定例会

1、光市立病院について


・緩和的医療の取り組み
6月議会でも提案した問題ですが、皆さんもうよくご存知の事と思います。先日私は勉強のため、実際に緩和医療を行っている病院を見学させて頂きました。その時一番に感じた事は、スタッフの方のチームアプローチとしての(チーム医療)考えに基づき、患者さんの目線に立って医療が行われているところです。病気を治すことももちろん大切ですが、最後まで心豊かに生活の質をあげる努力をすることも大切なのではないでしょうか。医療に関わる人はもちろんのこと、基本的に一般の医療と同じものとして考えて頂きたいと感じました。今の人間の心のありかたを問われる問題として、非常に重要です。しかし、毎日の煩雑な業務の中で、このような意識改革は現実に難しい現状です。ここに携わる医者・看護士の方のお話ですが、今まで救急・一般病院で仕事をしていたときには気付かなかったことで、医療に対して、180度考えが変わったと私に熱い思いでお話されました。今後、また一般病院に帰っても、以前の医療の考えとは違った角度で仕事ができる。というコメントも。このことからもわかるように、職員の意識改革は職場内では理解できないでしょう。思い切った外部の長期(1年以上)派遣・研修を行うことで、少しは変化していくのではないでしょうか。その際、研修に行った方の活躍の場所をしっかり備えてあげる事も、よいスタッフが逃げていかないように育てる事につながるのではと思います。緩和的医療の実施というより、緩和的医療の考え方で、より充実したスタッフを育てる事についてどうお考えかお聞かせください。

・小児医療の充実
全国的に出生率が年々減少している中で,様々な少子化に対する対策がとられようとしています。だからこそ、医療従事者等の人的・物的資源の充実や情報ネットワークなどの体制整備,さらには子どもの成長・発育段階に応じた適切な医療が受けられる医療体制の整備を推進する必要があります。
 また,小児医療においては,全国的に小児医療を担う医師が不足傾向にあり,特に小児科の二次救急体制が十分とは言えない状況があります。このため,万一に備え,二次救急医療圏ごとに小児科医を確保する等の体制の充実を図るほか,効率的な救急医療体制の整備を推進する必要があります。さらに,これらの医療体制等について,救急医療情報ネットワーク等を有効に活用し,広く情報提供を行う必要があります。
前回も小児医療の充実を質問しましたが、光市立病院だけの救急体制ではなく、もっと広域での救急体制に協力するべきではないでしょうか。前回の私の質問に、2人の小児科医が交代で救急患者に対応しているとの答弁を頂きましたが、はたしてこれでいいのでしょうか。ちなみに、徳山の小児科の夜間救急医療は夜10時まで、それ以降は朝8時まで徳山中央病院が対応されています。また、夜間救急は、光と下松の医師会が協力しておられます。そこへ市立病院の先生も協力するのがいいのか、独自で小児救急を受けるのがいいのかわかりませんが、とにかく、広域であそこに行けば大丈夫といった安心できるものを確立していただきたいのです。今の状況では、市立病院の小児救急が完全に対応しているとは思いません。光市内では対応不可能なため、ほとんどの方が徳山へ行かれている現状をどのようにお考えでしょうか。
採算に合わないことでも、これから絶対に必要な部分ではないかと思いますので、将来の方向性も合わせてお答えください。

・今後の課題
自治体病院としての役割をどう担っていくかという点で、様々な考えをお持ちだと思います。専門性の高いもの、複合的なもの、いろいろ考える事ができますが、まず第一に、第2次病院としての充実が必要だという事でしょう。地域の診療所いわゆる一次病院等が充実すれば、連携を取る事で尚充実します。これは1つの案ですが、今市立病院は、月曜日から土曜日までの診療が行われています。普通の公立病院は土曜日は休診です。市立病院も思い切って金曜日までの診療にして、土日を休みにしてはどうでしょう。それによって、人件費の節約・光熱費等の節約になるでしょう。その反面、第一次病院での対応が出来ない時の救急体制の強化、透析患者さんの夜間の充実等、もっと診療所では出来ない役割を市立病院は担うべきではないかと考えます。光市内の医師会ともっと連携を取り、効率のよい、市民が安心できる自治体病院として確立できないものでしょうか。

 

答弁

1番目の1点目についてお答申し上げます。
職員の意識改革を図って、スタッフを育てるために、各分野でそれぞれ学会や研修会に参加しておりますが、患者さんとの関わりの多い看護婦で申し上げますと、日本看護協会の主催するセミナーや学会、又県内の病院間でのネットワークづくりに参加することで、病院間の情報の交換を通じて、心理的に刺激を与えてそのことが看護部全体の活性化となり、日常性に埋没することなく患者さんの期待に添えるよう努力しているところであります。
一年以上の研修や派遣によって、充実したスタッフをとのご提言でございますが、長期にわたる派遣先や、継続的にしかも長期に派遣している間の医療スタッフの確保など誠に厳しいものが考えられますが、より良い患者サービス、良質な医療を提供する上で、極めて重要なことであると認識いたしておりますので、今後の大きな課題として、院内で研究して見たいと考えております。
次に2点目の小児医療の充実についてでありますが、徳山市における夜間救急のご紹介がありましたが、現在、徳山市、新南陽市、鹿野町の2市1町によって、夜間の小児救急医療が実施されております。
これは徳山市の医師会が中心となって行っておりまして、小児科医の高齢化や患者減少に伴う医師不足による救急医療の対応であるとお聞きしております。
現在、19名の小児科医師が輪番で、午後7時から午後10時までの間毎日行っておりまして、その後の対応は、二次救急医療機関はもとより、その地域においてそれぞれの病院等が対応しております。
今後更に小児科医師が減少することが、予想されますことから、周南地域での救急体制に、当院医師も加わって対応することも視野に入れておくことが、必要であると考えております。
次に3点目の今後の課題でありますが、二次医療機関として、市民の期待に応えていくために、これまでにも施設の充実・特殊医療への取り組み、新しい科の開設など積極的に取り組んで機能充実に努めてきたところでありますし、また、市民の「安心」という面から、24時間体制の救急医療に努めているところであります。
しかし、全てに対応することは困難なことでありますので、病診間、病院間の連携を図って対応しているところであります。
土曜閉院につきましては、院内でも論議を重ねた経緯がございまして患者サービスの観点から現体制となっているものであります。
透析の夜間の実施は、まさに今後の課題でありまして、患者動向を見ながら対応したいと考えております。
いずれにしましても、医療を取り巻く環境は大きく変化しようとしており、これを見極めながら慎重に対応してまいりたいと考えております。よろしくご支援頂きますようお願い申し上げます。