君が嫌いにならないように
おまじないをかけるんだ。
『 おまじない 』
「いやあああああああああああああああああああああああ!!」
「 !!」
「嫌!絶対嫌!!」
さっきからこのような会話を見ている三上は呆れていた。
せっかくの弁当が食べる気にもならなかった。
「ねぇ、三上!克郎ったらヒドイと思わん?」
「オイ、三上! はヒドイと思わないか?」
二人から同じことを言われて流石の三上もキレた。
「てめーら、喧嘩するぐれーならどっかでやれ!せっかくのメシがマズく」
「俺は、キャプテンがヒドイと思うなv」
三上の会話の途中に気づかず藤代が言った。
「バカ代(怒)」
三上の怒りを売った藤代は物のごとく殴られた。
「何するんすか〜、三上先輩!!」
三上に、殴りかかろうとしたその瞬間。
「流石、藤代vvよく、分かっておいででvv」
三上に反撃をくらわそうとした藤代は、
の言葉を聞いて反撃するのをやめた。
「あたりまえっすよ〜v」
そう言うと藤代は に抱きついた。
しかも、 はソレを受け止めた。(それだけ嬉しかったのね・・・)
後ろでは渋沢が黒いオーラを発していた、そして。キャプスマで。
「藤代、部活終わってから30週走れよ。」
「ええ!?な、なんでですか?!キャプテン!?」
「オイ!バカ代!だって、お前」
「あ、そういえばそうだった・・・(汗)・・・は、走ります。」
そうなのだ。(何がだよ)武蔵森サッカー部の守護神である渋沢克郎は、
武蔵森バトミントン部 のと付き合っている仲なのだ。元々仲は良かったのだが、
突然の渋沢の告白に現在は友達から恋人まで仲が深まったのだ。
「おお、めずらしく自分から走る、藤代・・・。雪が降るよ。ねえ、克郎。」
「そうだな。でも、藤代ももう2年だから自覚してるんじゃないか?」(2年ということを)
「そっかな〜?」
「ところで・・・。」
渋沢が一息置いた。
「なんで、トマトだけ食べないんだ?」
「嫌いだから。」
即答する 。
「好き嫌いなく食べるんだ。」
「それは無理がある。」
また即答する 。
「いいか、嫌いなものを好きなものだと思って食べるんだ。
それなら、食べれるだろう?」
渋沢は言った。その姿は、もうまさに母のようだったという。(藤代談)
「や、やってみる。」
は手に一切れのトマトをつかんだ。何気に手が震えていたりする。
「ほー、 チャンにも嫌いなものはあるんだな。」
「あたりまえじゃ!」
をからかう三上。もちろん、おなじみのデビスマで(笑)
「う・・・。これはスパゲティ、これはスパゲティ。」
そう言いながらトマトを口の中に入れた。
しかし、流石に味が違う。 の目には涙が溜まっていた。そして・・・。
「う・・・。」
はトマトを口の中から弁当箱の中へ出した。
「「 !?」」
――お食事中の方誠に申し訳ございません。しばらくお待ちください――
「克郎のバカタレ――――――――――――――(怒)」
そういうとは屋上を飛び出した。
「 !!」
渋沢がを止めようとしたが時はすでに遅しだった。
「お、お前渋沢、はははは。ひー、ひー、あははははは。」
三上はさっきのの行動でずっと爆笑している。普通に話しができないほどに。
「藤代・・・これは俺が悪いものなのか?」
「あたりまえじゃないですか。」(経験あり)
即答される藤代に渋沢は何も返せなかった。
(藤代に聞いた俺がバカだった・・・。)
何かいい手はないかとあーじゃーこーじゃーと渋沢は考えていた。
そのとき、笠井が動物の本を持ってブツブツ何か言っていた。
「 トマト嫌いストップ計画」を考えていた渋沢にとって笠井の小声は邪魔な存在だった。
それを止めようと笠井に声をかけようとした。
「おい、笠」
「ブツブツそうか・・・。動物の子供は親に口移しでエサをもらうのか・・・。ふむふむ。
ん?なんですか?何か用ですか?キャプテン?」
「えっ。あ、いやなんでもない。邪魔してすまなかったな。」
渋沢の顔は何かを悟ったすがすがしい顔があった。
そして心の中で悟りのヒントをくれた笠井に心から礼を言った。
「あ?どうしたんだ。渋沢のヤツ。」
ようやく笑いから解放された三上は爽やかな(?)渋沢の姿を見て驚いていた。
さっきまで悩んでいた難しい顔が何かを悟ってスッキリした顔をしているからだ。
「三上、 のトマト嫌いを直す方法を思いついたぞ。」
「マジかよ。んで、その方法ってのは?」
「・・・――――」
放課後――
ようやく部活が終わってさて帰ろうと は自分のクツに手をかけた。
そのとき、いつもと違う光景を目の当たりにした。
自分のクツの中に白い紙切れが入っていたのだ。
「・・・なんだ?コレ。」
(・・・また三上&克郎ファンの奴らだったらどうしよ・・・。はあ・・・。)
は紙切れを開けるのを躊躇った。
もともと渋沢と三上と仲が良かった は渋沢&三上ファンの人たちを嫌でも敵に回してしまったのだ。
陰口、嫌がらせは当たり前だった。渋沢と付き合う時には、それがもっと悪化していた。
流石にこうやられては精神的にダメージが募るばかりだった。
しかし、三上と渋沢がその事を知って への嫌がらせはなくなった。
それからもう、3ヶ月以上たっているのだ。
(もう、びくびくすんのは嫌・・・。)
そう思った は少しの躊躇いもありながら紙切れを開けた。
―――用があるから、部活が終わったら
俺の部屋に来てほしい。 渋沢克郎―――
「克・・・朗・・・からだ。部屋に来い??」
クツを自分の下駄箱から取り出してタイルに落とした。
「・・・一体何の用??ま、行けば分かるね・・・。」
クツを履きながらは言った。
(まさか、エッチーことじゃあるまいな・・・。私まだそんなの嫌ちゃ。絶対嫌。)
男子寮に行きながら はそんな怪しい妄想をしながら足を進めた。
コンコン
カチャ
「克郎〜。来たよ〜。」
「すまなかったな。疲れているときに。」
「うんや、大丈夫。疲れているのはお互い様だよ。」
は部屋のドアを丁寧に閉めて部屋の奥へ入った。
そしてベッドに腰掛けている渋沢の隣に座った。
「んで?何用?」
「目を瞑って、口を開けてくれないか?」
「何で??何かくれんの?」
「それは後からのお楽しみ。さぁ 。」
は期待を膨らませながら目を静かに閉じた。
数秒も経たないうちにの口に入ったものは渋沢の深い甘いキスだった。
「んっ。」
いろんな角度から攻めてくる舌にどう対応していいか分からない
はそれを素直に受け止めるしかなかった。
長くそして深い甘いキスに理性をどんどん失う だが、次の瞬間、
あるものを口の中に入れられて失われた理性が一気に復活した。
「ん・・・んんんんんん!?!?」
の口の中に入れられたもの・・・それは の大嫌いなトマトだった。
「んんんううううううううう(訳:トマトオオオオオオオオオ)」
はトマトを拒み続けた。トマトを外に出そうとするが渋沢はそれを許さなかった。
しかし、渋沢の巧みな舌の使い方でトマトは の体内へ転げ落ちた。
それを確信した渋沢は、 の唇を離した。
は酸素を一生懸命になってとりこんでいた。
そして一定の呼吸に戻って、渋沢を睨んだ。
「なんであんなことしたの!!死ぬかと思ったじゃんか!」
「嫌だったか?」
「嫌じゃ・・・なかったけど・・・。」
渋沢の意外な応答に は驚いた。
渋沢は を柔らかく抱きしめた。
「おまじないだ。 がトマトを好きになるようにって。」
「克郎・・・。でも、私トマト好きにはなれん。」
「そうか。ならトマトがあるときは俺が食べさせてあげるよ。」
「/////」
それから の弁当の中にはトマトが毎日のように入っていたとか。(弁当は渋沢が作ってくれます)
そのつど、渋沢のおまじないでトマトを食べる でした。
君が嫌いにならないように
おまじないをかけるんだ。
トマトみたいに俺を嫌いになってほしくないから。
だから俺はおまじないを君にたくさんかけるんだ。
俺をもっともっと好きになりますようにって。
コメント
雨:渋キャプといえば料理!
渋:しかしこれは料理ではないぞ。
雨:んま〜、そうだけど・・・。
渋:しかし口移しとは・・・(汗)
雨:書いてて恥ずかしかった〜ってゆーか何回横を向いたことか・・・。
渋:・・・(汗)