定例会
2、少子化対策について
 

 少子化対策として、約7割の母親が教育費の補助や児童手当などの「経済的支援」を求めているという記事が掲載されていました。子育てに対する経済的負担が、少子化対策の障害となっている実態を示しているといえそうです。 また、女性が結婚退職したら正規雇用に戻れず、男女の所得格差も大きい、家庭と仕事の両立支援を考えたいというコメントも目にしましたが、本当にそれだけなのでしょうか。 「少子化対策で女性が働きやすくなったり、子育て支援費がもらえることは、現実に子育て真っ只中の方には確かにありがたいことだと思いますが、それだけでは独身女性が結婚して子供を産みたいとは思わないですよ!」と言われたことがあります。要は結婚し、子どもを産むことに喜びを感じることができない女性が増えていることなのではないでしょうか。もちろん女性だけでなく男性にも大きな責任はあります。
 それらのことも踏まえ、光市は少子化対策としてどのようなことをしようとしているのか、2点にわたり質問いたします。


@来年度に向けた重点策を問う
 光市においては、合併を機に学童保育の充実、病後児保育の開始、さらにはファミリーサポートセンターの設置、チャイベビステーションのサービス拡大と、今まで以上に子育て支援に取り組んでいただいております。これらの支援が今後さらに年次的に改善され、もっと利用しやすい事業となることを願っております。  しかし、これらの事業は他市に比べ、特色があるわけではなく、今まで遅れていた問題にやっと取り組んでいただけたと理解しております。市長がよく言われる、優位性を活かしたまちづくりといえば、光市はおっぱい都市宣言のまちですから、PRばかりではなく、中身の充実、光市ならではの施策をお考えと思っています。先の9月議会でも、意欲的なご答弁を頂いておりますので、来年度の予算に向けた今、どのような取り組みを考えておられるのか具体的にお聞かせ下さい。
  また、光市独自の少子化対策に若手職員のアイディアを活かすことができるような仕掛けも必要だと思います。以前あいぱーく内でも、自発的な若手グループの発足等もあったように記憶しておりますが、若い人の声は現場の声として、特に少子化対策の貴重な現役世代の意見として取り入れることが必要です。 当局のご見解をお伺いいたします。

答弁
 国の少子化対策推進基本方針における少子化の原因は、出生率の低下であるとしており、出生率の低下の主な原因を晩婚化の進行等による未婚率の上昇とし、さらにその背景には、仕事と子育ての両立の負担感の増大、子育て自体に係る負担感の増大としております。
  国の施策は、保育所や育児休業を核とした両立支援と所得控除・児童手当などの経済的支援に重点が置かれておりますが、その支援の程度は別として、経済的支援が中心となることは、少子化問題を解決するうえで重要な柱のひとつとして必要であると考えております。 経済的支援には巨額の費用を要すること、問題が国の存続にも関わること等を考慮すれば、基本的な部分、いわばハード面を国が担当し、十分な財源を確保していくことが国の使命でもあり、私どももそうした要望を今後も積極的に訴えてまいりたいと思います。
  一方で、国民の抱く「負担感」には、経済的な負担などの物理的負担だけでなく、心理的な負担感も大きいことも忘れてはならないことでございます。 そこで、市町村の役割でございますが、国の役割をハードとするならば、市町村は市民と直接向き合う行政の立場として、心理的負担感を少しでも軽くすること、いわばソフト面に重点を置いた施策を展開すべきであると考えております。 議員ご指摘のとおり、光市におきましてもファミリーサポートセンター事業病後時保育事業など本年度から事業実施しているところです。 今後、こうした事業をさらに強化していくとともに、改良を加えたきめ細やかな施策を展開してまいりたいと考えております。
 具体的な施策につきましては、現段階では調整を要することも多く、詳細を申し上げることが難しいところでございますが、少子化対策の一つの基本的な考え方として、出生率を高める施策はもちろんのことでありますが、少子化の中にあって次代を担う子どもたちを地域が、そして行政が暖かく見守っていくことも重要な施策であると認識しており、そうした視点に立った環境づくりの施策も積み重ねによって豊かな心を育み、やがて成人となり子どもを生み育てることが喜びにつながるのではないかと考えます。
  また、議員仰せの若手職員の意見の取り入れにつきましては、まさしく、現役世代の市民の声でもあるわけでございまして、少子化対策としてもちろんのこと、福祉施策全般にわたり、積極的に取り入れていくことが必要であると考え、状況に応じてチーム編成も必要であろうと認識しております。


A子育て支援センターを拠点にした取り組みを
 あいぱーく光が平成13年4月にオープンして、来年4月で5周年を迎えることとなります。その中で、子育て支援センターとしてチャイベビステーションが位置づけられてきましたが、今までの活動を見ていても、子供の遊び場所、ふれあう場所という空間で、決して子育て支援の拠点として成しえていないように感じています。相談・食育・読書・親教育・しつけ・療育問題等々、多方面との連携を密にした総合的な子育て支援としての役割を、ここを拠点に充実していくことが非常に大切だと感じています。担当課のご努力は非常に感じておりますが、更なる各課の連携強化の必要性と、今後の方向性をお伺いいたします。
 また最近では、産前産後の新米ママを支援しようと、ヘルパー派遣する自治体が増えてきています。例えば、多摩市の子育てふれあいサポーター、産前産後支援ヘルパー派遣制度等、市内の様々な子育て支援サービスの紹介もあわせて行われています。育児・家事の負担を軽減するだけでなく、親が他の支援サービスに目を向けたり、地域での交流を広げたりする契機にもなっているようです。
 これらの制度を今年スタートしたファミリーサポートセンターの充実とあわせて、光市に取り入れられないか併せてご所見をお伺いいたします。

答弁
 2点目の「子育て支援センターを拠点とした取り組み」についてお答え申しあげます。 現在、「子育て支援センター」では、育児に関する相談及び指導、育児サークルの育成及び支援、地域の保育資源の情報提供、おもちゃねっと推進事業などについて取組んでいるところございます。平成16年度の利用者数は、開所日数240日に対し、17,123人で、1日あたり71人の利用と、年々利用が高まっている状況でございます。
 「子育て支援センター」を総合的な子育て支援の拠点として位置づけるべきという議員のご提言につきまして、私どもも真摯に受け止めてまいります。 「子育て支援センター」の機能強化につきましては、本年7月より開所時間を大幅に拡大し、さらに、昼食時に栄養士を派遣し、離乳食相談や食指導を行うなど、食育の推進にも力をいれており、今後も関係各課や既存の育児サークル等との連携を密にしながら、育児サークルの核となるリーダーの育成にも施策を広げていきたいと考えております。
 また、議員ご提言の「育児・家事ヘルパー」制度の導入につきましては、ニーズ調査等が課題となってくることも考えられますが、まず、母体となるファミリー・サポート・センター事業のさらなる普及が必要と思われます。ファミリー・サポート・センター事業は、本年度5月より開始したところでございますが、11月末現在、依頼会員・協力会員合わせて71名と、制度の普及にはまだまだ周知が必要でございます。
  今後、この事業の充実を図りながら、毎年、「次世代育成支援行動計画」の進捗状況を「次世代育成支援行動計画策定懇話会」の中で確認していくこととなっており、そうした機会も利用しながら、光市の実情に応じた対策を検討してまいりたいと考えております。


・要望・
 小さなことでも実態をしっかりと把握し、光市にあったソフト面の充実をはかり、10年、20年後に成果が出せるような地道な取り組みをお願いしたい。