定例会
3、海岸の防災対策について
 

@室積海岸の深刻な砂の浸食に、長期的な対策を願う
 白砂青松を誇る海岸といわれている室積では、毎年砂の侵食が酷く、地元の皆さんは、長年の深刻な問題として心を痛めておられます。 先日、室積海岸地域に住まれる4つの自治会の方々の集まりがありました。もちろん、自主的な会合で、真剣に海岸保全に取り組まれておられる地域です。 そこでは、自然景観を残しつつ毎年行なわれる砂の搬入という応急処置で海岸保全を計画するのではなく、長期的な対策を具体的に進めて欲しいという声がほとんどでありました。 海岸清掃、松林の植栽や周辺の清掃等、自主的な活動を長年やっておられる地域でもあり、具体的な対策を心待ちにされておられます。
 18年度策定されます総合計画の中に、専門的な立場から再度調査していただき、以前から問題とされております国立公園内の私有地問題に対する用地買収や、大規模な養浜工事、漁業権問題等々、今までの課題を解決でき、一歩でも前進できるような具体的かつ長期的な計画を策定し、県や国に、しっかりとお願いしていただきたいと思っています。今後の取り組み等を踏まえ、お答え下さい。


答弁
 本市の白砂青松の室積海岸は、「森林浴の森日本百選」、「日本の渚百選」、「日本の白砂青松百選」にも選定された、私たち光市民にとってもかけがえのない財産であります。
 こうした財産を守り育てるため、地域の皆様方が自主的な取り組みをしておられることに対しまして、市といたしましても感謝の気持ちを申し上げるとともに、深く敬意を払うものでございます。
 さて、近年では異常気象とも思われるほど台風来襲の増加や規模の大型化により、砂浜は通常の対策では困難な規模での侵食被害を受けているとともに、冬季波浪などによっても毎年のように侵食を受けているところです。 市としましては海浜の保全対策として、養浜工による砂の搬入や防浪編柵工の補修等を継続して実施しておりますが、恒久的な対策としては、多額の予算を必要とすることから、現在のところ長期的な対策整備の方向性を確定するには至っておりません。
 自然海浜としての整備につきましては、虹ケ浜海岸において、山口県事業で平成7年度から透水層材料を再利用した自然勾配の試験施工を行われましたが、満足いく結果が得られなかったところでございます。 また、室積海岸におきましても、平成11年度の可能性調査や平成13年度の基本計画策定の調査業務を行い、養浜工をはじめとする保全対策、盛土の堤防や擬木柵による越波対策、及び自然海浜勾配による消波対策など様々な整備について研究・検討を行ってまいりました。 そうした中、室積海岸の白砂青松は、ふるさと光を形成する貴重な役割を担っており、原風景を次世代に引き継ぐことは私たちに課せられた責務であると考え、今後こうした美しい自然環境と景観を保全しながら、経済的で効果的な整備手法を模索するため、さらに検討を行うとともに、国・県に対しても積極的にはたらきかけてまいりたいと考えております。
  また、これから策定されます光市総合計画の中で、どのような位置づけができるかについても、鋭意検討を行ってまいりたいと考えております。


再質問
 市民協働のまちづくりには、コミュニケーションは重要な手段である。パブリックコメント制度も広く活用しながら、市民の皆さんに説明していただきながら協力をお願いする形を確立していただきたい。 高額予算になっても、年次的な予算を投入することが長期にわたれば、結局ペイできるのではないのか?


答弁
 鳥取大学の先生が試験的に行なっているリーフ(珊瑚)工法に着目しているが、まだ確定的な答えは出ていない。もちろん200億ともいわれる事業になるので、非常に難しいかと考えている。しかしながら、今後も引き続き最新の工法を模索していくことは市長の指名であると考えている。
 18年度には国立公園と都市総会を引き受けているので、実際に国や県の専門的な方に現地をしっかり見ていただき、ともに考えていきたいと思っている。