さしむかう
心は清き水鏡
梅の花
壱輪
咲いても梅は梅
【豊玉発句集】
『 唸れ獅子の如く 土方 歳三 』
土方に差し入れをするために
茶と沢庵をおぼんで運んでいる
の足が止まった。
「ん?」
の目に入ったのは、ニヤニヤしながら何かを読んでいる
沖田の姿だった。
その膝の上でサイゾーが気持ちよさそうに寝ていた。
今日はたしかにいい陽気だ。
ちゃんと土方は仕事をしているだろうか?
そんなコトを思い
はクスクスと口に手を抑えた。
「おーきーたーさん!」
「おや、
さんじゃないですかぁー。」
は、おぼんを邪魔になれないように縁側の端に置き
沖田の隣に座った。
沖田が読んでいたのは、見るからに句集である。
「さっきから読んでたのは句集だったんですね。」
「えぇ、そぅですよ。」
「【豊玉発句集】って云うんですか。」
ひょこっと
は句集の表紙を見た。
表紙の縦真ん中に堂々と【豊玉発句集】と書いてあった。
どっしりしてとても綺麗な字。
の頭にあることが浮かんだ。
「・・・沖田さん。」
「何ですか?」
「この句集一体誰が書いたんですか?」
が云ったとき沖田の表情が一気に崩れた。
腹を抱えて笑い始めたのだ。
「あははははははは!!!!!」
「えぇ!?そんなに意外な人が書いたんですか!?」
意外な反応に
は胸を膨らませた。
沖田が笑うぐらいだ。
きっと意外すぎる人だ!!
誰だ、誰なんだ書いたのは!?
「誰なんですか!?教えてくださいよ〜!!」
未だにプププと口を抑えている沖田に
はせがんだ。
なお、沖田は笑いをこらえている。
「でも、
さん知ったら絶対見る目変わりますよ〜。」
「それでもイイですよ!!」
「えへへ〜。じゃぁ云いますよぉv
書いた人はぁ・・・
「沖田さーん!!
姉ー!!」
勇ましい声が辺りに響いたかと思うとそこにはびしょ濡れの鉄の姿だった。
どうやら、稽古が終ったらしい。
あーーーーーー、後少しだったのにーーーーーーー!!!!
鉄の馬鹿タレがぁーーー!!!!
「あ、句集?何の?誰の!?」
「今、私もそれを訊いてたのよ!!
だったら鉄が来たのよー。」
呑気な鉄に
がツンと拗ねた。
よっぽど気になってたらしい。
「そぅだったのか?
まぁ、イイや。どうせ、今から訊けるんだしよ。」
たしかに鉄が云うのは最もだ。
それに(やっと)気づいた
は、さっきまで
拗ねていたのを思わせない程御機嫌に変わっていた。
「うん、実を云うとそぅなのよね。
ってことで沖田さん教えてください!」
「エヘヘ秘密ですー
」
沖田は笑顔で云った。
鉄と
は「えぇー。」っと不満そぅな声を上げた。
隠すとは沖田にしては珍しい。
困った顔をした鉄だが、即座に顔がパっと明るくなった。
「あ分かった!
沖田さんが書いたやつだ!!」
「ハズレー
」
即座そして見事に撃沈(愁傷様)
「やっぱ気になるよね、鉄!」
「おぉ、あったぼーよ!!」
即座に一致団結した鉄と
。
その姿を見て沖田は目を細めてクスクスと笑った。
「沖田さん、一体誰が書いたんですか!?
教えてくださいよ!」
「そぅですよ、教えてくださいよ!
スッゲー気になりますって!!そぅ、せめて一句!!!」
「「お願いします!!」」
「うぅーん、どぅしましょうかねぇー?」
息を荒くして
と鉄のコンビは沖田にせがんだ。
「仕方ありませんねぇー、特別ですよぉ。」
此処までせがまれて厭とは云えない。
折れた沖田はクスクスと笑い閉じていた
句集に綺麗な指を入れた。
「
ちゃーん!」
「ん?」
さて見ようかとしたときに、これまた勇ましい声が辺りに響いた。
顔を上げると遠くに、あの元気いっぱいの漫才トリオの姿があった。
「どうしたんですかー?」
も負けずと声を張り上げた。
凛とした綺麗な声が響いた。
「いやぁーねぇ、左之が腹減ったらしくてさぁー!!」
「それぁ、新八っつぁんもじゃねぇーか!!」
「・・・まぁーそぉいうワケだから何か作ってくんないー?」
上から順に新八、左之、平助から返事が来た。
たしかにそろそろ昼時だ。
かといっても訊くようなトリオではない。
は、クスクスと笑い
「分かりましたー、何か軽食作るんで部屋で待ってってくださいー!」
「そぉいうコトでちょっと行ってきますね。」
立ち上がる
に微笑みかけた。
本当に優しい笑顔。
は、本当に笑顔の沖田がスキだ。
「えぇ。行ってらっしゃい。」
「鉄ー。コレ副長のトコロに持っていってくれない?」
おぼんが置いてあるところを指差し、鉄に云った。
今日淹れた茶は新茶だし、沢庵も薄くもなく辛くもなくイイ味だ。
これで鉄は完璧だ!!
あぁ、長かったよ。
あの茶の指導の日々・・・(遠い目)
お父さん お母さん
は今巣立ちそうな我が子(?)を
愛しく思い胸が引き裂かれそうな心境でございます
「おぉ、いいよ。
(大丈夫か?
姉?)」
「(はっ!?不覚!!)あ、後。ちゃんと髪拭いててよ。
風邪引くからさ。」
まだ使っていない布を鉄の髪を軽く、くしゃりと押し付けた。
が小走りで食堂に入ったとき食堂の光景に絶叫した。
「キャァーっ!!!!
それ御昼御飯!!!!」
さっき「部屋で待ってってください!」っと云った筈なのに、
食堂の中には漫才トリオの姿。
更に詳しく云うと、昼飯に作った焼き魚を新八が、
同じく昼飯に作った野菜炒め(肉入り)を左之が見事に食べていたのだ。
「え!?そぅだったのか!?」
手についた野菜炒めのタレをペロっと舐めて
左之は広いテーブルに置いてあるでかい鍋を見た。
そして「・・・おぉ、云われてみればな。」っと納得したように頷いた。
「左之〜見りゃ分かるデショ?」
新八が腹を抱えてゲラゲラと笑った。
左之も頭を掻いて笑った。
全く反省が見られない。
「・・・新八さん!左之さん!御飯ナシ!!!!!」
は新八と左之を指差して宣言した。
それを訊いて新八と左之は化石のように固まった。
「「そ、そんなぁーーー!!!!」」
「自業自得ですよ。」
絶叫する二人に
はぴしゃりと云った。
「ほぉ〜ら、やめとけって云ったでしょ?」
そんな二人を見て、平助はケラケラと笑った。
平助は
が来るのを待っていた。
誰だってできたてのおいしいのが食べたいもんだ。
― 暗転 ―
「握り飯でイイですよね?
中身何がイイですか?」
裾を紐で縛り、釜に残った飯を確認した。
釜に残っている飯は、あまりなかったが、昼前ならこのぐらいで
十分だろう。
「鮭!」
「梅!」
「昆布!」
上から順に新八、左之、平助が云った。
「はーい。」
御握りを握っているときに、
はさっき沖田が読んでいた
【豊玉発句集】を思い出した。
沖田が知っているんだ。
他の隊士も知っているだろうと思った
は握る手を止めた。
「あのぉ・・・。」
「「「?」」」
「【豊玉発句集】って誰が書いたか知ってますか?」
が云った瞬間トリオの動きが止まった。
やっぱり知らなかったのか。
は、心の中で溜息を吐いた。
しかし、トリオは身体を震わせ何かを我慢しているようだった。
「・・・あのどうし
「「「あーっはっはっはっはっはっは!!!!!」」」
トリオも沖田同様に腹を抱えて笑い始めた。
我慢できなくなった平助はテーブルをバンバン叩いている。
何と、このトリオも知っているのであった。
「この反応は・・・知ってるんですか!?」
は目を輝かせた。
「知らねぇ方がイイぜ。」
「そぅそぅ。」
「ぜってー、
ちゃん態度変わるし。」
上から順に新八、左之、平助が腹を抱えてとぎれとぎれに云った。
しかも、沖田が自分に云ったセリフと同じコトを。
そんなに意外な人が書いてるのか!?
もぅ此処まで焦らされては訊かないと落ち着かない。
「ちょ、そこまで云うなら教えてくださいよぉー!!!」
新八が目から零れる笑い泪を人差し指を拭いニヤニヤした表情で
「・・・あのね、【豊玉発句集】を書いたのは
「そこか、総司ぃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
ドタドタと云う鬼の足音とピシャっっっっと云う障子の開けた音と共に
現れたのは、槍を持ち鬼と化した土方の姿であった。
青筋を立て、いつもより怒気が篭り、大きな獲物を持っているからに
鬼である。
「「「ひぃーーーーーーーーーーーー!!!!!!」」」
トリオは身を寄せ合って丸くなった。
土方は辺りを怖いぐらい凝視した。
「あ、あぁのぉ・・・ひ、土方・・・さん?」
が(違う意味で)鬼と化した土方に恐る恐る話しかけた。
「総司ーーー!!!」っと云っているからに、
また沖田さんが悪戯でもしたのだろう。
「
、総司知らねぇか?」
ビンゴであった。
ま〜た、あの人は何しでかしたんだろう。
「沖田さんな
「そこかぁーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
テーブルの下に(いつのまにか)沖田が隠れたのをすかさず見つけた土方は
槍を大きく振った。
「土方サンの乱暴ものーーーーーーーーーーー
」
ガシャァァァァァァン!!!!
見事に食らったのは、沖田ではなく
が愛情込めて
作った昼飯全部が地面に堕ちた。
が作った握り飯もぐちゃっと情けなく潰れた。
「「「ひ、昼飯が!?!?!?」」」
「(ブチン)」
「総司ーーーーーーーーーー、待ちやがれーーーーーーーー!!!!!」
「キャーーーーーーーーーー
」
土方と沖田はその場を風如く去った。
地面に堕ちた昼飯をずっと眺めている
に気づいた
トリオはすかさず
の傍に近寄った。
「・・・
ちゃん(滝汗)」
「ゆ、許してあげてね!ちょっと今日は副長イカれてるからさ。」
「そぅそぅ!!たま〜にね、そん」
「ウフフフフフ。
そんな、私だってそんなコトぐらい知ってますよ。」
ニッコリと
は笑った。
「じゃ、じゃぁ・・・訊くケド
ちゃん・・・。」
新八がプルプルと身体を震わせ指差した。
「はい?」
「その手に持っている獲物は何!?!?」
が持っているのは、包丁の数々。
持っている包丁は、よく斬れる包丁を厳選して選び抜かれたモノだ。
「ウフフフフフ、やっぱり主婦業ばっかりやってると
腕が鈍りますから、ね?」
がニコっと笑ったと同時に包丁が日の光に反射してキラリと妖しく光った。
これは絶対にどう考えても怒っている。
(((鈍らない鈍らないからさぁ!!!)))
トリオは首をフルフルと横に何回も何回も振った。
片手に3本ぐらい包丁を装備した
は土方と沖田が出て行った
戸のところへ行き、くるっと笑顔のままの顔だけをトリオに向け
「ちょっと腕慣らししてきますね。」
その直後に、何が起こったかというのは皆様のご想像にお任せしますv
土:って何でこのネタなんだ!!!
雨:だって楽しいからに決まってるじゃないですか(シレ
土:題名もなんだ!!
雨:え?気に入ってくれました?
【唸れ獅子の如く 土方 歳三】!!
土:そんな戦隊モノじゃあるめーし!!
雨:・・・なら、
【何処まで守れるかその秘密 副長土方愛のポエムに込めた其の想い】
もしくは
【副長土方15の夜 其の心に秘めた想い今此処に】
もしくは
【君は見たか 土方の清く正しく美しい其の決意】
もありますよv
土:・・・(げっそり)
コメント
かなり久しぶりのギャグですv
鐡の2巻を見てまた妄想が膨らみそぅなりました。
新八さんらぁが知ってるというコトを自分に説得し(えぇー)
活躍してもらいましたv
っというか、あの3つの副題おかしいですね(違う意味で)
さらりと流してもらえれば結構です(分かってるってば
本当は、ちょっとだけえちーコトしよっかなぁーって思ったけど
やめました。詳しい内容は日記にてv
ってかヒロインも壊れましたね(爆)
・・・そぉいえばあんましラブ萌えシーンなかったですね(ヲイ