでございます。また、更に「学校だより」「保護者会」などを利用して、できるかぎり情報を保護者に提供する努力をしているところでございます。

  議員から他市の先進的な取組みを数々ご紹介いただきましたが、いずれも教育改革を先取りしたものであり、その発案・実践には敬意を表する次第であります。

  本市におきましても、現在設立に向け準備をすすめております、「光市教育研究所(仮称)」におきまして、研究の柱の1つと考えております家庭・地域の教育力再生に関する調査研究、学校評価システムの確立に関する調査研究、学校サポート体制の確立に関する調査研究等をすすめる中で、教育改革を着実に推進しながら、家庭・学校・地域社会と教育委員会が有機的な連携を図り、「新生光市の教育の創造」を目指して、鋭意努力してまいりたいと存じます。