ずっと恐かったんだ
君はとても優しいから
僕の我侭を悪態をつきながら
最後は笑って受け止めてくれて
僕だけが、君を求めているみたいで
君は、僕を求めていないんじゃないかって
恐くてたまらないんだ
月光
「堪忍や、 。」
『気にするコトねぇよ。
仕事じゃ仕方ねぇーだろう。』
電話の内容はこうだ。
笑師が急に奪還依頼が入り明日のデートができなくなったこと。
笑師は無限城、兼奪還屋。
は何でも屋。
共に忙しい身で中々逢ったりすることができないのだ。
「今度何かで絶対埋め合わせするから、マジ許してや。」
『いや、マジしゃーねぇじゃん。』
「? どういうコトや?」
愛用のマルボロを器用に一本取り出し
慣れた手つきで火をかざした。
ジジジという音と共に空へ伸びる白い煙。
この間の間に は、無意識に悲しそうに笑う笑師の顔が思い浮かんだ。
眉間に皺を寄せ、小さく舌打ちマルボロを思い切り吸い込んで思い切り吐いた。
『私もあさってからずっと仕事続きだからさ。
もぅ、3週間は逢えねぇな。』
吐いた後のほろ苦い味をかみ締めながら
目を閉じた。
月を霞める煙はすぐに消え、月をはっきり照らした。
まるで、夢を踏みにじる現実のように。
「・・・そう、か・・・。なら、しゃー、ないわなぁ・・・。」
1ヶ月近くも逢っていないのに、更に3週間逢えないなんて
笑師にとって蛇の生殺しというのはこのコトである。
しかし
この世は、甘くない。
“恋人に逢いたいから仕事休みます”
なんてコト云ってみろ。
仕事は入らなくなるだろう。
それは流石に笑師も厭だ。
仕事だから仕方がない
仕事だから仕方がない
仕事だから仕方がない
そう呪文を唱えるように何度も自分自身に言い聞かせ笑師はしぶしぶ納得した。
平然を装ったけど、無意識のうちに残念という
感情が声に現れた。
もそれを読み取っていた。
しかし、 も『仕事だから仕方ない。』っと思った。
『・・・あぁ、そうだな。
じゃ、仕事がんばれよ。(ブチ)』
「え、ちょ、 !!?」
『プープープープー』
笑師が受話器越しで愛しい彼女を求めるが
帰ってきたのは、電話を切ったという意味を持つ機械音。
何時までも訊いていても女々しいだけだと思った笑師は、いさぎよく
自分も電話も重々しく切った。
ふと見上げると月が真ん丸く照らしていた。
今日は満月。
運がイイことに邪魔する暗雲はない。
そのときに思い浮かんだのは、一つの疑問。
「・・・ は、ホンマにワイのコト好きなんやろうか・・・?」
彼女は、ぶっきらぼうでガザツだ。
言葉も汚いし、下品な言葉も使うし、煙草だって吸うし、喧嘩もする。
でも、本当は誰よりも優しい。
欲しい言葉をくれて、いつもとは思えない程優しく微笑む。
そんな に惚れて、自分の想いを伝えて・・・
そぅいえば自分の想いを伝えたとき は自分を好いている、愛している
なんて言葉は一つも云わなかった。
只、「付き合っても別にいいが。」っとのこと。
は、自分の我侭に仕方なく付き合っているのだろうか。
は、自分のことを何とも思っていないのだろうか。
は、自分を迷惑な人間と思っているのだろうか。
は・・・
そう考えるとキリが無く、そして悪循環に陥る。
笑師は彼女に逢えないだけで身が引き裂かれる淋しさを感じる。
逢って
抱きしめて
キスをして
躰を交えて
熱を交わして――――――
君ハ淋シクナイノ?
君ハ僕ニ逢エナクテモ平気ナノ?
君ハ僕ノコト本当ニ愛シテイルノ?
訊いてみたいけど、恐いから訊けない。
優しい彼女はきっと愛してなくても
相手を傷つけまいと嘘でも「愛シテル。」と呟くから。
優しさが、恐怖へと変わる。
ピリリリリリ
訊きなれた電子音がぼんやりした躰を瞬時に硬直させた。
画面を見ると、そこには――――
《着信 》
ふつふつと浮かび上がる負の感情より先に動いたのは躰。
「もしもし。」
『・・・今か、ら・・・。』
「?」
『・・・や、やっぱり何でもねぇ!!!!』
「はぁ?何や?ワイに用事やないんか?」
『い、いや・・・。お前に用事だ・・・。』
さっきとは180度態度が変わっている に笑師は不思議というより心配の気持ちがあった。
「何や?あ、まさか。
『笑師クンに逢いたいですー。』っちゅー用事?」
いつものノリで云う笑師。
「そんなことない。」って云われるのを分かっているのに。
自分は本当に馬鹿だと心で思い、それでも心の底は少しでも、少しでも願っていた。
「?」
すぐに帰ってくる返事と思っていたが、 からの返事は返ってこない。
あー、こりゃぁ・・・呆れられてるのかも・・・。
「 、どないし
『そうだ。春樹に逢いてぇんだよ。
悪ぃかよ。』
は、喉から絞るような声をあげた。
「!!?」
『何だよ?』
「い、いや・・・そんなことあらへん。
只・・・。」
嬉しくて、嬉しくて・・・。
言葉に表せない感情が先ほどまで笑師を蝕んでいた心を癒していった。
そんなこと が知る筈もなくて、返事が返ってこない
笑師に腹を立てて怒鳴った。
『・・・らしくねぇーって思ってんだろ!!?
馬鹿だって思ってんだろ!!?』
「え!!?な、何勝手に云うとるんや!!?」
のいきなりの(逆)キレに笑師は驚いて現実に戻った。
たしかに、らくしないと思う。
から笑師を求めるなんて。
逢いたいなんて云うなんて。
『・・・悪ぃかよ!!!悪ぃかよ!!!
私だって、淋しいよ、アンタに逢えないだけでよ!!!』
君モ僕ニ逢エナクテ淋シカッタノ?
『私が・・・逢えなくても平気だなんて思ってたのかよ・・・!!?
ざけんじゃねぇーよ!!!!
私はアンタに逢いたくて、たまらないんだよ・・・!!!』
君モ僕ニ逢イタカッタノ?
「 ・・・逢ってもエェんか?」
『何で当たり前なコト訊くんだよ、馬鹿。』
いつもと同じ強気な声、しかし泪声で揺らいでいた。
「・・・堪忍や、ホンマえらい不安にさせて。」
『そんなことねぇよ。
気持ち伝えんの下手だから、私。
ずっと・・・不安にさせてたんだろ?』
「そんなん屁の河童や。
の気持ち、よぉ分かっただけでワイは幸せや。」
『私も、アンタにこんなに愛されて・・・本当に幸せだ。』
月は優しく照らし、風も優しく僕らを撫でた。
恐れるものなんて、最初からきっと無かったんだ。
君を愛している
コメント
111111HITを踏んでくださったCrema=Torta様こと母ちゃん様です。
笑師ヘタレです(滝汗)
話しもヘタレです(更に滝汗)
ヒロイン姉御??????????
姉御というか・・・男勝りで・・・す・・・?
ほのぼのというか初々しいラブですわ(萌)
実は会話だけにしようかなぁっと思いましたが、流石に手抜きすぎでやめました。
見にくかったらすみません。
リクありがとうございました!!