定例会

2、まちづくりについて

@まちづくりの基本

   “まちづくり”とは道路や公園、建物といった単なるまち空間の創造ではなく、社会、経済、文化、環境等、生活の根幹を構成するあらゆる要素をも含めた暮らしそのものの創造だと考えています。従って“まちづくり”は自治体や民間企業、専門家などまちのつくり手によるプランニングやデザインと言った“空間づくり”だけではなく、市民やNPOなどのまちの使い手による町並みの保存や再生、コミュニティ・ボランティア活動などを含めた総合的・複合的な行為によって初めて実現されるものです。“暮らしづくり”こそが“まちづくり”であると考えています。

   一方、市民、NPOなどまちに関わる全ての人々が参加する空間づくりでは、創造される空間以上に様々なものがそのプロセスにおいて生まれます。空間づくりの過程で住民は自らのまちを見直す機会を持ち、今まで気づかなかったまちの魅力に気づきます。まちの将来を真剣に考えることで、住民の中にまちの担い手としての自覚と責任が芽生え、住民相互のコミュニティ意識も培われていきます。

   ところが現在日本では、自治体による補助金獲得偏重の画一的なインフラ整備と民間事業者による事業性偏重の箱ものづくりが多くの地域において行われています。住民への情報の開示、参加機会の提供も十分ではなく、まちに関わる全ての人々の参加・議論を通した空間づくりの機会は極めて限られています。住民の問題意識・当事者意識は希薄で、まちの担い手としてのコミュニティによる継続的まちづくり活動も十分ではありません。残念ながら日本においては未だ住民・自治体・企業・専門家が一体となってまちづくりを推進して行くシステムが確立されていないように思われます。多くの問題が存在する一方で、地方分権関連法案による地方分権化の推進、建築家・都市計画家による草の根的まちづくり活動、住民やNPOのワークショップやグラウンドワークを通した積極的まちづくりへの参加、まちなみの保存や再生活動など問題解決への様々な動きが徐々に出始めているのも事実です。

   さて、まちづくりの自論はさておき、今まで私が視察してきた中でも、非常に積極的なまちづくりに取り組んでいる市町村もあります。それは、市民をまちづくりのパートナーとして位置づけ、市民と対話しながら、協働してすすめる体制づくりを行っています。そして、市民の自主的な活動を支援し、市民の参加意識の高揚と多様な交流のある魅力的なまちづくりを行っています。

   また、具体的に感じたことは、1、まず効果的なイベントを実施している、2、トイレがあらゆる人の憩い・休憩の場所であり、なおかつきれいである、3、そして地元特産物・特産品、風土を生かした統一感のある景観である、4、行政・市民の熱意と協力が感じられることです。

   以前私の市民協働型まちづくりの質問に対して、市長さんから「ひかり未来航海21」においても、市民参加によるまちづくりをテーマとする共創パートナー戦略を「まちづくり輝き戦略」の1つとして掲げ、NPO活動の支援やボランティアの育成、市民参加システムの充実など、その計画的な推進に努めている。というご返答を頂きましたが、残念ながらまだまだ実動での改革には至っていないと感じています。行政は、行政運営の意志決定のプロセス、根拠、結果を市民に説明し、情報を開示し、市民による外部評価を受ける。その客観的評価の結果は責任を持って公表するシステムを徹底させることが21世紀の市民協働型のまちづくりだと思いますが如何でしょうか。

A市民生活基盤の充実

   まちづくりの基本という観点から、少し難しく入りすぎましたが、まず何よりも大切なことは市民生活の基盤充実だと考えます。その中で、道路の整備・下水道整備など細かい環境整備から多くの課題がありますが、ここでは特に室積地区について質問させていただきます。

   室積は道路・環境整備の中でも非常に遅れた地域です。このたびやっと室積海岸の松原の生活道を、2ヵ年にわたって整備していただけることとなり、非常に感謝いたしております。他にも色々な道路整備の要望がありますが、19号線の整備については、以前から先輩議員さんからの質問にも出されています。特に千坊台から光寿苑に至るまでの区間に至っては、地元商店会のみなさんからの強い要望が出されています。しかしながら、一向に整備される様子がありません。今後の確実な予定は立てられているのでしょうか?

   また、室積は下水道がまだ完全に普及されていません。完全普及まで後何年かかるかわからない状況の中で、河川・溝の清掃は他地域に比べ、汚れの状態も違い、その分、随分住民のみなさんの協力は大切な部分だと考えます。しかし高齢化は避けられなく、地域によっては、溝の清掃活動も非常に負担になっているのが現状です。側溝・グレーチングの整備も年々整いつつありますが、メイン通りだけでなく、もっと広い範囲に、側溝・グレーチングの整備を実施していただけないものでしょうか?そうすることで少しでも作業がしやすくなると思います。また、高齢者の多い地区では、非常に重い溝ブタを開けることは容易なことではありません。簡単に開ける道具と作業の協力が、行政で出来ないものでしょうか?
細かいことを何点か申し上げましたが、お答えいただきたいと思います。

答弁:市道室積19号線の拡幅整備につきましては議員を初め他の議員の方々からも、度々、拡幅整備についての御提言をいただいているところでございます。

  建設部といたしましても、本路線は、当市の都市基盤整備の観点から国道188号を補完する重要路線であると認識しているところでございます。本路線の未整備区間は、約2.1キロメ−トルと延長も長く、拡幅整備には、多額の事業費を要するため、補助事業関連事業として整備する必要がございます。

  この事業の採択枠は、本市の場合現在1路線しか認められていないため、他事業との調整を図る必要があると考えておるところでございます。

  当面の対策と致しましては、定期的な草刈りを実施するとともに、地権者のご協力が得られる箇所につきましては、退避所の設置、及び、部分改良等検討し交通安全対策を講じてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

  次に、道路側溝の維持管理にたいしますご質問にお答え致します。
  側溝蓋の軽量化の見通しについてでございますが、これまでにも地元関係者の理解と協力により、多くの地域において、地域の環境美化を図る上からも自主的に側溝の清掃をしていただいているところでございます。厚くお礼を申し上げます。

  議員ご指摘のように、下水道整備がなされた地域との格差は、格段のものがあり、そして高齢化に伴い側溝蓋の取り外し等の対応に苦慮されていることも認識しているところであります。

  市といたしましても、このような現状を改善するために、年次的に側溝整備を計画し工事に合わせてグレ−チングの設置を進めて来ているところでございます。

  今後とも、積極的に側溝蓋の軽量化に努めてまいりたいと考えております。

  なお、蓋上げ作業を容易にするための、蓋上げ機を環境保全課に6台、室積出張所に5台、浅江出張所3台、合計14台を清掃作業の貸出用として備えておりますので、ご利用いただければと考えております。