定例会


1、心豊かに子どもを育てる環境こそ、自治体に課せられた使命

 今「自分が、世の中に役に立つことは何か?」そう考えて起業する若者が増えていると聞いています。殺伐とした社会に、お金儲だけでなく、本当に必要としている問題は何かを考え、事業として確立する。まさに若者が「本当にこのままでいいのか」と大人たちにメッセージをおくっているような気がします。
 19年度予算編成において、細かい部分でずいぶんご苦労をされたことと思いますが、特におっぱい都市宣言に相応しい取り組みの充実が、細かく配分されております。例えば、病後児保育の時間拡大、出前保育の実施、子ども家庭課の設置、サンホームの内容充実等々、私たちが今までに提案してきた子育て支援策が、確実に事業として拡大していることに対し、本当にありがたく思っています。
 今後、さらに総合計画の確実な実施と、次のステップへの課題を見据えていく必要があると考えています。今後の課題として、私なりに3点に絞り、質問していきたいと思います。

@カギは常に読書できる環境づくり
 キレル子ども、虐待、いじめ、不登校、校内暴力等々、子どもに関わる事件事故があまりにも多く、その対策が様々に取り組まれていますが、起こる前の予防対策が大切です。今、子供たちの活字離れ・読書離れと問題視されていますが、読書によって脳を働かせ、想像力、感性が豊かに育つ読書環境を整えることは、すべての問題を解決するカギとなるのではないでしょうか。
 光市においても、絵本の読み聞かせ等、様々な取り組みをされていますが、まだまだ幼児期から小中高と、大人になるまでの読書環境は十分とはいえません。特に公民館での図書コーナー、学校図書館の充実等、今までにも何度も提案してきたことです。お金が無ければできない問題ではなく、どうしたら改善できるかを考え、子どもの心を育て予防対策として進めていくべき課題と考えています。当局のお考えをお聞かせ下さい。

<答弁>
 お尋ねの1番目の1点目、「カギは常に読書できる環境づくり」についてお答え申し上げます。
 現在、本市では、昨年3月に策定いたしました「光市子どもの読書活動推進計画」に基づき、事業等をすすめております。市立図書館におきましては、乳幼児期から読書に親しむためのお話し会などを定期的に行い、読書への関心を高めるように努め、また、各学校におきましては、司書教諭や学校図書指導員を中心として、読み聞かせや読書のつどい、朝読書への全校的な取組みなど、特色ある読書活動を展開しております。
 さらに、子どもの読書活動を支える人の育成にも力を入れ、市立図書館では、読書活動ボランティアの指導者養成講座をステップアップさせながら開催し、その中から生まれたボランティアグループは、それぞれの地域や小学校における「お話し会」などの場において活躍していただいているところでございます。
 子どもの問題行動等が社会問題としてクローズアップされている現在、豊かな人間形成のために、読書活動は欠かすことのできないものであり、議員仰せのとおり、本との出会いを確保する読書環境の整備は、極めて重要な課題であると認識していることから、引き続き、人材の育成を図り、読書活動の輪を広げ、子どもの読書環境づくりに向けたネットワークの充実に努めたいと考えております。

<要望>
 子ども達を、心豊かに穏やかに、ルールとマナーを身につけた社会性のある大人に育てていくのが私たち大人の責任です。そのための読書環境は、おっぱい基本構想の基本的な部分に取り入れていただきたい。 
 また、地域の公民館にある図書コーナー、学校図書館、市立図書館等、せっかくの読書環境を上手く活用するためにも、専門的な知識をもつ図書指導員が、子ども達の果敢な時、興味が持てるきっかけ作りをしてくれるでしょう。
 常に人のいる学校図書館とするためにも、さらに、地域力を取り入れた広域な協力をお願いしていきたい。


A親同士が助け合うプレイセンターの確立
 子育ての負担や悩みを抱え、様々な問題にどうしていいか分からない親たちが増えています。だれでも、子育てをしながら一人前の親になっていくのですが、身近にそのお手本がないことも多いのが現状です。プレイセンターとは、子どもを育て合いながら親も育っていく場所で、0歳から小学校入学前までの子どもとその親のための場所でもあります。「子育てからの解放」ではなく、「子育てを楽しみ」ながら「家族が一緒に成長する」ことを目指しています。
 幼保一元化、子育てサークル支援、チャイベビステーションでの取り組み等、様々な場面で、プレイセンター活動が定着していくことが求められているのではないかと思っています。ご所見をお伺いいたします。

<答弁>
 1番目の2点目「親同士が助け合うプレイセンターの確立」についてお答え申し上げます。
 申すまでもなく、子育て相談は、子育て支援策の重点事業の一つであり、本市においても、子育て支援センターや各保育所などで積極的に取り組んでいるところでございます。
 特に、子育て支援センター(チャイベビステーション)においては、子どもとその保護者の利用を高めるため、開所時間の延長や土曜日の開所、おもちゃねっと事業などにより、親と子がともに時間を過ごす場所として魅力ある施設になるよう努めるとともに、「ふれあい相談」や栄養士による「食育相談」も実施しております。
 また、子育てサークルの育成を図るため、ミニコンサートやクリスマス会などのイベントを開催する一方で、母子保健推進員と連携・協力による「すくすくメール事業」を実施するなど、子育て支援センターの機能は年々充実しつつあり、市外の方(5%程度)も含め、施設利用者も着実に増加しております。
 お尋ねの「プレイセンター」は、「子育てからの解放」ではなく「子育てを楽しみながら家族が一緒に成長する」ことを目指すものとして、子育てを負担と感じるのではなく、人生の大きな喜びの一つとして捉えるための意識啓発の場であり、また、助言者や親同士の関わりの中から、自らが親としての自信を高める場であると考えておりますので、子育て支援センターの利・活用を含め、新年度に策定を予定しております「おっぱい都市基本構想」の中で検討してまいりたいと考えております。

<要望>
 ニュージーランドで育ったプレイセンターは、日本ではまだまだ取り入れられているところが少なく、普及していないのが現状です。しかし、親同士が助け合いながら、子ども達と一緒に育っていく、まさに親育てでもあるこの学習プログラムは、ぜひ進めていただきたい。行政はその情報提供と、仕掛けが出来る人材を育て、場所を提供し、少しずつ後押ししていくことで充分なのだ。これこそ、今求められている子育て支援ではないかと思っています。
 チャイベビステーション等での仕掛けとして、是非取り組んでいただきたい。


B遊びの中から子どもに危険を学ばせる「遊育」への転換
 先日、遊びの中から子どもに危険を学ばせる「遊育」に取り組む市民や専門家らのプロジェクトを紹介する番組がありました。最近は、ひとたび子どもが遊具で事故を起こすと、直ちにその遊具が撤去されるため、ガランとした殺風景な公園が目立ちます。そこで「子どもから遊びを奪ってはならない」と感じた人々が、どうすればリスクを減らして、子どもたちの手に遊びを取り戻せるか、子どもに危険を学ばされる遊具を一から作り上げようとしている番組でした。
 「ドキドキ、ヒヤリで子どもは育つ」まさに、外で遊ぶことの大切さを考えさせられるものでした。
 光市においても、今までに様々な遊具に関する提言がありましたが、原点から考え直すチャンスではないかと思っています。子どもたちのことを考えた遊具のあり方について、当局のお所見をお伺いします。

<答弁>
 ご質問の1番目の3点目、『あそびの中から子どもに危険を学ばせる「遊育」への転換』について、教育委員会の立場からお答え申し上げます。
 遊具は、遊びを通して多様な動きを直接体験できるものですが、学校施設においては、休み時間等短時間でも友達と遊びながら十分体を動かすことができるような遊具を設置しております。また、遊具の安全対策につきましては、毎月各学校で目視や異常音等により点検し、安全管理に努めているところでございます。
 ただいま議員から「遊育」についてご紹介をいただきありがとうございます。子どもたちが屋外で遊ぶことは、成長過程において大切なことだと考え、市内におきましては、島田小学校の「夢の山」や浅江小学校の「潮音寺山」のように、可能な学校においては地域の皆様方のご理解とご協力をいただきながら、児童が自然に親しみながら遊べる場を確保しているところでございます。
 今後とも、議員仰せの「遊育」は、子どもたちの成長に必要不可欠なものと捉え、今後の学校施設整備の中で検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。

<答弁>
 3点目の「遊びの中から子どもに危険を学ばせる「遊育」への転換」の福祉保健部としての、お答え申し上げます。
本市においては、平成18年12月現在、児童遊園地が93箇所、そのうち遊具設置の遊園地は75箇所となっており、毎年、業者により遊具の点検等を行い、危険な遊具については、自治会等に確認を行って撤去しておりますが、地元のニーズ等を踏まえ、予算の範囲内において、順次、新たな遊具を設置しているところでございます。
 議員仰せの番組は、「遊び」の中で「危険」を回避するすべを学ばせることを主眼としてプロジェクトを立ち上げ、「どのようにすればリスクを減らし、こどもたちの手に遊びを取り戻すことができるのか」など、医師や遊具メーカー、市民等が参加・協力して遊具の改良に取り組む内容であったやに聞いております。
「子どもは遊びの天才」と申しますが、確かに、遊びはすべての子どもの成長にとって必要不可欠なものであります。しかし、一方で、怪我などの危険はつき物となるため、遊具の安全性への配慮は、十分施される必要があると思っております。
 しかしながら、これらのテーマは相反するものであり、その両立は非常に難しいため、これまでも全国で痛ましい事故が発生しております。
 議員仰せのように、私も遊びの中で「危険」を体験・学習するものであると考えておりますが、開発中の遊具等も相当な予算もかかると思われ、今後、さらなる改良も必要との指摘もあることから、引き続き情報収集に努めるとともに、「子どもにはどんな体験が必要か」「どこまでの危険が許されるか」等を勘案しながら、子どもたちが安心して遊べる、安全な遊具についても研究してまいりたいと考えております。

<要望>
 各公園遊具の管理が、それぞれ所管が違うということに大きな問題がある。さらに、行政サイドだけで考えるのではなく、保護者や多くの方と議論を深めながら、子ども達にとってどんな遊具がいいのか?どんな遊育にするべきなのか話し合うことが大切です。主役は子どもなのですから・・・
 今から行なう行政サービスは、市民と一緒になった話し合いの元で、自己責任という観点から進めるべきでしょう。そうしなければ、いつまでたっても、責任を追及するあまり、何もしないという結果になってします。
 今後は、大きな構想の元で、光市全体の遊具の捉え方を一にし、関係トップの所管の許可なく進められないくらいのものになって欲しい。