邪眼ノ男ニハ気ヲツケテ下サイ
吐き気がするの
眩暈がするの
耳鳴りがするの
アイツハ1分間ノ悪夢ヲ見セルコトデキルノ
耳を塞ぐの
目を瞑るの
身体を丸めるの
そして夢だと思いこますの
生きているわけがない
生きている筈がない
そぅ、両親は私の手で殺したんだから
『 M T I R 』
がくっと が力なくその場に倒れた。
無理もない、彼女のココロの傷痕である両親が悪夢に出たのだから。
膝だけとは云わずに、肩も濡れている緋色のルージュの唇も
同じようにブルブルと震えている。
「は、はは・・・。こ、これが・・・噂の邪眼?」
半笑いで が蛮を見て尋ねた。
蛮が手馴れた手つきで煙草に火を灯し、「そうだ。」と満足気な表情を浮かべた。
「ば、蛮ちゃん。やりすぎじゃないの?」
蛮の1、2歩後ろで銀次が不安げな声をあげた。
の異様な怯えを見て流石に不安になったのだろう。
ドゴ
「いった、蛮ちゃん叩かないでよ!」
「うるせぇっ!下手してたら、また殺られてたんだぞ!」
たしかに蛮の云うとおりだ。
実際、銀次が と接触したときに は殺る気だった。
そして、邪眼をかけられたその後も。
「貴方たちに『M T I R』は渡さないわ!」
が再び立ち上がり、札をもって構え呪文を唱え始めた。
それを見た銀次が待ってましたといわんばかりに、
目掛けて走り始めた。
「ちょっとシビレるけど我慢してね。」
「貴方の雷は私には効かないのよ!?」
の云うとおり銀次の雷は以前 と闘ったときには全く食らわなかった。
それをよく身に沁みている筈なのに、何故!?
そう考えているうちに、銀次と の距離は段々縮んでいった。
「イイんだ、これで!!!!」
右手に電気を集中させて思いっきり 目掛けて腕を振った。
同時に空を舞った小さな炎。
そぅ、それは――――
「ふ、札が!?」
そぅ、銀次が狙ったのは ではなく
が発動させる魔法の原力である、札だったのだ。
札は紙製であるため、すぐに燃え散った。
「札がなけりゃー、ご自慢の魔法も使えねーだろうが。」
蛮が丸腰になった に云った。
しかし、 は動じるコトなく笑みを浮かべた。
「お生憎様、ちゃ〜んと予備は持ってるの。」
スカートの裾から、瞬時に予備の札を出し
走りながら呪文を唱え始めた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。」
辺りに の荒い呼吸が響く。
右肩からは、多少ではあるが血が流れていた。
の白い肌に緋色の液体がつたう。
今までならば、 が呪文をすぐ唱えてGBたちをあしらっていたのだが、
彼らも知恵を絞ったらしく今まで通りにはいかなかった。
呪文を唱えようとしても、蛮と銀次がナイスコンビネーションで
次々と の札をバラバラに散らした。
流石に四方八方こられては、避け切れなかった。
が再度札を構えた。
すると、後ろから肩を思いっきり掴まれた。
「!?」
「お前にもぅ、勝ち目はねぇ。イイ加減に『M T I R』を渡せ。」
声の主と肩を思い切り掴んでいるのは、蛮だった。
掴まれている手を払いのけようとしても、流石に男と女の力の差は歴然としている。
下手な抵抗をすれば肩の骨に支障が及ぶ。
「・・・イヤよ。」
くるっと が首だけを蛮に向けた。
黒曜石を思わせる瞳の鋭さは一層に増していた。
「あ?」
「私こぅ見えても負けず嫌いなのよ、だから負けたくもないわ。
といっても『M T I R』も渡したくないわ。
例え・・・
貴方が恩人だとしても!!!!」
そぅ が云うと、辺りに魔力が蠢きはじめた。
蛮はそれに酷い不快を感じ の肩から手を離し、銀次のいるところまで走った。
急に風が轟々と鳴り、海がまるで生命を維持しているかのように荒れ狂い、
空は何かを暗示するかの如く雷を唸らせ、大気は振るえあがっていた。
「ば、蛮ちゃん!!!何かおかしいよっ!!!」
銀次もそれに不快な印象を与えられた。
何かが、何かが本当におかしい。
何が起こるのかは予想はつかないが、とにかくおかしいのはたしか。
「ちっ。あの野郎何を企んでいやがる!!」
が両手に魔力を集中させている姿を見て
蛮は再び構えはじめた。
バタっ
急に がその場に倒れた。
同時に不快な魔力も遠のいていった。
「 っ!!!」
蛮が倒れた のトコロへマッハで駆け寄った。
は死んでいるかのように、ピクりとも動かなかった。
蛮は、上半身を抱き上げ彼女の名を何度も呼んだ。
「ば、蛮ちゃん!?」
蛮の意外な行動を見て、銀次は目をパチクリさせた。
蛮は悪態はつくが、基本的にはすごく優しい人なのだ。
しかし、初対面の人にそこまで優しくするのは
銀次が知っている中で、初めてみる光景だった。
「ったく、心配かけやがって。」
蛮が安心したように、息を吐いた。
銀次がその言葉で我に帰り、蛮がいるトコロに駆け寄った。
「この子、どーしたの?」
「気を失っているだけだ。」
蛮は、愛しそうに の髪を掻き揚げた。
よく耳を澄ませると、 の濡れている緋色のルージュの唇が
かすかに動き、規則的な寝息が訊こえた。
「悪夢で何を見たのかな?」
銀次だけでなく、蛮も気づいていた。
悪夢を見た後に闘ったが、朝闘ったのとは別人な程に
集中力も欠けていたし、威力も何もかもが落ちていた。
それほど、 を縛った悪夢とは、一体・・・。
「さぁな。」
蛮は、黒い空に白い煙を吐いた。
「トコロでさ、この子どーする?」
起きそうもない を見て銀次が云った。
起こしたらきっとまた戦闘になるだろうし、
下手をしたら(天敵の)赤屍も来るだろうし。
かと云って此処に置き去りにしては、可哀相だ。
銀次は頭の中で葛藤していた。
すると、相棒の蛮が をお姫様抱っこをして、コッチを向いて
「拉致する(キラーン)」
っとニカっと何か企んだ笑みを浮かべていた。
「えぇ――――――――――っっ!?!?!?」
銀次の声は、黒い空に吸い込まれていった。
コメント
長い間お待たせしました。
っといっても、段々意味不明なコトしか起こしていません。
次は、かなりラブらせようと企んでおります。
チューするかは、謎です(殴)
雨:蛮サンお久しぶりです。
蛮:おう。
雨:ど、どどど、どうでしょうか?
蛮:中々イイじゃねーか。
雨:マ、マジで!?やったぁぁぁぁ!!!
蛮:次回は(ごにょごにょごにょごにょ)をいれるのか?
雨:・・・いれませんって。