どんな綺麗な飾り物をしても
所詮、私は暗闇の人間
『 M T I R 』
ギィィィィ・・・
重々しいドアが開いた。
入る時とは違い、出るときには夜の闇が の視界に入って来た。
夜空は、まるで宝石箱を散りばめたみたいなぐらい星がキラキラと輝いていた。
恋人同士なら、ロマンチックなムードになって夜の闇にまぎれて
キスぐらいするだろうが、仕事をする には全く無縁の話しだ。
『M T I R』を奪還するように依頼された「Get Backers」をから
『M T I R』を奪還されずに香港まで運ぶように依頼されているのだ。
朝、奪還屋の2人は の魔法によって大怪我を負った。
もうこれなら、大丈夫だろうと思っていたが―――――
まさか この船に乗り込んでいたとは思ってもみなかった
でも、卑弥呼は何気にそういうことを詠んでいた。
もちろんそれは、何度か彼らと戦いを交えている経験からであろう。
そのことを考えれば、赤屍もそのことを詠んでいたと思った。
しかし今回は相手は、大怪我を負った1人。
卑弥呼や赤屍を呼ぶまでもないと思った は、さっきパーティ会場で見つけた
天野 銀次を探した。
銀次も 同様に、外に出たところを は己の眼でちゃんと見た。
焦る心を落ち着かせて、 は足を進めた。
紅いドレスは、海の風に綺麗に の長い髪と一緒に靡いていた。
月明かりに照らされている の顔は、すでに仕事の顔になっている。
一歩 また一歩、足を進める。
同時に敵の気配がないか、神経を集中させた。
パーティー客は、まさかこんなところでそんなことが起こるかもしれないなんて
これっぽちも思っていないだろう。
船内からは、平和ボケたのんきな笑い声しか聞こえなかった。
その頃、銀次は甲板の中央に堂々と座っていた。
これでは、敵に此処にいますよ、どうぞ殺してくださいと言っている
ようなもんだ。しかし、銀次は天然(?)なのでそこまで
頭は回っていなくて、疲れたからそこに座ったのである。
銀次は、頭上に広がる満天の星を見上げていた。
満天の星に思い浮かぶのは、相棒の蛮だった。
いつも余裕のあるニカっとした笑顔にいつもふかしている煙草に
トレードマークの紫色の小さなサングラス。
「はぁ〜・・・蛮ちゃん一体どこにいるんだよ。」
銀次は、今にも泣きそうな声で相棒の名前を力なく呼んだ。
「残念ね、彼はいないわよ。」
「!?」
辺りに、ソプラノとアルトの中間の声が響いた。
銀次は、声の主を探そうと暗闇に混ざっている声の主を探そうと闇雲に
辺りを見渡した。
そのときに、幸運にも月明かりが辺りを照らしてくれた。
そこには―――――
紅いドレスに紅いハイヒールに顔は化粧をしいつも下ろされている
長く黒い髪は、アップされてる「何でも屋」の佐賀 だった。
は、銀次の方向へ足を進んでいる。
「き、君は?」
銀次は、目の前にいる綺麗な女性が とは全く気づいていない様子だった。
それはそのはずだ。
朝のときとは、雰囲気が全く違うからである。
「へっ?覚えてない?私、私。」
長い髪を頭上の辺りで留めている止め具の飾りを外した。
の綺麗な長い髪がバサっと下りた。
「き、君は!?」
綺麗な長い髪がバサっと下りた目の前にいる綺麗な女性と、朝自分の
得意としている電撃で大怪我を負わせた綺麗な女性と、銀次の
頭の中でダブってみえた。
似ている、いや本人なのだ。
「よかった、思い出してくれたんだね!」
は嬉しそうに微笑んだ。
そして
「『M T I R』は渡さないわよ。」
と数枚の札をピンと立たせ呪文を唱え始めた。
気づいたら銀次はその場を全速力で駆けていた。
つまり脳より体のほうが先に動いたのである。
反対だったら今はヤバかったと銀次は思った。
その場から、少しでもほんの少しでも逃げておきたいからである。
しかし、期待は裏切られ後ろから赤い炎の塊が銀次を容赦なく襲った。
「卑弥呼の言うとおり本当にしぶとい人ね。」
言切れた銀次を確認すると は、顔が血だらけになっている銀次の顔を真っ白なハンカチで
綺麗にしてやった。
そして、虚ろ気に開いている瞳を静かに閉じてやった。
「じゃあね。」
はその場を立ち上がり、スタスタと歩いていった。
・・・
「えっ・・・。」
目の前に、ボロボロになり、血だらけになっている男性と女性がいた。
は、それ二人を知っている。
何故なら――――
・・・ ・・・・
「そ、そんな・・・あ、貴方達・・・死んだハズじゃ・・・。」
は、ガチガチと身を震わせながら、後ずさりをした。
しかし、うまく後ずさりができなかった。
何故なら――――
4年前みたいに 私たちみたいに 人を殺したわね
何故なら の目の前に映る二人は
が自ら殺めた の『両親』だったのだから
「――――――――――――――!!!!!!」
は、声にならない声を上げて頭を抱えてその場にうずくまった。
「ジャスト一分だ」
パリィィィィィ・・・ン
その声と共に の視界に映る両親は、割れた鏡みたいに砕け散っていった。
の視界に映るのは、両親ではなく2人の男だった。
それは――――
ユメ
「“悪夢”は見れたかよ?」
奪還屋の美堂 蛮とさっき自分がやっつけたと思った天野 銀次の姿だった。
コメント
雨:ヒロインの過去を少し出しました。
蛮:何で俺が最後しか出てねーんだよ!!!!
雨:ま、まーまー。出たんだし、ね?
蛮:(バキ)んで、いつくっつけるんだよ。
雨:もうちょっと、もうちょっと(大泣)
蛮:ヒロインの過去が知りてーヤツは、今企画の方で連載してる
「Get Backers―バビロンシティからの魔の手―」に
出す予定だからな。
雨:よし、宣伝バッチリ
蛮:・・・書くのは、この駄文書きだがな
雨:は、はぅ(涙)