定例会

 おっぱい都市宣言について

 

昔から「母」でたとえる言葉に「大地は母なり」というものがあるように母性というものに私たちは尊敬の念を抱いています。しかし、近頃のニュースを見ていると、「母性愛情欠乏症候群」と思えるような事件が続出しています。この「母性」とは・・これまで女性が生まれながらにして持っている本能だと言われてきました。しかし、動物園で飼育された猿がうまく子育てが出来ないように、人間も親や周りの環境から母性行動を獲得していないと、本当の子育てはできないと思います。母性本能だけでなく、生まれてから伝承され、学習して得られる母性行動を伴ってこそ成熟した「母性」と言えるのです。

母性はやさしさでもあり、成熟した母性の獲得は母親だけでなく周囲の環境や社会全体も含めて考えていかなくてはならない問題です。母性喪失の時代と言われている今だからこそ、大切にしていきたいものです。

その意味においても、光市が世界初の「おっぱい都市宣言」を採択した事は、非常に前向きですばらしいことだと思います。「母と子と父、そして人にやさしいまち」光市としてこれからの活動に大いに期待しています。また、おっぱいとは、母乳という栄養学的な物質を表すのみでなく、身体を育み肌のぬくもりを通して、精神を育むものとしての意味を持ちます。

このおっぱい都市宣言の中には、より深い意味があると思いますが、私なりに子育て支援・社会教育問題・全世界へPRという3点から問題提起をしていきたいと思います。

@子育て支援

今、少子化問題が深刻になっている中、さまざまな論議がされておりますが、一言で少子化と言っても非常に奥の深い問題です。まだまだその対策は一定せず、支援自体よりも根本的な原因が十分に理解されていないのが現状です。光市においても、きめ細かい対策を考えておられることは理解しておりますが、その中でも子育て支援について触れてみたいと思います。政策の中で子育て支援のプランをより充実したものにしていただきたいのはもちろんですが、子育ての問題や矛盾の本質をより明らかにすると同時に、おっぱい都市宣言を基盤に、地域社会全体で子育てとは、子育て支援とは何かを具体的に考えていく必要があると思います。

そこでお尋ね致します。おっぱい都市宣言を基盤とした母子保健活動の取り組みとして、非常に意義あるアンケート調査をされておられますが、調査結果のその後の取り組み状況・改善状況をお聞かせ下さい。

 また、来庁される方に対する行政としての配慮をもう少し考えていただけたらと思います。

たとえば、比較的乳幼児を連れて来庁される方の課には、ベビーベットを用意しておくとか、また、小さいコーナーでもいいですので、オッパイルームを設置する。トイレにはおむつ交換できる場所を設置するなど、子育て支援の基本的なサービスとして考えていただけないでしょうか。

A社会教育問題

家庭は青少年にとって生活の中心であり、基本的な生活習慣や食事のバランス、親子ならではのコミュニケーションなど、家庭以外では根本的な指導が困難な事柄も少なくありません。したがって、親が、こどもの育成に十分な知識・情報を得て、自らの役割を自覚し、信念を持って責任ある行動をしていけるように、情報提供や相談などの支援を充実させる必要があるのではないでしょうか。

また、子育ては基本的には親の責任で行うものです。地域においても住民相互のつながりが弱まった現在、子育てに関する知恵を得たり悩みを共有したりする場が減っており、親が家庭に閉じこもることなく気軽に集まれる機会が重要になっています。したがって、親や保護者が子育ての在り方や成長の過程でこどもが抱える問題の多様性を実感し、自信をもって子どもを育成していけるよう、子育てのための知識や体験、考え方を交換できる場を充実する必要があります。

 「場」・「人のつながり」ということで例を挙げてみますと、室積の方を中心に人形劇を長年にわたり活動されている「しゃぼん玉」というグループがあります。多くの親子が手作りの人形劇を見に来られます。グループの方は、子どもたちの真剣で楽しい笑いの場を提供するためにがんばっておられます。そして、その場所が、親同士のコミュニケーションの場にもなり、子ども同志の友達作りの場にもなってくるのです。こういう地道に地域の子どもたちのためにがんばっておられる方を、行政が積極的に支援するということも重要な意味を持つと思います。たとえば、学校の空き教室の一部を練習場に解放したり、出し物によって作る小道具の保管場所を提供してくださるなど、また、使わなくなった施設を劇場として使わせてもらえる、光市の行事に積極的に参加してもらい、市民ホールなどの使用料なども緩和していただく事により、より安い入場料金で市民の皆様にご案内できるというように、支援のお願いはきりがありません。この事については、どうお考えでしょうか

B全世界へのPR

今回さまざまな情報をインターネットで検索し、多方面から調べてみました。しかし、おっぱい都市宣言にかかわる情報が1つも無かった事に、少し疑問を抱います。せっかくおっぱい都市宣言した光市が、重要な意味をもち、なおかつ、積極的に活動している事を、全世界の人に発信してほしいものです。例えば、光市のホームページから世界に向けて情報を発信し続け、充実したものにしていく努力は大切ではないでしょうか。また、おっぱい都市宣言のシンボルマークを本庁に掲げ、各コーナーにおっぱい都市宣言の市としての配慮があるなど、来られた方が興味をもたれるようなPRは絶対に必要だと思います。また、アンケートの中にもありましたが、おっぱい都市宣言の市民の周知度が低いという結果にも出ておりました様に、光市民の方には、もっと正しい理解をしていただくPRをお願いいたします。この事に関して、どうお考えでしょうか。




答弁

石川福祉保健部長、堀川教育長

 現在、光市独自のおっぱい冊子の配布、教育相談・検診・予防接種等を紹介した育児カレンダーの配布、保健センターにおっぱいルームの設置、妊婦相談の開始、親と子の交流活動などに取り組んでいるところです。市民の皆さんへの周知徹底につきましては「おっぱいまつり」の開催を通じて啓発活動に努めております。