私の彼氏は馬鹿です。

彼女私より親友の花月くんの方がイイのです。











『 日常となりつつ会話 』












「はぁ〜・・・やっと仕事終わったぁ・・・。」

は、その場にドシンと座った。

今回の の依頼は「護り屋」だった。
積み荷を何者にも取られないで、目的地まで護るという依頼だった。
パートナーは、護り屋の弥勒 雪彦だった。



「今回は、そこまで大変な仕事じゃなかったよ?」

雪彦は、目を瞑っている座っている を見た。



「うん、たしかに弥勒さんの言うとおりだけどさ。」

は、大きなあくびをして、また目を瞑った。




「ん?」

「此処んとこ、仕事が連チャンなのよ。」

がため息交じりで言った。



「ああ、それなら疲れもたまるね。」

雪彦が苦笑いで答えた。



「弥勒さんは優しいね、貞晴だったら「若いくせに」みたいなこと言いそう(笑)」

が弥勒 貞晴のマネをした。




「クス」

雪彦は、手を口元に置いて笑った。
あまり似ていないがなんとなく似ていて面白かった。



「そういえば、どうしてそこまで早く仕事を片付けるの?
 君なら、一日一回じゃなかったっけ?」

笑いおえた雪彦は、 に尋ねた。



「え?う、うん・・・ちょっと、ね。」

は、顔を赤面させ雪彦に顔を見られないように横を向いた。










「・・・もしかして・・・筧 十兵衛系?」

雪彦が、不可疑問系(?)で に尋ねた。









「・・・(コクン)」

は、小さく頷いた。
筧 十兵衛は、「MAKUBEX」に従う男で、
「筧流針術」という古流術の使い手で信念のためなら命をも投げ出す
サムライ的な男である。

は、そんな十兵衛にひかれはじめ、今にいたっては恋人同士という関係になった。




「クス」

雪彦はそんな を見て笑った。



「な、何よう・・・。」

は、顔を赤くさせたまま雪彦をチラリと見た。



「いや、ういういしくて可愛いなぁって思ってさ。」

雪彦は、ニコニコ笑って を見た。



「何でそうなるのよっっっ!!!!」

の声はその場に木霊した。
















「ったく、弥勒さんったら、何であんなこと言うのよ。」

は、雪彦に言われたことを思い出し何気にツッコミを入れた。
でも、すぐに顔がほころんだ。
久しぶりに十兵衛に会えるからである。



あの後、無事積み荷を依頼人に渡し、報酬を貰い、マッハで家に帰った。
普段なら、そのままフカフカのベッドの中に潜り込むのだが今日は「無限城」から久しぶりに
十兵衛が外に出てくるのでベッドで寝ているひまはない。
疲れ切った自分の身体に鞭を打った。




は、「何でも屋」をしているため仕事が毎日のように入って来るのだ。
それに、十兵衛も「無限城」にいるためなかなか外には出ないので、二人が会う日はなかなか無い。

久しぶりに十兵衛から連絡が来て「会おう」と言われたので は一日でほとんどの仕事を終わらせた。
これぞ、愛の力(笑)



疲れ切っているはずなのに、進む足は軽やかであった。
気づいたら、待ち合わせ場所の「HONEY TONK」に着いていた。












カランカラン


「いらっしゃいませ〜!あ、 さんだぁ!!」

バイトの夏美が駆け足で に近づいた。



「夏美ちゃ〜〜ん!!久しぶり!!!」

も駆け足で夏美に近づいた。



「久しぶりだね、元気にしてたぁ?」

「うん、元気だよ!あ、はいコレ、プレゼント。」

は、肩掛けカバンから紙袋を取り出し、夏美に渡した。




「何、これ?」

夏美が不思議そうに紙袋を見た。



「仕事の帰りにさ、新しいコーヒー豆売ってるの見ていいかなぁって思って買ってきたの。
 もしよかったら使って。他にもコップ入ってるから。」

は、ニコっと笑った。



「わぁ、ありがとう、 さん!!」

夏美は、嬉しさのあまり に抱きついた。



「いえいえ。そういえば・・・十兵衛まだ来てないの?」

は、店内をキョロキョロと見回した。



「筧さんはまだ来てないよ、お茶でも飲んで待ってって。」

夏美が、カウンターの席を に進めた。



「うん、ありがとね、夏美ちゃん。」










カランカラン



「・・・。」

がカウンターに座ろうとした瞬間、噂の筧 十兵衛が「HONEY TONK」に入って来た。



「あ、十兵衛!!」

が、十兵衛に駆け足で近づいた。



「久しぶりだな、 。」

十兵衛は、 を見ると の髪を触った。



「うん、久しぶりだね。元気だった?」

は、照れながら十兵衛を見た。



「ああ、相変わらず元気だ。貴様は・・・相変わらずというかんじだな。」

「あはは、やっぱりそう見える?」




「コホン。あのイチャついているところ悪いんですけど・・・席に座ってください。」

夏美が咳払いをして、十兵衛と にカウンター席を勧めた。



「あ、ご、ごめん。夏美ちゃん。ってイチャついてなんか!?」

は赤面して夏美に抗議しようと瞬間に十兵衛に腕をつかまれた。
腕についている木製のアクセサリーが鳴った。





「人の仕事の邪魔をするな、さっさと座れ。」

「ご、ごめん。」

十兵衛に叱られ は素直にカウンターの席に座った。





「飲み物は?」

「HONEY TONK」のマスター 王 波児が十兵衛と に尋ねた。



「私は、断然オレンジジュース!」

「オレは、緑茶で(あるのか?)」

十兵衛と はそれぞれ飲みたいものを波児に頼んだ。


「はいよ。(緑茶あるのか!?)」







「今、無限城は大変なんじゃないの?」

「それほどでもないぞ。」

「へ〜。」

「MAKUBEXも前とは違い、「仲間」を信じるようになったしな。」

「よかった〜。ちょっと気になっていたんだよね〜。そういえば、あれからギャグのセンスは上がった?」

「当たり前だ。あれからどれだけ時が過ぎたと思ってる。」

「結構自信満々だね、なら聞かせてよ!!」

「ふ、いいだろう。笑い死んでもしらんからな。」

「ちょ、そ、そんなに自信があるの!?」

「ああ。」

「で、ではどうぞ・・・。」













「ふとんがふっとんだぁぁぁぁぁ。」












「「「寒っ」」」

「HONEY TONK」は一時北極と変わらない温度になった。



「何故だ、何故誰もオレのギャグを笑おうとはしないんだ!!!!」

十兵衛は、カウンターをバンと叩いた。



「・・・(いや、楽しくないからだよ。)」

自分のギャグが寒いことに全く気づかない十兵衛に対して は心の中でツッコミを入れた。




「お待ちどうさま。」

波児が、「オレンジジュース」と「緑茶」(あったんだ・・・。)をカウンターに置いた。



「ありがとうございます。はい、十兵衛。」

波児から、飲み物を受け取り、十兵衛に緑茶を差し出した。



「すまん。」

十兵衛は、 から緑茶を受け取った。




「そういえば、近頃花月さんと会ってる?」

「ああ、実はさっき会ってきた。」

「そうなんだ、どっか遊びに行ってきたの?」

「あぁ。花月が買い物に行くといってな、それについていったりした。」




30分後




「そのコップとあのコップどちらがいいかというのを議論しあっていた。」

「コップでどうして議論し合うんだよ(ボソ)」

「話しを聞いているか!?」

「はいはい、聞いてますよ。」




1時間後




「服のときに花月が選んだ服はどうも露出が高くてな、そこでまた議論し合った。」

「花月さんは男だよ?」

「そんなの関係ない!!!花月を誘惑する変な輩がいては困る。」

「いや、いないからさ。」

「花月にもしものことがあったらどうするんだ。」




1時間30分後





「そうして花月がな」
「・・・。」






2時間後









「花月がな」

「・・・。」

「花月がな」

「・・・(ブチ)」







バン








が、カウンターを思いっきり叩いた。

「・・・ ?」

十兵衛は不思議そうに を見た。




「さっきから花月花月って、そんなに花月さんの方がいいのね!!
 毎月一回ぐらいしか会えない恋人の私よりいいのね!!!
私は久しぶりに会えるからって仕事も全部終わらせて
 来たのに。私が貴方に出会えることをどれだけ楽しみにしてたかわかってるの!?」

は、今までの不満をぶちまけた。
の目には大粒の涙が溢れており今にも地上に落ちそうだった。
そして更に不満を続けた。




「・・・十兵衛の馬鹿馬鹿!!!!実家に帰る!!!!!!」

そういうと は、全速力で店を出た。




!!」

十兵衛は、 を追いかけたが、
「宵軒爛藷法」の魔法を使われ はその場から消えた。
店の前を通る人々は十兵衛を一瞬だけチラリと見て足を進めた。







「彼女、泣いてたよ。」

そこには――




「花月・・・。」

噂の花月がいた。



「ごめん・・・聞くつもりはなかったんだけど・・・。」

花月が目を伏せた。



「いや、貴様が謝ることはない、オレが・・・。」

「・・・僕のことはいいから、彼女を追いかけて。
誤解を解かないと・・・せっかく彼女のために買ったんでしょ?」

花月が店の中にある買い物袋を見た




「・・・あぁ。」

「なら、追いかけないと。目星はついているんだろ?」



「・・・。」

十兵衛は黙った。



「十兵衛?」

何も言わない十兵衛を見て花月は尋ねた。



「アイツは、「実家」に帰ると言った、オレはアイツの実家を知らない。」





「え・・・?」

花月が意外な反応をした。



「ねぇ、十兵衛。彼女、本当に「実家」って言ったの?」

「あぁ、言った。それがどうした。」





「彼女、 さんには・・・「実家」なんてあるはずなんだ。」

「!?」














「十兵衛の馬鹿・・・。」

そこは、 が住んでいるマンションの近くの公園だった。



「でも、私も馬鹿よね。実家なんて・・・自分が壊したクセに・・・。」

は顔を膝にくっつけた。



















私を自由にして!私はもう、嫌なんだ!!

私たちの言うとおりにならない子供は、いらないな、目障りだ、死ね。


















「っ・・・。」

はぐっと歯に力をこめ、泣かないようにした。

「あの事件」から、4年の月日が流れたのに、「あの事件」は今も を苦しめる。






そぅ・・・あの事件とは・・・。




が自らの手で「両親」を殺めた事件だ。














「・・・。」

は、再び顔を膝にくっつけた。









!!」

「!?」

ふいに自分の名前を呼ばれたので はその方角を向いた。




「どこに行ってたんだ、随分捜したぞ。」

そこには、すっかり息が上がっていて汗びっしょりの十兵衛がいた。





「ど、どうして此処にいるのよ!!」

「貴様を迎えに来た。」

「十兵衛は花月さんの方が好きなんでしょ!!
さっさと花月さんのところに行けばいいでしょ!!私なんてほっといてよ!!!!」

「・・・花月は親友だ。人をホモみたいなことを言うな。
 それと、貴様をほっといておけない。なおかつ、オレの所為で泣かしている貴様を。」

十兵衛は を力一杯抱きしめた。





「ちょっ・・・やだ!離して!!」

は思いっきり十兵衛の胸をポカポカ叩いた。
しかし、男女の差は歴然としており の攻撃は無力に等しかった。


「聞いてくれ。」

「・・・何よ。」




「オレの傍にいてほしいのは・・・ 貴様だけだ・・・。」

十兵衛の言葉は、はっきりそして真剣だった。







「・・・馬鹿ぁ・・・十兵衛の馬鹿馬鹿馬鹿・・・」

は、そういうと泣き始めた。



「悪かった。」

そういうと十兵衛は、 あやすように頭を撫でた。









「えっ!?それじゃぁ、コップを議論しあっていたのは・・・私のため?」

「ああ。」

「別に花月さんに聞かなくてもいいんじゃなかったの?」

「いや、アイツの方が女に上げて喜ぶものを知っているからな。」

「十兵衛からなら何でも嬉しいよ?」

「(///)」

「ん?どうしたの??」

「何でもない!!!!(///)」

「変な十兵衛。」

「・・・もう貴様を泣かせることはしないからな。」

「・・・やったら承知しないからね(///)」

「ああ。」










――おまけ――

「十兵衛の馬鹿!!実家に帰ってやる!!!!」

!!」

しかし、HONEY TONKでは、今日もまたこの会話が聞こえてきましたとさ。






コメント
雨:ヘタレなおかつ彼女に謝る十兵衛が書きたかったです。(十兵衛ファンごめんなさい)
ちなみに雨風も十兵衛ファン
十:・・・誰がヘタレだ(怒)
雨:アナタ
十:しかし、何だこの作品は!!!!!オレが花月が好きみたいじゃないか!!
雨:だって・・・十×花あるんだよ?雨風も好きだけどVv
十:このクサレ外道が(怒)