私には人を殺めることはできません

私には人を救うことすらできません




私ができることは、ただ一つ―――――

























『 紙飛行機 』
























雲ひとつない、青い空。
常夏の日差しも蝉の鳴き声もなく、
あるのは青い空と心地よい秋風。




さん。」


その場に男の声が響く。
ゴホゴホと咳を交えて。




「あぁ、ハヤテさん。
任務終えられたんですか?」

「えぇ、そして近くだったんで、寄ってみました。」

という名の黒い長い髪の女性。
白い着物を着ていて、彼女の髪の黒さが十分引き出ている。
訪問してくれたハヤテを自分が座っている縁側にくるように
招いた。















「みたらし団子はお嫌いですか?」

「いえ。大好きですよ。」

「そうですか、それはよかった。
アンコからみたらし団子を分けてもらったんです。
一緒に食べませんか?」

ニッコリと は笑った。
ハヤテは頬を少し朱に染め笑った。
そして


「はい、いただきます。」
と云った。













が奥のほうへ往ってから、数分も立たない内に
二人分の粗茶とみたらし団子を持ってきた。



「今年の新茶は中々おいしいんですよ。」

「そうなんですか、それは楽しみですね。」

二人で無言で茶を啜る。
の云うとおり、今年の新茶は渋みがあってとても美味しかった。
みたらし団子も、流石団子好きのアンコが
買ってきたのもあって餅といい、醤油ベースといい、中々の美味さだった。





さん。」

「はい?あ、御代わりまだいりますか?」

「ゴホ・・・いえ。」

「そうですか、御代わりの時には遠慮なさらないでください。」

「えぇ。あの。」

「はい?」

「忍の方には、もぅ帰られないんですか?」










「えぇ。」

暫くの沈黙ののち、 が答えた。








「ハヤテさん。
私は、忍には向いてないんです。
任務で標的となった敵も殺せないんですよ。」


人を殺めるなんて、できる筈がない。
自身によく問ったことがあった。




“ワタシハ忍ニナレマスカ?”











「かと云って、己の教え子も救うコトができませんでした。」



殺しを躊躇している間に
自分の可愛い教え子を敵に殺されてしまった。


しかし、敵を殺すことができず、
逃してしまった。














「しかし、それは貴女の所為じゃありません。」

苦しい沈黙ののち、ハヤテが喉から搾り出した声を上げた。
矛盾している答えだった。



















「ハヤテさん。」

「・・・すみません。」

「いえ、ハヤテさんの云うことは本当のコトです。
貴方が謝ることはありません。」

矛盾の答えもその矛盾の中に隠されているハヤテの優しさに
はちゃんと受け止めていた。
拒絶したら、前に進めないから。




「・・・ところで何を折っているんですか?」

さっきから、和紙を手にしている を不思議に思いハヤテが尋ねた。



「紙飛行機ですよ。」

「よっと」っと、和紙を紙飛行機型に折り、手に取った。




「紙・・・飛行機ですか?」

「ええ。最近近所のコドモがよく遊びに来るんですよ。」

「で、どうして紙飛行機なんか。」

やんちゃなコドモと遊ぶには、鬼ごっこ、かくれんぼ、
篭目篭目、はないちもんめなどがポピュラーな筈。
そんなことを思っていると、目の前の青い空に一つの白い紙飛行機。









「綺麗じゃないですか?
紙飛行機。」

目を細めて が飛びゆく紙飛行機を見て云った。



「・・・えぇ、とっても。」















こういうヘイワな日常が当たり前にあってほしい

誰も悲しみに怒りに陥ってほしくない

そんな、願いをこめて今日も紙飛行機を遠くに遠くに飛ばす









影月 小夜様に捧げる10000HIT記念

相手:月光 ハヤテ

ヒロイン設定:同い年

ストーリー:あっさり系



コメント

こんばんわ、小夜ちゃん!
10000HITおめでとう!!
これからもがんばってね!
さて、記念ドリということなのに・・・ハヤテ先生かなりエセ(滝汗)
何故敬語みたいな。あっさり目差したけど、シリアスじゃんか、コレ。
紙飛行機ネタは、最遊記からとりました。
こんなんでごめんよ。これからもよろしくね!!