定例会

3、室積地域の活性化策について

@問題点を見直し、地域性を活かす後押しを

 古い歴史ある町室積では、高齢化も進み、地域の活力も薄れ、何とか盛り立てていかなければという思いがあります。その中で、既存の施設や今までの施策の検証をし、新たな見直しも含めた長期的な計画が必要であると考えています。
 例えば、旧光市制50周年記念として、また、ふるさと創生の一つとして整備された「光ふるさと郷土館」の現状に問題点はないのか、古い町並みを今に伝える「海商通り」という事で始めた町並み保存はどうなったのか等、今までの計画の中で見直す必要のある点を、今後どのように活かされようとしているのかお伺いいたします。
 また、昭和34年から始まった夏の風物詩として定着していた花火大会も、今年は室積で開催されないことも大きな打撃を与えています。それに代わる活性化策として、何かお考えがあるのでしょうか。
 さらに、民間施設との協同や、室積独自の文化、例えば江戸時代から続く普賢まつり、神社の形態を整えた山車を曳くという全国的に見ても大変珍しい早長八幡宮秋祭りへの町おこし策等について、当局のお考えをお聞かせ下さい。

<答弁>
 それでは、3番目、室積地域の活性化策についてのうち、教育委員会所管分についてお答えいたします。
 1点目のお尋ねは、光ふるさと郷土館や町並み保存の現状と問題点からの見直しを、今後、どのように活用していくのか、であります。
 室積地区の歴史や文化の継承と地域活性化などに向けた施設として整備したふるさと郷土館でありますが、現状の課題や問題点としましては、室積地区の特性に応じた事業の実施、来館者の確保、児童生徒の利用促進、施設の老朽化に伴う対応、指定管理者制度での独自性の発揮などが求められております。
 こうしたことから、教育委員会としましては、室積地区の地域性や特性を踏まえて、郷土館の集客の向上、利活用の促進に向けて、展示物の充実や新規事業の取り組みなどをはじめ、地区内の拠点施設として、郷土館の役割や位置付け、今後の方向性などについて、今後、検討してまいりたいと考えております。
 また、海商通りの町並み保存につきましては、郷土館を含めた町並みや景観を後世に伝えるため、平成6年度から町並み保存事業を実施していましたが、個人財産への公的補助の関係、制度利用の減少などにより、現状、制度は、合併のため失効しておりますが、今後、新たな制度の必要性も含めて、今後、関係所管や関係団体とも協議を行ってまいりたいと考えております。
 2点目は、室積地区に伝わります、普賢祭りや早長八幡宮秋祭りへの支援、町おこし策についてであります。
 早長八幡宮の秋祭りにつきましては、市の有形民俗文化財に指定した山車と踊山の保存・継承、室積山車保存会に対しましては、各種支援制度や助成事業などの活用による支援に努めているところでもあります。
 また、昨年の秋祭りにおいては、市長が保存会からの要請を受けて、山宰領を務めさせていただき、市若手職員19名が、踊山の曳き手として、初めて参加したところでもあります。
 本年も引き続き、市職員に対して参加を呼びかけ、元気溢れるチーム編成で参加したいと考えております。
 合わせて、市広報やホームページなどを活用して、PR、周知に努めたいと考えております。
 普賢祭りに対しましても、同様に、可能なかぎりの支援に努めたいと考えております。
 いずれにいたしましても、こういった室積地区に伝わります歴史や文化の継承、伝統行事への支援を行いますとともに、活発な活動を展開いただいております地域の皆さんや商店の皆さんなどにご意見を伺いながら、関係所管とも連携し、室積地区の地域性を活かした、まちおこし施策の具体化に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

<答弁>
 それでは3番目の1点目の内、経済部所管分についてお答えいたします。
 議員仰せのとおり、光花火大会の歴史は古く、昭和30年代に室積で開催され、以後、昭和53年に光市観光協会へと引き継がれて開催されております。室積での開催場所の御手洗湾は、打上台船が風の影響を受けにくく、波が穏やかであるなど、花火の打ち上げには最適な立地条件となっております反面、場所が半島であるために、交通規制を行った際の車両の渋滞や駐車場不足は、深刻な検討課題として残っていることも事実でございます。
 このような状況を踏まえ、一昨年の夏には、新市誕生記念として、交通の便の良い虹ヶ浜海岸で開催をされたところであり、その結果につきましては、既にご案内のとおり、会場は多くの見物客で賑わい、高い経済波及効果や、スターライトファンタジーとの共同開催といった話題性が評価され、虹ヶ浜海岸での継続的な開催希望が多数寄せられたところでございます。
 しかしながら、花火大会実行委員会において、これまでの様々な経緯、各々の場所が持っている課題、及び現在の市民ニーズの状況等を判断された中で、昨年度は室積で開催され、本年度につきましては、再度、虹ヶ浜での開催が決定されたようでございます。
 来年度以降の開催場所につきましては、現時点においては未定であり、議員お尋ねの、花火大会に代わる活性化策につきましては、当面、虹ヶ浜海岸においての継続的な開催が決定されている状況になく、今後の花火大会の位置付けや開催場所の決定など、花火大会実行委員会において慎重にご協議ご検討されると考えますので、今後の推移を注視しながら、必要な活性化策等を検討して参りたいと考えております。
 次に、民間施設との協働や、室積独自の文化を活用したまちおこし策についてのご質問でございます。
 議員仰せのように、室積地域には、「普賢まつり」や「早長八幡宮秋祭り」、あるいは、「あいご」や「海商通り」など、古くからの文化と資源が、地域の人々の手により、その歴史とともに今日まで引き継がれています。
 そうした地域資源は、室積地域のみならず、光市民一人ひとりの生活とともに育まれたふるさとの情景であり、かけがえのない市民共有の財産でもあります。
 このような地域資源を活用した観光振興を積極的に展開するため、本年3月に策定した「光市観光基本構想」の施策の基本方向では、「自然と歴史・文化の保全と活用のために」を重点目標として掲げ、すべての人々がふるさとの歴史や文化に興味や愛着が持て、次世代に継承していきたいと思えるような観光地づくりを進めていきたいと考えております。
 また、こうしたまちづくりは、行政のみならず、市民をはじめ、企業、さらには観光客をも含めた共創と協働による取り組みが不可欠でございますが、幸いにも、当室積地域では、室積商店会の会員の皆様が、室積タウン情報誌を作成されるなど、室積地域の活性化のために、大変なご尽力をいただいており、心から敬意を表するとともに、大変頼もしく思っているところでございます。
 こうした取り組みが、市内全域に広がり、それぞれの地域の活性化につながっていくものではないかと考えておりますので、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。