遥か昔

世界が混沌の時代であったとき

一人の人間が

八精霊が一人

風の王 ジンを誓いを交わし


混沌の世を救った



























盲目のハーフエルフ ―風雅到来―

























「現状は何処もまちまちだな。」

ローハンの王セオデンは、地図を見て深い溜息を吐いた。
周辺の同盟国のマークが少なくなっているのを見て、レゴラスが声をあげた。



「やはり同盟国と結集し戦いにそなえるべきか・・・。」

「たしかにそれはイイ考えだ。
しかし、それでは移動中の時に格好の餌食になる。」

アラゴルンは顎髭を撫ぜた。
皆それを分かっているが、レゴラスが相槌をした。



「敵の思うツボだな。」

「俺たちが護衛と云っても、数がなぁ・・・。」

敵は地上だけではない。
オークやウルク=ハイだけでも手ごわいのに
空からは、獰猛な竜蛇に乗ったナズグルもいる。

ローハンの兵士をこれ以上減らすわけにはいかない。
せまる戦いは、すぐ傍にあるのだから。
しかし、此処でまとまっていないと敵は一つ一つ潰しにかかるだろう。
そうなったら、元も子もない。
皆が唸っているときに、アラゴルンが声をあげた。



「・・・俺にイイ考えがあるのだがよろしいだろうか?」

「何だ?」

「風の国 ローラントに風の王を従わせている娘がおると存じております。
ローラントに使者を送り、しばしその娘を貸していただけたらどうかと。」

「・・・使える者がいたのか?」

セオドンの老いた瞳に、生気が湧き出たような気がした。
レゴラスが確認するようにアラゴルンに尋ねた。



「風の王とは・・・あの?」

「あぁ。」







遥か昔

世界が混沌の時代であったとき

一人の人間が

八精霊が一人

風の王 ジンと誓いを交わし

風を自由自在に操り

オークを切り裂き

サイクロプスを薙ぎ倒し

枯れた地を癒し

傷ついた人々の傷を攫(サラ)い

混沌の世界を救った

そしてすべきことを終わったジンは
中つ国の北の最端の山々の頂(イタダキ)に身を置き深い眠りについた






アラゴルンの云うとおりローラントに風の王を操る者がいたとしたら
それは鬼に金棒だ。
しかし、セオドンはすぐに顔を歪ませた。



「しかし、ローラントがそう簡単に貸してくれると思うか?
いちを、同盟を組んでおるがそれ以降使者すら来ていない。」

「たしかに、あそこは風によって闇の勢力の力は届きませんが、
闇に呑まれるのは時間の問題でしょう。

それに、仲間は多い方がいい。」

何度も使者を送っても、応答すらしないローラントで
諦めようとしていたが、アラゴルンの「仲間は多い方がいい。」という
言葉にセオドンは再びローラントに光を向けた。



「駄目もとで、使者を送ってみよう。」

「いい決断だ。」

それを訊いてアラゴルンは笑った。



「貴様、何者だ!!!」

「勝手に通るな。今、王は会議中



バタン



外の衛兵の怒鳴り声と同時に扉が大きな木鳴りをあげ開いた。
アラゴルン、レゴラス、ギムリの3人は反射的に武器をとりを囲んで守るように構えた。

光と王の間に響く足音と共に現れたのは、
カールのかかったブロンドの美しい髪。
エルフ特有の尖った耳。
象牙のような白い肌。
旅人のようなラフで動きやすい服装。
腰には長剣。

そして両目を覆う厚手の包帯。
そぅ、ローラントの だ。



「御無礼は承知!!
突然の訪問御許しください!!」

王の間に、2,3歩足を踏み入れると
は、その場に跪(ヒザマズ)いた。



「敵か!!?」

まず最初に怒鳴り声をあげたのは、ギムリだった。
無言だが弓をギリっと構えるレゴラスの瞳も鋭い。
変装した敵とも考えられ、いくら女で、その場で跪(ヒザマズ)こうとしても
彼らの殺気は落ちることはなかった。



「いや、そう決め付けるのはまだ早い。」

殺気立つ二人の前に、手を置きアラゴルンは一歩 に近づいた。



「私は、アラゴルン。君は?」

アラゴルンが自分の名前を名乗ると
はその場に跪(ヒザマズ)いたまま、顔を上げ王の間全体に響く声をあげた。





風の国 ローラントの精霊剣士

盲目の風使いの でございます。」







コメント
短いですが、此処でキリがよいので・・・。
今、読み返しましたが本当に短いですねぇ(遅っ)
本当にすみません(汗)
次は、プロットによると、長いと思われるので(汗)
こういうような魔法使いと精霊使いとか本当に大好きなんですよ!!
本当に趣味に走りまくりです。