7月7日(月)視察先 豊前市
豊前市の概要
 福岡県東部,周防灘にのぞむ市。 1955年市制。海岸の沖積平野に中心市街地の宇島(うのしま)があり,筑豊炭の積出港として発達した。現在は宇島港の付近に金属,機械,コンクリート,電子,プラスチック加工などの工場が立地。 76年完成の埋立て地に翌年火力発電所が操業を開始した。
 内陸部は広い台地で,米作のほかタマネギ,キュウリなどの野菜やブドウを栽培し,山地ではクリ,木材も産する。南部の山地は耶馬日田英彦山国定公園に属する。求菩提(くぼて)山はかつて修験道場として栄えたところで,国宝の銅筥・銅板法華経や重要文化財の求菩提山経塚出土品などを 所蔵する国玉神社がある。面積 111.09km2。人口2万 9315人。
 
主たる視察目的 温浴施設
 近年とみに温浴施設の人気が高い。市内でも例えば冠山総合公園に温浴施設が欲しいとの市民からの要望はよく聞くところである。
 今回訪問した豊前市には市が関係する温浴施設が4カ所あり、温浴施設を考える上で参考になった。
 4つの施設は次の通りであるが、このうち実際に見学したのは、「求菩提温泉」と「天狗の湯」である。
 
 求菩提温泉 卜仙の郷   
     電話0979−84−5000      
 
〇環境
犬ヶ岳・求菩提山が一望できる登山口にあり、4月下旬から5月中旬には天然記念物のツクシシャクナゲ(豊前市の市の花)が咲き誇るという。
 
〇施設概要
鉄筋2階建、一部木造平屋建、宿泊可能人員60名・客室全和室8室、交流促進室、ラウンジ、研修室2、大浴場2、レストラン(しゃくなげ)、農産物直売所、大駐車場完備
季節ごとに料理をアレンジ、冬場はイノシシ料理がメインとなる。
 
〇宿泊料金
1泊2食 7000円より(消費税込み)
 
〇入浴料金
大人400円・子供(12歳未満)200円
 
〇泉質
アルカリ性単純温泉
 
〇浴用の適応性
神経痛・筋肉痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔症・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進
 
 
豊前温泉 天狗の湯
場所  豊前市大字八屋1725番地
TEL 0979-82-1094
 
泉  質 弱アルカリ性単純温泉
営業時間 10:00〜22:00
入浴料 大人400円/子供 200円
休  日 毎月第3火曜日
駐車場 50台
 
   汐湯の里
 豊前海の海水を取り入れた「温海水浴」施設は今注目の「タランソテラピー」を提供する憩いの空間を目指している。
 本施設は平成12年4月より地元商店連盟会員を中心とする「汐湯の里運営組合」に運営が委託されている。
 
問い合わせ:0979-83-3766
開館時間 9:30〜18:00(汐湯利用は11時から)
休館日 月曜日
 
利用料金 豊前市民 60歳以上⇒100円
          60歳未満⇒150円
     他の市町村の方    200円
 
   畑の冷泉
 
 問い合わせ 0979−82−0976
 
 
 
 
駐車場 100台
入館料 大人 300円 /子供 150円   水汲料 100円
開館時間 7月〜9月 第2日曜日 10:00〜21:00
     6月30日〜9月15日 日・祝日 10:00〜19:00
休  日 12月25日〜1月10日
 
求菩提温泉実施状況
 求菩提温泉は、平安末期には天台宗の僧・頼厳荷より修験道がもたらされ、九州を代表する一大修験道場となった求菩提山の麓に位置しており、歴史的な背景とともに、キャンプ所も配備された観光スポットとなっている。
 本施設は正式名を「豊前市総合交流促進施設」といい、農水相の山村振興等農林漁業特別対策事業として補助を受け、平成11年開業している。
 地元が岩屋山村振興施設運営組合(6組合)を結成し、その一つが求菩提温泉を運営する宿泊施設運営組合である。豊前市は岩屋山村振興施設運営組合に施設貸与し、下部組織である6つの組合にそれぞれ事業経営委託をしている。
 求菩提温泉にについては、組合員も相当の出資をしているようであり、市からの補助金は受けていないという。自主独立の気構えが出来ているように感じた。
 
 
豊前温泉天狗の湯実施状況
(設立経過)
 平成元年度ふるさと創生事業に関する市民のアイデア募集の提案の中で「温泉開発」の要望が多数あリ、豊前市が温泉開発調査を実施し、市内での最適地として八屋二葉地区の現在の揚所に決定した。
 平成2年1月に福岡県温泉審議会に温泉井の掘削申請を行い、平成2年度に深さ500m、湧出量650n/分の温泉井が完成した。
 泉質は単純温泉(弱アルカリ性低張性低温泉)で、泉温は(29.1度)である。
 平成4年1月に温泉動力装置を設置し、同年2月に温泉利用許可申請を行い、温泉給水所の整備を図る中で、地元商店街をはじめ地域住民から、本格的な温泉施設の要望が出され、地域活性化、商店街振興の拠点として温泉資源の活用を図るため平成6年度から7年度にかけて温泉施設「語らいの館」の整備をしたところである。
 豊前温泉天狗の湯の名称は、市民から寄せられた「語らいの館」の愛称として平成7年9月に決定された。
 この施設の運営については、豊前温泉天狗の湯運営組合が、地元商店街や地域住民によリ設立され、本施設の管理運営を行っている。
 
(事業現況)
 平成7年の開館時には170,000人の浴客が年ごとに漸減して、平成14年度は104,000人、今年度は9万人を割り込むであろうと予測されている。
 売り上げもそれに伴い、落ち込んで、平成14年度実績は4150万円で、最終的に380万円の赤字が出たという。
 スタッフは総員26名(社員3名)、交代制で5人体制である。理事長、専務理事ともに市内で商業を営むかたわら、本事業に力を注いでいるが、悩みは深いようである。
 また本年度から観光情報センターとしての機能を付加して、情報センター、物産店、食堂を開設したが、経営改善に寄与するかどうか不定要素が強い。
 
(問題点)
・近隣に数多くの類似施設が完成している。特に隣町の民間施設は一日に20 00人が来場する巨大施設であり、競争に負けている。
・施設維持に関する費用のうち、大きな修繕については市が負担するという約 束が、守られていない。
・経営者が二足のわらじを履いている。
 
(感想)
 温浴施設については市内でも要望が多い。温浴施設については日本の観光には欠かすことの出来ない要素の一つであるが、市民要望としての温浴施設と、観光の要素としてのそれは分けて考えるべきであろう。
 豊前市の求菩提温泉はどちらといえば、観光客をターゲットにしているのに対して、天狗の湯は「語らいの館」と銘打っているように、市民の憩いの場としての位置づけである。
 光市においては温浴施設(三島、西部、東部憩いの家)は市内110円、市外210円を徴収しているが、それに比べて、本施設の400円は高いが、入場料だけでは維持費はまかなえない。さらに近隣に新しくて大きな施設が出来れば、多くの市民はそちらに移動することは至極当然である。
 温浴施設等の施設整備については、維持管理費は、入場料でまかなうということが常識になりつつあるが、同様の施設を光市に作るとすれば、年間の収入が5000万円以上なければ経営は難しい。
 年間10万人来場すると仮定しても、500円の入場料を取らなければならない。将来の修繕費や改良費を考えると、もっと高く設定しなければならないかもしれない。
 それよりも既存の施設とのタイアップを考えた方が、効果的かもしれない。市民にとっては多少敷居の高い「簡易保養センター」の敷居を思い切って低くして、市民の利用率を上げていく、あるいは冠山総合公園や室積を訪れた観光客を、誘導する仕掛けを作るといったことをもっと積極的に考えるべきではないか。
 
 
 
7月8日(火)視察先 豊後高田市
豊後高田市の概要
 大分県北部,国東半島の北西部,周防灘にのぞむ市。 1954年市制。中心市街地の高田は,鎌倉時代初期に大友氏の豊後入国に随行した高田氏の築城に始るといわれ,文禄3(1594)〜慶長6(1601)年は竹中氏1万 5000石の城下町。のち,中津藩細川氏などを経て寛文9(69)年以後は国東半島西部を領した島原藩松平氏の陣屋町として発達した。当時の陣屋跡のある桂川右岸の玉津台地は,現在も市の行政中心地区。左岸の自然堤防上の高田地区は,玉津の対向集落として発達した商業地区である。農村部では米作のほか,タバコ,ミカンの栽培,遠浅の海ではハマグリ,ノリの養殖が行われる。市域には国宝の富貴寺大堂,重要文化財の仏像9体のある真木大堂,国指定の史跡・重要文化財の熊野磨崖仏のほか,石造宝塔,板碑など仏教文化の重要な遺跡が多く,山地部分の多くは国東半島県立自然公園に属している。国道 213号線が通じる。
面積 124.57km2。人口1万8538人。
 
昭和の町(商店街街並み修景事業)について
 
 
 
・事業の背景
「豊後高田は国東半島一の賑やかな”お街”。戦前からミルクセーキが食べられる街、劇場寿座が満員御礼を出す街でした。」と昭和の町パンフレットに謳う。
 しかしながら現実に見えるのは、近年の大型店の進出、それに追い打ちをかけるような消費意欲の減退、あるいは魅力のない商店経営に見切りをつける商店主やその後継者たち。市内の6つの商店街は例外なく衰退の道をたどっている。
 
・検討の歴史
 しかし市や商工会議所も決して手をこまねいていたわけでなく、10年前から様々な取り組みを開始している。
年ごとの取り組み
平成4年
中心商店街へのこだわりから「豊後高田市商業活性化構想」策定する。
平成6年〜8年
3年間に亘って「西の国東ロフト・ルネッサンス」と称する活性化の取り組みを実施している。
平成9年
それまでの活動を総括して「豊後高田市商店街・商業集積等活性化基本構想策定調査事業」を実施し、それから中心街を「レトロモダンな街づくり」というコンセプトを生むに至った。
平成12年
「昭和30年代の商店街の街並みの再生を」という多くの人の願いの中、「豊後高田市総合計画」の中には、商店街の活性化の施策には「レトロをテーマにした街づくり」が示されるに至った。
平成13年
現市長が大分県の商工労働部長であったことことも幸いして、県の補助事業を積極的に展開していった。8月には駄菓子屋のおもちゃコレクターとしてつとに有名な小宮裕宣氏の講演会に続いて、「昭和の町オープニングセレモニー」が9月に開催された。
 
平成14年度
補助事業を継続的に展開する中で、10月に昭和の町の超目玉とも言える小宮裕宣氏が主宰する「昭和ロマン蔵」が開館して、全国レベルで知られるようになった。
 
・街並み景観統一整備事業
事業内容 
  大分県の補助事業で、環境を合理的に美しく整える「修景」という基本概念の本、具体的には店舗の正面を瓦屋根や土壁、木などの日本的な素材を生かした景観で統一するというコンセプトにより、豊後高田市の商店街が最も栄え、華やかな時代であった「昭和30年代」をテーマに改修、修復し、商店街の魅力を高め、商店街の活性化を目指す。
補助対象経費 店舗前面または側面の改修費、補修費
補助率 県1/3 市1/3 
実施概況

 

  実施店舗数    

  総事業費

 平成13年度   

   11店舗    

21,487(千円)      

 平成14年度
 

    7店舗
 

22,933(千円)
 
 
中心市街地空き店舗対策事業
中心市街地等の商店街の活性化を図るため、商工会議所等が行う中心市街地空き店舗対策事業に対して補助するととに、市町村が直接又は間接に行う空き店舗等活用及び集客対策に対して補助する。
補助率 市町村補助額の1/2以内かつ補助対象経費の1/3以内
実施概況

 

  実施店舗数    

  総事業費

 平成13年度   
 

家賃補助5店舗
駐車場1カ所

14,863(千円)      
 

 平成14年度


 

家賃補助5店舗    
内装改修、集客対策  高齢者の交流施設整備
 

5,854(千円)

3,133(千円)
 
空き地・空き店舗活用(賃料・借地料(最長1年間)、改修費等)
 
豊後高田市一店一宝等展示施設整備事業
 市民や観光客のために、自慢の家宝や珍品を展示するための施設整備に対して、必要計の1/2以内、20万円を限度に助成する。
実施概況

 

  実施店舗数    

  総事業費

 平成13年度   

  8店舗

1,011,400円      

 平成14年度
 

  7店舗
 

1,744,000円
 
 
昭和ロマン蔵
「昭和の町」の中核施設といえる「昭和ロマン蔵」。旧高田農業倉庫を活用して、なつかしいおもちゃを集めた「駄菓子屋の夢博物館」として平成14年10月に多くの人の夢と願いを込めてがオープンした。
 展示数は常設で50,000点、バックヤードにはさらに150,000点を所蔵していると言うからすさまじい。
ロマン蔵館長 小宮 裕宣氏 ブリキのおもちゃから、めんこ、ベーゴマ、ぬり絵、特撮のヒーロー人形にアイドルのシングルレコード(もちろんドーナツ盤)などなど、なつかしいおもちゃがいっぱい。
 日本一の駄菓子屋おもちゃコレクターである小宮裕宣さんが「昭和の町」に共感し、この町に移り住んで「駄菓子屋の夢博物館」の館長になったというだけあって、質も量も文句なし。     
 しかしながら、行政の圧倒的な支援があったからこそ、実現できたことは特筆すべきである。<写真はロマン蔵館長 小宮 裕宣氏>
昭和ロマン蔵整備関連支援事業
・平成14年度旧高田農業倉庫活用整備事業(市単独)
   事業費 68,805千円
・昭和の展示施設整備事業(平成14年度地域振興事業調整時事業)
事業費 12,388千円
 
・旧高田農業倉庫南蔵補修工事(平成14年度地域振興事業調整費事業)
事業費 30,048千円
 
 
・感想
 前日の夜、昭和の町を散策してみたが、ただ寂れた商店街としか思えなかったのだが、翌日、説明を受け、商店街を廻ってみると、全く違った印象を受けた。
 「昭和のお宝まちかど博物館」として登録してあるお店は17店舗であるが、どこを訪ねても、店の人たちが親切であり、来店した地域の人あるいは観光客がガッカリしないような気配りを感じた。
 「一店一宝」についても、それぞれの店が工夫をしており、現代の「お宝ブーム」とマッチしている。またお店によっては、昭和の町にマッチしたオリジナル商品、例えば人形、手ぬぐいを販売しているところもあり、「一店一品」についても浸透しつつある。
 何と言っても圧巻は「昭和ロマン蔵」であろう。説明なしに展示される圧倒的な「駄菓子屋おもちゃ」を嬉しそうに、懐かしそうに眺める観光客は、もしこの施設がなかったら、こんなには訪れことはないであろう。
 月に10000人程度訪れる観光客の対応に嬉しい悲鳴を上げている。オーナーの小宮さんとお話しすることが出来たが、早くも次の構想を温めているようである。
 小宮さんがここに出店するに至ったのは、行政をはじめとして、町全体の熱心な勧誘があったからだという。商工会議所にはもう一人のキーマンが精力的に活動していると聞くが、街づくりには「キーマン」「それを支えるグループ」「行政とのタイアップ」が必要であると心底から感じた。
 
 
 

7月9日(水)臼杵市視察報告

≪臼杵の町並み≫
 永い時の流れをとどめた町並みには、なつかしさとやさしさが同居しており、残された史跡や風物によって昔の人の生活や息遣いをしのぶことができる。
 臼杵の風土はゆっくり散策しながら歩く町で、春日局が住んでいた場所として有名な「仁王座」は城下町の風情を今も残す。また、旧藩主屋敷の風格を残す「稲葉家下屋敷」や99才まで現役作家として活躍した野上弥生子の生家も「野上弥生子文学記念館」として公開されている。
 
【視察目的】
1. サーラ・デ・うすきの概要について
サーラ・デ・うすき
 臼杵市は総面積151.85ku、東南19.37km、南北21.88 kmに及んでおり、まちのほぼ中心に位置する仁王座と本町に挟まれた一角に「サーラ・デ・うすき」がある。
サーラとはポルトガルで「居間」や「サロン」を意味するもので、これから市民の憩いの場として多くの人々に愛される施設となるよう願いが込められている。
本事業は、総務省の「マルチメディア街中にぎわい創出事業」の補助金を受けて平成14年に生まれた中心市街地活性化の拠点となる複合施設である。
「ラサー・デ・うすき」には、広場を中心に市民ギャラリー南蛮資料の展示コーナー工芸の体験学習施設観光情報商店街情報コーナー行政サービスコーナーなどがあり、建物は臼杵のまちに調和する蔵づくりデザインになっている。
また、歴史的文化遺産を守るとともに、新しい施設・伝統を活かしたデザインで街中に創出することにより市街地の活性化を図る試みは、臼杵のまちづくりの一つの結論といえる。その背景には昭和50年代から始まった地道な町並み調査活動や、地元建築士会・青年会議所・臼杵史談会・自治会などの臼杵の歴史的景観を守る市民活動がある。
 
周辺の環境
「ラサー・デ・うすき」の前には、蔵づくりのデザインの「臼杵CATVセンター」があり、情報化の拠点施設となっている。
 
所 感
年間の観光客は57万人で、その約一割の5.7万人がこの施設に訪れると言う。施設内には観光情報・商店街情報のコーナーを設け、臼杵市の情報発信源として十分機能している。更に、隣接する施設には蔵を改築したポルトガルカフェの「ポルト蔵」や「喫茶店」「土産物売り場」などがあり、くつろぎの場として正に「サロン」を思わせる施設で演出の素晴らしさに心を奪われた。更に、案内していただいた職員の情熱にも驚きを感じた。
まちづくりの基本は市民であるが「官」の仕掛けと、「民」の知恵と汗が上手く調和し最大の効果を生み出している。これからのまちづくりの見本として、学ぶものの多い取組みである。
2. 市町村合併について
☆臼杵市・野津町(1市1町)の合併について
 【野津町を合併の相手先とした理由】
1. 共に行財政改革に積極的に取り組んできた。
   *経済観念が似たもの同士、5年間でスリム化が可能。
2. 臼杵藩領として共に過ごし歴史的、文化的のも共有してきたものが多くある。
   *お金がかからず、楽しい町が出来そう(自立自助の精神共有)
3. 現在の臼杵市と野津町の産業が一体となることで、バランスの取れた産業構造の実現が可能。
 
基本的な考え方
それぞれのまちが今までのやり方や方針を主張するにとどまらず、一緒にどのようなまちを創っていくのか、どのように実現するかを共有し、臼杵と野津で魅力的な財産を活かしながら、みんなの手で新しいまちを創っていきたい。
★ 臼杵市民の利益を再優先
★ 自立自助の心が育つ自治体
★ 救済を求めず、救済に慎重
 
☆臼杵市・野津町の比較







 
項  目 臼杵市 野津町
面 積 151.84ku 139.03ku
住民基本台帳人口 36,780人 10,185人
・平成12年度国調確定値 35,786人 9,700人
世 帯 数 12,528世帯 2,921世帯
議 員 数 21人 16人
市・町職員数 377人 124人
職員1人当りの人口 97.6人 82.1人
【これまでの取組】
1. 平成14年7月に「任意合併協議会」を立上げ9ケ月の間、協議を重ねた後に本年4月に法定合併協議会を設置。
2. 他市(津久見市)との検討も行ったが、下記理由から実現しなかった。
・ 津久見市が合併へ消極的だった。
・ 「臼杵・野津任意協」が既に発信していた。
・ 「地方財政危機」「危機突破」への認識、手法の相違。 など
 
【臼杵市・野津町合併の展望】
1. 合併による新規インフラ整備必要なし。
2. 豊富な自然、恵まれた気候、豊かな歴史と文化に誇りと自信をもったもの同士。
3. 合併特例事業は環境充実整備に。
4. 農業充実と水資源と海と観光資源。
5. 着実な人員削減と補充で元気な市役所。
 
☆ 所 感
臼杵市・野津町の合併は取り巻く環境を含め、光市・大和町の合併を思わせるほど類似した点が多く、共通的な課題が見えてくる。
  但し、相違点として臼杵市の場合はバランスシート、サービス形成勘定により財政状況を明示し早くから行政改革に取り組んできたことから、市民への情報発信も課題や問題点が明確に示されている。その資料も職員の手づくりで工夫が凝らされており参考になる。
更に、合併のコンセプトが明確で必要性や重要性をしっかりと認識しており自意識の高さを感じる。
まちづくりビジョンも若手中堅職員が集まり、自分達の手で誇りと自信がもてる「新しいまち」になるための想いを込め作成されており、まちづくりに対する強い意気込みが感じ取れる。
光市・大和町の合併においても職員の更なる意識改革の必要性と法定協議会での市民参加のよる運営に向け、更なる知恵と工夫が必要であることを改めて認識した。