俺の名前は、 。
こう見えても、生物学的性別は女。
新撰組に烝と歩姉と入隊し、主に情報収集の偵察方してんだ。
偵察方の烝とは、ちっちぇー頃からは大の仲良し。
兄弟ってヤツだな、うん。
元々、男っぽいから男として育てられた。
別にそれはそれでイイと思ってた。
困ることと云えば、女に告白されたこと。
同性愛はもってないっつーの。
男な俺だけども、やっぱり運命の人(恋愛諸本より引用)っていうのは
憧れだ。
好きなヤツと結ばれて、愛して、愛されて、祝言あげて
ガキ作って、死ぬまで一緒に過ごす。
恥ずかしくて誰にも云えねぇーけど、これ
俺の夢だ。
まぁ、この戦いが終わるまではそれは無理だなって思ってたがそりゃ大間違いだった。
土方 歳三。
新撰組の副長サンだ。
裏じゃ【鬼】と異名をつけられて恐れられてるが
怖いとこもあるけどよ、全然そんなことねぇーよ。
誰よりも優しくて、自分を犠牲にしてまで新撰組支えてやがる、
そんときよ。
身体中がビリビリしてよ、
コイツのためなら、俺ぁ一生身を捧げるって決めた。
それが、恋(烝が教えてくれた。)っていうのに気づくのは遅かったけどよ。
それでよ、まぁー、その後は色々あってよ。
つい先日土方サンに告白されたワケだ。
嬉しくて大泣きして、土方サン困らしちまった。
まさか、両思いだなんて思ってもみなかったしよ。
さぁ、コレでめでたしめでたしといきてぇーとこだが・・・
土方サンは俺に好きだって告白したクセに
いっつも島原の遊郭の姉チャンとシてやがる。
何でだ?????
ヤマトナデシコ育成記
日もすっかり落ち、真っ暗な夜空には天高く三日月がぽっかりと浮かんでいる。
そんな夜更けに、偵察方 山崎 烝の部屋に入室する輩がいた。
名は 姓は 。
漆黒の髪は短く散切りにされており
いつでも出陣できるように
常備忍び装束に近い黒いものを着ており
その姿、女ならず。
「よぉ、烝。」
「・・・何や、こないな夜更けに。」
読んでいた本を閉じ、視線を に向けた。
時はすでに牛の刻。
烝が知っている限り が起きているのは珍しい時刻だ。
立ち話しをしていたら、就寝している隊士に申し訳ない。
烝は、 を部屋に招き入れ座るようにした。
「で、何や?」
「なぁ、俺ぁ、土方サンが分かんねぇーんだ。」
彼、もとい彼女は、新撰組の【鬼】と謳われている恋仲なのだ。
からそう報告を受けたときは我が耳を疑ったものだった。
しかし、烝にとって は妹みたいな存在だ。
悔しいという気持ちがあれば嬉しいという気持ちが交差した。
その幼い嫉妬心は、声にも表れていた。
「何や自慢話しなら市村にでもせぇや。」
「違う。」
「あ?なら、何や?」
「何で土方サンは、俺がいるのに
島原行って遊郭の姉チャンとシてるんだ?」
「・・・。」
いきなり下品なネタをもってきた に
烝は目を見開いた。
まさか、いきなりそういうネタをもってくるなど誰も
思いつかなかった。
「しかも、頻繁だぞ。
そんなに男は毎夜性行為しねぇーと死ぬのか?」
「・・・。」
「なぁ、土方サンも烝も同じ男だろ?
いちを、俺女だし、そこらへんわかんねぇーから教えろ。」
「・・・んなん、 の勘違いやろぉが。
最近忙しいからかまってもらへんからって被害妄想走んな阿呆。」
せがむ に御得意の毒舌かまし。
しかし、コレに負ける ではなかった。
烝の着物を引っ張って云った。
「だって、俺ちゃんと見たんだぜ!!?
土方サンが遊郭の姉チャンと接吻してるとことか、
川原で何かアヤシイコトしてたり、歩姉に訊いたりよー。」
「(そぉいやぁ、俺もあるな。)
でも、ちゃんとかまってもらってるんやろ?」
烝のその一言に、少しだけ黙り
そして口を開いた。
――バージョン壱――
「・・・おかえり・・・なさい。
今日も、遅かったな・・・ですね。」
土方「・・・待ってたのか?」
「(コクン)」
土方「そぉか。」
「土方サンは・・・。」
土方「あ?」
「何処行ってた・・・ですか?」
土方「・・・ちょっとな。」
――バージョン弐――
「御茶持ってきた・・・です。」
土方「悪ぃ、市村に淹れてもらった。」
――バージョン参――
「買い物・・・。」
総司「土方サンなら島原に行きましたよ〜。
よかったら、私と行きませんかー?」
「・・・行く。」
――バージョン四――
「土方サン、コレ・・・調査書類・・・。」
土方「コレなら山崎クンにもらったぞ。」
「(烝殺す。)そ、そうか・・・ですか。」
「ってことがあったんだ。」
「(何とも云いがたいんやけど・・・。)
オイ、その調査って長州のヤツのコトか?」
「あぁ、まさかお前まで調べてるとは思わなかったし。
ってか、俺の仕事取るな。」
「(そんな仕事やったかいな?)
兎に角、お前はどうされたいんや。」
烝のその一言で、 は照れ隠しのように頭を掻いて笑った。
「我儘かもしんねぇーけど・・・
遊郭の姉チャンのとこに行ってほしくない。
俺だけ見てほしい。」
男っぽいところは残るが、女特有の願いをいう の姿を初めて見て
烝は、目を大きく見開いた。
幼少からずっと傍にいて、異性に対してそんな感情を抱いたことすらみたこと無かった。
そして決まっていうコトは
「俺は男だー。」だった。
近所では、男顔負けのガキ大将。
喧嘩も強かった。
その が、今、女というものに芽生えようとしている。
烝の表情が自然と笑みへと変わった。
「お前、結構可愛いこと云うやん。」
可愛い
かわいい
カワイイ
可愛いですとぉぉーーーーーー!!!?
初めて「可愛い」と云われて は、真っ赤になって
身を振り乱して否定した。
「あ、ああああ、ありえねぇーこと云うな、馬鹿!!!!」
「阿呆、顔真っ赤やで。」
ククっと烝が喉を鳴らして笑った。
それを云われて煽られた は更に顔を朱に染めた。
「う、五月蝿ぇー!!!」
ガラ
障子が開くと同時に振り返ると、永倉 新八と藤堂 平助がいた。
見ると二人の頬が少し赤いし、目がトロンとなっていた。
これはどうも、酒を呑みに行っていたみたいだ。
「隊長たち、酒呑んでただろ?
イイのかよ、明日仕事あんだろー?」
「だーいじょうぶだって!
明日は非番だしー。」
ケラケラと笑う平助。
完璧に酔っている。
「で、どうしたわけー?こんな遅くに吼えちゃってさー。」
「何々発情期?」
ドス
「殺されてぇーですか、新八隊長、平助隊長?」
クナイが新八、平助の頬を掠った。
クナイを投げた張本人 は、キレていた。
「ははははははは、冗談ですー。」
「で、何吼えてたワケ?」
殺られると思った二人は、その話題を変えた。
女と云っても は、強い。
力はそこまではないが、持ち前の身長とスピードが武器になっている。
そこらへんの隊士に比べたら強い。
そしてなおかつ短気。
その強さと性格を知っているので、コレ以上触れないことがイイ。
「あのさ、隊長たち。」
「「?」」
「男っちゅー生き物は、恋人より
島原にいるような遊郭の姉チャンと性行為する方がイイものなんですか?」
「「「!!?」」」
「阿呆!!!何下品かましてんや!!!!!」
「だって烝教えてくれなかっただろーが!!!」
「阿呆!!失礼やろうが!!!」
烝は の胸倉をつかんだ。
たしかに上司にそんなコトを云う輩はそうはいない。
しかし、二人は の下品発言を不快に思わなかった。
「うーん、普通は、自分の恋人とヤる方がイイよねぇー。」
「そぅそぅ。
苛めてさぁー、そんときに「(自主規制)」なんて云われてみろ・・・。」
「そうそう、後さー。
「(自主規制)」とか「(自主規制)」なんて云われてさー。」
「しめに、「(自主規制)」とか云われてみろ!!!」
「「たまんねぇー。」」
「・・・分かるか?」
「そりゃー、俺も男やし。
気持ち分かるで。」
めくるめくる官能の世界に浸る二人を見て
は全く理解できず烝に尋ねた。
烝も新八、平助に同意。
やっぱりよく分からん。
「でさ、いきなりどうしてそんなコト訊いてきたわけ?」
平助の質問に は情けない声を上げた。
「実はよぉ・・・―――――――
「なるほどねぇー。」
「たしかにそりゃ不安になるよなー。」
「俺、土方サンに何か悪いコトしたですか?」
「そりゃないと思うよ。
っというよりね、 には女っていうのがないんだよ、分かる?」
「そうそう。
口調、姿勢、服装、礼儀、雰囲気が「男ー。」って雰囲気だしまくってるしさ。
女って見れないっというか、思えない。」
「例え、好きな女でも、抱きたくても抱けないってヤツだろうねー。」
「溜まってんだろうなー、土方サン。」
(溜まる????)
(下品やな。)
「とりあえず、それに気をつけてみたら
大丈夫じゃない?」
「どうするよ、土方サン目ん玉飛び出たらさー!!!」
「あははははは!!!
新八それ、物の怪じゃねぇーかっ!!!」
ケラケラと二人は笑った。
その中、 が突然立ち上がった。
「烝、新八隊長、平助隊長。
俺決めました!!!!」
「「「?」」」
「俺、ヤマトナデシコになる!!!!!」
「「「「えぇーーーーーーーーーーー!!?」」」」
3人の声は、夜の闇に吸い込まれていった。
コメント
最初は短編で終わらす予定だったんですが、
終わりそうもない且つ連載にしたら面白そう(ヒロイン結構可愛いし)という
私事情独断で連載にしました。
題名は、某出版社の只今連載中の【ヤマトナデシコ七変化】から
引用させていただきました。見てない方、オススメですよー!!!
是非、見てください!(さりげなく宣伝)
自主規制のところは言葉を自由に埋めてくださいませ。
小説とは関係ないのですが、皆さん遠来未来というMIDIサイト様を
知ってでしょうか?そちらのMIDIの【風追い人】が私にはどうしても
PEACE MAKERのテーマ曲に聴こえるんです。
もしよかったら一度聴いてみてください。
他のも素敵ですvvvv