お願い、間に合って

お願い、気づいて



あの人は、あの人はーーーーー


















『 M T I R 』


























バンっっっ


ダンスパーティ会場のトビラが大きな音と共に大きく開いた。
トビラ付近にいた客たちは一斉にトビラの方を向いた。


トビラからは、全身汗だくで、乱れきった髪、
乱れたドレス(?)を着て、息の上がっている卑弥呼が入って来た。

高級そうなドレスをまとっている婦人たちは「や〜ね。」っと
卑弥呼をまるで何か汚いものを見るような目で見ていた。

しかし、今はそんなものに気をとられている暇はない。
一刻も早く、 を見つけないと取り返しのつかないことになってしまう。
卑弥呼は辺りをまるでライオンが草むらに隠れているシマウマなどを探すように注意深く見渡した。





どこよっ!どこにいるの!? っっ!!!















「おめーさっきからデザートしか食ってないことないか?」

「えっ?」




男 もとい蛮が皿いっぱいに乗っているデザートをみて、ウンザリしたように に言った。
は、テーブルに並べられている大ぶりのパイナップルに手を伸ばそうとしたのを止めた。
それを見て蛮は「まだ食うのかよ。」っと頭を掻いた。



「洋食あんまり好きじゃないんですよ。私はどちらかというと和食派なんです。」

ニコっと が微笑んだ。



「で、デザート食うってことかよ。」

「はいっ!」

が止めていた手を伸ばし、大ぶりのパイナップルを
2,3個いっぱいに乗っている皿の上に盛った。
皿に盛ってあるデザート達は今にも落ちそうだ。




「そういや〜よ、おめーなんで俺に対して敬語使うんだよ。タメ口にしろ、タメ口。」

蛮は皿に盛ってあるケーキを鷲づかみして口の中へ放りこんだ。
口の中に甘ったるい生クリームと間に挟まっている果物の味がした。



「いや・・・だって恩人さんですし・・・って何勝手に食べてるんですか?」

「うえっやっぱ甘ぇ・・・。お前よくこんな甘ったるいのバクバク食えるな。」

まだ皿に盛ってあるケーキをみて蛮はウンザリしたように言った。
は甘さに苦しむ(?)蛮をみかねてボーイさんからワインをもらい蛮に渡した。




「なら食べなかったらいいじゃないですか。」

「・・・おめーなんでまだタメ口じゃねーんだ?」

「話し・・・聞いてなかったんですか?(滝汗)」



からもらったワインをチビチビ飲んでいる蛮をみて はため息を吐いた。
そんな を見て蛮はニヤリと笑って の前髪のくしゃっと触った。




「ちょっな、何するんですかっ!?」

「冗談だぜ、聞いてた。」

赤面する をみて蛮は面白そうにニヤニヤと笑った。




「〜〜〜〜″、馬鹿っっ!!」

そんな蛮をみて は更に顔を赤くさせ怒った。



「オイオイそんなに怒んなよ。せっかくの美人顔が」

「またそーやって人をからかうんでしょ?」

はズンズンと前に歩いていった。
それをついていくかのように蛮も歩いた。









「オイ待てよ!」

「待たないっ!」

「こけるぞ!」

「こ・・・こけませんっっ!」

「知らねーぞ。」

「どうぞ、勝手に!うわっ!!!」

そういった矢先に は動きなれないドレスに足をひっかかった。








「ったく、危ねーヤツ。」

蛮がこけそうになった の体を間一髪のところで受け止めた。




「ご、ごめん・・・。」

が申し訳なさそうに蛮に謝った。



「気にすんな、でも本当にこけるとはな。」

蛮がケラケラと笑った。



「しょうがないじゃないっ!ドレスなんて今まで一度も着たことないんだからっ!」

蛮の腕の中で が吼えた。



「じゃあ、コレを機にずっと」



蛮はしゃべるのをやめてある一点を一瞬だけ見た。
その一点とは、さっきから行方不明の相方を血眼に探している卑弥呼の姿だった。
このままにしていると、後5分もしないうちに卑弥呼に接触してしまうだろう。


















ちっ、もぅ気づきやがったか・・・。
流石、卑弥呼だぜ・・・。

















「あの」




「あ?」

「どうしたの?いきなり黙ったけど何かあったの?」

「別に何にもねーよ。」

は蛮の視線の先を見ようとしたが、蛮のその視線の先にいる卑弥呼を隠すように
自分の体を移動させた。




「オイ。」

「ん?」

「おめーダンス踊れるか?」

「踊れるには踊れるけど〜・・・どうしたの?」






蛮が の手をとった。

「踊ろうぜ。」

「えっ?」





「踊れるんだろうが、ほら行くぜ!」

の手を強引にひっぱって、中央に踊っている客の輪の中に入った。
は、「しょうがないな〜。」っと言い素直に蛮に付いていった。









ダンスの曲は、陽だまりの花畑にいるような暖かなワルツだった。
第一バイオリン、第二バイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスといった弦楽器を演奏する
演奏者がその曲を綺麗な音色で奏でていた。
踊っている人々はそれにあわすように踊っていた。



「ワルツも大丈夫だよな?」

「・・・あんまり自信ないけど、がんばる。」

「安心しな、俺がエスコートしてやっからよ。」



は蛮の手をとりダンスを踊る構え(?)をして、蛮に微笑んだ。

「エスコートよろしくね。」

それに答えるように蛮も微笑み、 の手を強く握った。

「おう。」






















「「オオ・・・。」」


ダンスを観賞していた客たちが感嘆の声をもらした。
その感嘆を浴びる組は―――――











「へぇ、おめー自信ないっつった割にはうめーじゃねーか。」

「フフ・・・。」

くるっと一回転をする。






「何がおかしいんだよ。」

「貴方のエスコートがうまいからよ。ありがとね。」

「・・・。」

「ど、どうして黙るの!?わ、私何かおかしいこと言った?」

「あたりまえのこと言うんじゃねーよ(///)」

「・・・もしかして、照れてる?」

「照れてねーよ・・・(///)」

またくるっと一回転をする。








「貴方って本当に不思議な人。初めて会ったのにこんなに優しいんだもん。何で?」

「・・・ま・・・き・・・ら・・・。」

「えっ?」





















「おめーのこと好きになったからって言ったらどうするよ。」

















「・・・クス 悪い冗談言わないで。



























・・・・本気にしちゃうじゃない。」















ジャーーーーーーン    ジャンっっっ!!!!!!






「「「「「「ワァァァァァァ。」」」」」」」

会場から大きな拍手と歓声が舞った。





「中々楽しかったね。体あったまっちゃった。」

が手をパタパタと仰いだ。



「なら、もっと暑くしてやろうか?」

蛮がニヤニヤと笑った。



「目つきがイヤラシイ、絶対い・やっっ!」

が眉を吊り上げて蛮を睨んだ。



「冗談、冗談だって。」

蛮がケラケラと笑った。



「ったく、やっぱりスケベなんだか」























「蛮ちゃんどこ行ったんだろう・・・、もう来ててもおかしくないのに・・・。」







の視線の先には、自分が止めを指したはずの
雷を操る奪還屋の一人・・・天野 銀次の姿だった。
何かをブツブツ言っているようだが、流石にこの人数だ聞き取ることは不可能だった。














あの傷で此処までこれたんだ・・・
























「オイ。」

「へ?」

「へ?じゃねーだろうが、どうしたんだよ、いきなり黙りやがって。」

蛮が の頭を小突いた。



「ううん、何でもないよ。」






















もうちょっとこの人と一緒にいたかったけど・・・
もぅ・・・時間切れね























「オイ。」

「えっ・・・。」



「大丈夫かよ、疲れたんじゃねーのか?」

心配したように蛮は を覗きこんだ。



「あ、うん・・・そうみたい。でも大丈夫よ、心配してくれてありがとね。」

微笑んで は言った。
そして蛮に見つからないようにそっと呪文を唱えた。
































それに・・・私はこの人のように綺麗なところの人間じゃないから

・・・ごめんなさい・・・















そして・・・ありがとう・・・

















「オイ、さっきい」

「あぁ!!!卑弥呼だっ!!!

はいきなり大声を上げた。
そこには手を振っている卑弥呼の姿があった。



「ごめん、私もぅ行くね。今日はありがとう。じゃあね。」

はドレスのすそをもって蛮に一礼した。




ガシっと蛮は の腕をつかんだ。
そして真剣な目で をみつめた。

「さっき言ったこと・・・本気だからな。」

















おめーのこと好きになったからって言ったらどうするよ。

















は、一瞬ビックリした顔をしたが、すぐに微笑んでその場を立ち去った。
そう、これ以上にない悲しそうな笑顔で

















「・・・逃がさねーぞ、 。」

蛮は の後ろ姿を見てトレードマークのサングラスをかけた。



コメント
雨:コレです!!!ダンスパーティーコレが書きたかったんですっ!!!!
蛮:で?
雨:照れる蛮さんが書きたかったんですっ!
蛮:で?
雨:満足です!
蛮:ヘ・タ・レな・の・に・か?
雨:わ、わかってるけどさ〜・・・コレが書きたかったんだよ!!!
  っていうか何で怒ってんの??
蛮:早くくっつけろっつーんだよ、このバカが!(バキ)
雨:い、痛い・・・(涙)