このドレスの赤と人魚の泪

どちらが赤いのかしら



























『 M T I R 』
































ギィィィ・・・

重々しい扉が開き、中から華やかな音楽と美味しそうな食べ物の匂いとシャンデリアの神々しい光と
香水、化粧のケバケバしい匂いが と卑弥呼を襲った。
ダンスパーティー会場は、船の中とは思えないほど豪華だった。



「うっわ〜、綺麗〜。」

は目を丸くして辺りを見渡した。
今までこういう豪華な場所に来たことがないので は、初めてみるような目だった。
周りの客がそんな を見てクスクス笑い合っていた。





。」

「何、卑弥呼?」

卑弥呼は恥ずかしそうに を呼んだ。
仕事だっていうのに、 ときたら・・・(疲労)
そんなことを思っている卑弥呼を は知るよしもなかった。



「何じゃないわよ、そんなにキョロキョロしてたら怪しいし、
田舎者に見られるじゃない!」

の耳元で卑弥呼は本来の目的を忘れている に言った。



「ひ、卑弥呼そんな耳元で言わなくても。」

は、困ったように片耳を抑えた。







「別世界に行ってる が悪いんでしょ?」

「う″っ・・・。」

「は〜、しっかりしてよね。これからだってのに。」

「うん、ごめん卑弥呼。」





「しっかし、凄いパーティーよねぇ。今までの仕事でこんなにリッチなものは見たことないわ。」

卑弥呼が配られたアルコール度の低いワインを飲みながら言った。



「なかなか来ないね、奪還屋。」

「油断しちゃ駄目よ、いつ来るかわかんないんだからね。」

卑弥呼が鋭い目をして左右を睨んだ。







「オイ、おじょーちゃん。」

「え?」

「きゃっ!」



の周りに20人ぐらいの黒ずくめの男達が囲んだ。
卑弥呼は、黒ずくめの男達によって から引き離された。
その黒ずくめの男達のリーダーのような男が に近づいた。
男は、顔はいいが自分と同じ「裏」の人間のようなかんじだった。




「・・・随分なご挨拶ね。」

は冷ややかな声で男に言った。



「ご無礼をお許しください、お美しいレディ。」

男は、 に一礼をすると の手をとった。
見知らぬ男に自分の体の一部に触れられたのを見て の眉間が寄った。




「貴女のあまりにも美しさに見とれてしまい。
 もしよろしければ私と踊っていただけませんか?」

は、男の手を振り解いた。



「すみませんが、後ろにいる友達を出してもらえないかしら?
 二人でパーティーを楽しんでいたいの。」

「この野郎・・・ボスに失礼だぞっっっ!!!!」

黒ずくめの男達の一人の大柄な男が にくってかかろうとした。



「!?」

「やめな。」

男が にくってかかりそうな大柄の男を止めた。



「ボス・・・しかし、この野郎が・・・。」

「強気なところもまた美しいですねぇ。ますます貴女に興味が出てきた。」

がしっと男は の細い手首を思いっきりつかんだ。




「・・・強引な男は嫌いよ。手を離して。」

は楽しそうに自分を見下す男を睨んだ。



「そう言わずに私と踊りませんか?お友達が怪我をされる前に。」




「!?」

男の言ったことに は反応し後ろを振り返った。
そこには、2人の黒ずくめの男が卑弥呼を拘束していて首にナイフをつきつけていたのだ。



卑弥呼は、動じずそれを坦々と見ていた。
それは卑弥呼にとっては玩具のようなものであるからだ。
毒香水(ポイズンパフユーム)の一つ『腐食香』を使えばいいだけだ・・・しかし・・・。



「くっ。」

が、宵軒爛藷法を唱えようとした。










会場の中では戦闘しないこと。客に何かあったら仕事やりにくくなるからね。











「・・・。」

卑弥呼に忠告された言葉が頭を駆け巡る。
たしかに此処で魔法を使うとやっかいなことになる。
しかし、このままでは・・・。

と卑弥呼の拳に力がこもる。





















「おい、おめーこんなところにいたのかよ、探したぜ。」


「えっ!?」

そこには、立派なスーツを着たどこかの御曹司のような立派な青年が立っていた。
そしてその青年は のところに行った。





(あの声・・・どっかで・・・。)

卑弥呼は青年の方を向いて、自分の記憶をまさぐってみた。




「ったく、心配かけんじゃねーよ。」

「え、あの・・・。」

青年は の腰に手を回した。
いきなりそんなことをされたので は顔が真っ赤になった。




「何なのですか!?貴方は!!」

男は青年に向かって吼えた。
と接するときとは違い、ヒステリーちっくな女みたいに男は怒っていた。




「あ?俺か?俺はな・・・。」

「きゃっ。」

青年は の腰に回した手を の肩に移動させ首に絡まさせた。
そのときに、 はバランスを崩したが青年の厚い胸板のおかげで転ぶことはなかった。





「こいつのか・れ・しv」

「!?!?(///)」

チュっと青年は の首筋に唇をくっ付けた。



(ちょ、何よコイツ!?!?嫌ぁぁぁぁ、恥ずかしいよぉ・・・卑弥呼助けて〜〜〜〜)

は心の中で卑弥呼に助けを求めた。
当人の卑弥呼は、まだ記憶の中をまさぐっていた。






あの声、あの喋り方・・・たしかどっかで聞いたことがある 会ったことがある






「っつーことでおめー俺の女に手ぇ出すんじゃねーぞ。出したときは・・・。」

ギラっと青年は男を睨んだ。





ゾクっ





(睨んだだけでこんなに殺気がでるなんて・・・。)

の後ろ越しで睨んでいる青年の殺気がビンビンと にも伝わってきた。



「くっ・・・行くぞお前ら。」

男は青年の殺気に負けその場を退くように黒ずくめの男達に指示した。








「ありがとうございました・・・あのぉ・・・。」

黒ずくめの男達がいなくなったのを見計らって は青年を見上げた。



「あ?」

「腕を取っていただけませんか?連れの友達も待ってますし。」

「いねーよ。」




「えっ・・・って卑弥呼!?!?」

さっきまで居たはずの卑弥呼がいなくなっていたのだ。




(どうしよう・・・もしかしてさっきの黒軍団が行くときに波にもまれてはぐれたんじゃぁ・・・。
 でもいつ奪還屋がくるかわかんないし・・・此処は卑弥呼を探しに行くのが先決だ。)




そう考えると は青年をまた見上げた。

「あの・・・友達を探しに行くんで」

「おめーが探しに行って行き違いになったらどうすんだよ。」

「う″っ。」

「そしておめーの場合だからまたあぁいう輩に引っかかるだろうが。」

「う″っ。」









「全部図星じゃねーのか?」

ニヤリと青年は を見た。



「意地悪しないでください、ならどうすればいいんですか。」

はぷくっと頬を膨らませた。



「友達が見つかるまで俺が一緒に居てやるよ。だったらおめーも大丈夫だろ?」

「えっ!?で、でも悪いですよ。せっかくのパーティーなのに・・・そんな。」

「せっかくのパーティーだからこそ、だろ?気にすんなって、いいから行こうぜ。」

青年は の手をとった。
とった手は先ほどの男とは違い、あったかい手だった。





「・・・はいっ。」

青年の手を握り返した。














「で?私に何のようよ。」

卑弥呼が腕を組みウンザリそうに言う。




此処は、甲板だ。
あの後、卑弥呼は無理矢理黒ずくめの男達に此処まで連れてこられたのである。




「とぼけんな!!分かってんだろうがっっ!!!!」

黒ずくめの男達の一人が卑弥呼に怒鳴った。



「先ほどとんだ邪魔が入ってしまいましたよねぇ?
 貴女には先ほどの小娘の代役になってもらおうと思ってねぇ。抑えろ。」

パチンと男は、指を鳴らした。
一斉に黒ずくめの男達が卑弥呼に襲い掛かった。




「私嫌いなのよね、女をそういう風に見るヤツらって。」

そういうと卑弥呼は自分の周りに毒香水(ポイズンパフユーム)『退化香』を振りまいた。
すると襲ってきた黒ずくめの男達は、サルのように「ウキウキ」となき
まるで本物のサルのような動きをした。


「あんた達みたいなのは原始時代がお似合いよ。っていうか・・・あの男どっかで
 会ったような・・・・って!?まさか!?」

卑弥呼の頭の中の絡まった糸が解けた。
そして、ダンスパーティーの会場に一目散で駆けった。






あの声、あの喋り方どっかで聞いたことがあるはずだ どっかで会ってるはずだ

だってあの男は―――









「なかなか見つかりませんね・・・。」

「これだけの人数がいるからな。」

「本当にいいんですか?私なんかのために・・・。」

「まだ言ってんのか?そんな顔しってとせっかくの美人顔がもったいねーぜ。」

「ちょっ、な、何言ってるんですか!!!」














気づいて !!!

あの男は・・・あの男は!!!!!









「照れてんのか?顔真っ赤だぜ?」

「もぅっ言わないでよっ!!!!意地悪っ!!!!」










奪還屋の一人・・・美堂 蛮なのよ!!!!!









コメント
雨:だ、出しましたよ。蛮さん。
蛮:俺の名前最後だけじゃねーかよ。
雨:でも出したのにかわりないじゃん!!!!何で文句言うのさ!!!!
  それに、 さんにチュッチュッしてるしっ!!!
蛮:いいじゃねーかよ、俺の女にかわりねーんだしよ
雨:ベタ惚れだねぇ〜
蛮:わりーのかよ。
雨:いいえ、滅相もない(プルプル)