越前と別れた後、 は古ぼけた2階建てのアパートに入っていった。





カツンカツン





階段を上ると金属音が規則よく鳴った。
2階に上ると は一番奥の部屋へ入った。




「ただいま〜。」

木製のドアを壊れないように静かに開け、静かに閉めた。
キイイという木製独特の音が鳴った。






は小さな玄関口に座り込み、靴を脱いだ。
奥からパタパタというスリッパ音がした。

「アラ、おかえり〜 。」

「おお、おかん。」

は、後ろを向いた。




そこには、肩まである黒く美しい髪はひとつに結び、
ぱっちりとした大きな目、モデルのようなスラっとしたスタイル
しかし着ている服はその辺の主婦とかわならない服装。

の母である。




「早かったのね、部活はなかったの?」

エプロンで手を拭きながら母は に尋ねた。



「い〜や、今日は入学式だからないべ。」

「ふーん、そういえば ちゃんお友達はできた?」

「お、おかん。俺もう小学生じゃないんじゃけん、そげなガキくせえこと言わんで。」

「アラアラ、そうだったわね。」

母は、フフっと笑った。








ガタンガタン  ガタンガタン



外では、規則的な電車の音が辺りに響いた。
は、自分の部屋に行くとリュックを下ろし、
制服をハンガーにかけ、椅子にかけてある私服を着た。
そして、リモコンをテレビに向けスイッチを入れた。




「さ〜ってと。幻水〜幻水〜。」

は、机の引き出しにある
幻想水滸伝のカセットと本棚にある幻想水滸伝の攻略本を取り出すと、
テレビ画面の前に座った。

カセットからソフトを手馴れた手つきで取り出し、
プレイステーションの本体にパチっとセットし、
電源を入れた。











「さ〜ってっと。昨日はたしか〜〜〜〜。」

画面が出るまで は、パラパラと攻略本を開いた。




チャラチャラ〜




「おっ。」

幻想水滸伝の始まりを知らせる曲が流れてきた。
は、期待と興奮を交えながらゲームの世界へ行った。

























チャラリラ〜 チャラリラッタラ〜 チャラリラリラ〜〜〜



ガラ



「ん?おお、どうした、おかん。メシか?」

「いえ、別にごはんってわけじゃないんだけどね。」

はコントローラーを動かしながら、母としゃべった。



「んじゃ、どしたわけ?」

。あなた部活は何に入るわけ?」






















「テニス部・・・。」



短い沈黙の中、 は応えた。



「そう・・・。」

「・・・何も・・・言わんのか?」

は、画面を見たまま母にたずねた。



「言わないわ。だって其れは母さんの決めることじゃないでしょ?
 あなたを思ったようにやりなさい。

でも、途中でやめることは許さないからね、其れは覚悟しておいてね。」


「・・・ありがとな。おかん。」

は、母のやさしい気遣いに感謝した。




「それじゃあ、ごはんはまだだから。」

母はそう言うと、 の部屋から出て行こうとした。




「おかん。」

が母を呼び止めた。




「どうしたの、 ?」
















「大丈夫だから、俺がテニスしてたこと言わんけん、じゃけん安心しちょって。」



「・・・フフ、でもね、無理しなくてもいいのよ。
嘘をついてバレたときには、
 どうしようもなくなるときだってあるのだから、ね。」



「・・・アドバイスありがとな。」

はそう言うとまたゲームの世界へ入っていった。












空は夕焼け、血のように赤いその光は母の姿を一層に悲しく照らした。





コメント
雨:テスト前に書いたモノです
越:・・・いつ書いたわけ?
雨:テスト前の夜の1時30分・・・。
越:・・・よい子は寝てる時間(ふあ)
雨:ウチ悪い子だもん
越:・・・Zz Zz
雨:夜行性雨風なんちって(意味不明)
越:Zz Zz
雨:・・・うちも寝よう・・・。