おいでませ


緩和ケアチーム・・・


 緩和ケアとは、「生命の持続よりも、病人の苦痛を除くことに重点をおいた介護・看護。末期癌(がん)など、治る見込みのない病人に対して行われる。」と書いてあった。
本当にそれだけなのだろうか・・・
全国各地でホスピス、緩和ケア病棟充実の声があがっているが、本当に切実な声であろう。
しかし、患者さん本人の気持ちは、どうなのだろうかと考える。
  以前、私が病気で入院した時、緩和ケアについて主治医の先生が言われた言葉が、今でも心に残っている。
「患者さんが安心できる場所は、自宅なんだよ。自分の家で日常生活をしながら治療できることが一番!だから、私は在宅緩和ケアを行っている」と・・・
今の日本の病院は、治療することに重点をおかれすぎ、患者さんの心がなおざりにされているような気がする。
病気になっても、日常生活を変えずに過ごすことができたら、どんなに幸せだろう。

 先日のTVで緩和ケアに関することが報道されていた。その中でも緩和ケアに非常に先進的なイギリスについて紹介された。
イギリス政府はすべての病院に対して、痛みや苦痛をとる緩和ケアチームが医療チームの中に入ることを必須条件としている。痛みといっても、人それぞれ様々で、その人に合った緩和薬を処方し治療分野に入る。専門的な治療にそれぞれの医師が専念できるということは、医者同士の連携さらには、専門性がより発揮できるのではないだろうか。
 日本の医療現場はというと、ほとんど緩和ケアは別ものという雰囲気がある。治る見込みが無くても、最後まで自分らしく生きることを考えれば、それも治療になるのではないだろうか。

 今山口県東部にホスピス建設が要望され、各自治体病院にも緩和ケア病棟をと叫ばれている。もちろん、重要なことであるが、それと同時に医療の中に緩和ケアという正しい認識が、常にあるべき体制づくりが必要なのではないだろうか。
 様々な人と出会い、様々な意見を聞きながら、私は介護も医療も同じだと感じた。最後まで自分らしく生きること。
病気になっても、介護が必要になっても、安心して自宅療養しながら治療も受けられる体制づくりが、一日も早く確立できるよう訴えていきたい。

  私は今年5月で47歳になる。そして今までに、同級生を病気で5人も失ってしまった。この寂しさは、ことばにできない切なさがある。
命には限りがあるけれど、いつまでも自分らしく生きたいと願うのは、誰しも同じことなのではないだろうか。。。