コズミックカレッジ エデュケータコース

(宇宙開発事業団 筑波宇宙センター)

主 催
文部科学省 宇宙科学研究所
宇宙開発事業団
財団法人 日本宇宙少年団


平成14年(2002年) 7月 27日 (土) 〜 7月 27日 (月)


 7月26日(金) 20:30 徳山駅出発。
 高速夜行バスで東京の浜松町に27日(土)8:05到着。
 山手線で東京駅の八重洲口へ行き、高速バスで筑波の並木1丁目下車。
 宇宙開発事業団 筑波宇宙センターに到着。
 13:30から開講式。 主催者、副学長挨拶、講師紹介。
 受講生ひとり1分程度の自己紹介(41名)。
 講義1. 15:10〜16:00
 「宇宙開発最前線」 本間正修 (NASDA)

   @技術試験衛星[型の紹介
 平成16年に打ち上げる直径20mのアンテナを持つ人工衛星。
 人工衛星が大きいアンテナを持つため、地上局は携帯電話サイズの無線機に出来る。
   A無重力とはどんなことか
 技術試験衛星[型のアンテナを開く実験を地上で実験したところ成功した。
 しかし、無重力空間で実験したところアンテナの骨組みがからまって開かなかった。
 重力があると安定しているが、無重力では振動が大きい。
   B太陽光の圧力と衛星の姿勢
 太陽光の圧力で人工衛星は回転を始める。それをコマとロケット噴射で制御する。
   C.カーナビを支えるのは人工衛星と時計
 複数の衛星から地上まで電波が伝わる時間を測定し位置を測定する。
講義2. 16:10〜17:00
 「宇宙科学最前線」 麻生 茂 (九州大学大学院工学研究院航空宇宙工学部門)YAC福岡分団長

 @完全再使用型宇宙往還機の開発の必要性(低コスト化)
 A観光丸(垂直離着陸をし、地球を2週する50人乗り)
 B研究者に必要なもの(基礎学力、物理的なものの見方、独創性、協調性、リーダーシップ、フォロアーシップ、基礎体力)
  懇親会 18:30〜20:30
 ホテルスワの2階で懇親会。
 研修参加者の色々な話を聞くことが出来た。
 また、貴重な情報をたくさん得ることが出来た。

 (地球の自転と月の公転周期が同じのは偶然か?)
 (太陽と月の地球からの見かけの大きさがほぼ同じなのは偶然か?)

 居酒屋での2次会にも参加した。
 7月28日(日)
 講義3. 9:00〜9:50
 「宇宙教育(1)」 宮崎總一
 小惑星サンプルリターン計画 (文部科学省宇宙科学研究所)
 @小惑星の岩石片を無人探査機で地球に持ち帰り、太陽系のなぞにせまる。
 A長時間連続して作動することのできる電気推進ロケットエンジンを世界ではじめて搭載する。
 B着陸目標となるターゲットマーカーの中にはキャンペーンで募集した方の名前を搭載している。
   (名前を応募された方の思いには、色々なドラマが詰まっていた。)
  「亡くなった子供の名前です。本当の星にして下さい」とか「8月に出産予定の子供の名前を生れる前につけました。元気で健康な子供が生れますように」とかです。
 C重さ5gの金属球を秒速300mの速度で小惑星に打ち込んで飛び散った岩石片を収集する。
 Dサンプルは直径40cmのカプセルに積まれて地球に戻ります。
  教材演習 10:00〜12:00

 スクリーン上の人工衛星の模型にCCDカメラが搭載してあり、地球に見立てたテーブルの上の偏光版を偏光フィルターを交換してみると見え方が変わる。
 人工衛星から色々なカメラで地球を捕えると地球のさまざまな状況を判断することが出来る。

 人工衛星の模型の下に鏡を貼り付けて光通信するシステムが楽しかった。
 上が反射鏡を搭載した人工衛星の模型。

 右下に見えるのがCCDカメラを搭載した人工衛星の模型。
 音声信号(CD音楽)をレーザービーム信号に変換して送信するシステム。
 教材演習

 レゴブロックで組み立てた月探査機にパソコンのプログラミングデータを赤外線で送信し、ダウンロードして動かす。
 会場に設置されたコースを見事に走破したグループもいた。
 コミュニケーション実習  13:00〜13:50  G.ヴィアヘラー、S.ヴィアヘラー

 川に見たてたコースにワニ(布)がたくさんいる。
 目隠した3人をリーダーが声のみでワニを踏まないように誘導する。
 ワニを1回踏むと1点減点。
 3分をこえると1秒ごとに1点減点される。
 声だけでは、なかなか思うように誘導できない。

  英語の勉強
 英語は自分の思いを他人に伝える道具なので、文法がちがっていても発音がまちがっていてもかまわない。  しゃべらなければ自分の思いを他人に伝えることは出来ない。
 日本人の英語が外人に通じにくいのは、なめらかにやさしく単調にしゃべるからで、パンチをきかせてアクセントをはっきりすれば通じやすい。
  事例発表  ディスカッション

 6グループに分かれて科学(宇宙)教育について討論会を実施。
 あとでグループの代表者が発表する。
 色々な意見が出た。
 ホテルのロビーで熱気球の製作講習会(正規のプログラム以外)の開催。

 昨年の秋のコズミックカレッジで熱気球製作の講習を受け,打上げ装置を改良したり、気球を小型化したり。色々な所で熱気球の製作講習会を開催されている一瀬 泰啓さん。

 時間外にホテルのロビーで気球教室を開催。
 みんなから好評だった。
 ホテル「スワ」からの筑波の風景。
 筑波って、わりと田舎です。
 というより、良い環境です。
 筑波宇宙センター見学前にビデオを見る。

 ロケット開発から宇宙飛行士の訓練のようす。
 ロケットの模型
 不要になった人工衛星「ふよう」?

 使用済みの人工衛星が、たくさん展示してあった。
 国際宇宙ステーション(ISS)の模型
 国際宇宙ステーションの日本実験モジュール「きぼう」の製作工場。
 宇宙飛行士の星出彰彦さんが乗り込む予定。
 国際宇宙ステーションの管制システム。
 パソコンは14年前の物。
 新しいパソコンでは信頼性が少ない。
 船外活動訓練の水槽。
 講義4. 11:00〜11:50
 「宇宙教育(2)」 的川泰宣
 @今の子供は体験が少ない。
 A大きな夢を持とう。
 B分かりやすく丁寧に教えて、子供の心に火をつけることが出来る教師が最高の教師。
 C海の色は、なぜ青いのか? 海の水をバケツにくむと透明に見える。
 D体いっぱいに自然を感じると、創造が生れる。
 講話・ディスカッション 星出彰彦宇宙飛行士(NASDA)

 宇宙の話から宇宙飛行士の訓練の内容を聞くことが出来た。
 6年後に国際宇宙ステーションの「きぼう」に搭乗される。
 受講生からたくさんの質問が出たが、わかりやすく答えていただいた。
 宇宙飛行士になるために小学生では「よく遊び、よく学び、友達と仲良くすること」
 中学生以上では「何か一つ人より得意なものを作ること」だそうです。

 その後アンケート用紙に記入。
 修了式では、学長と主催者の挨拶があった。

 コズミックカレッジ エデュケ−タコースの3日間は本当に充実した講習会であった。
 おすすめの講習会だと思う。
 東京 浜松町・世界貿易センタービルディング40階、シーサイド・トップからの展望。
 視界360°高さ152m、隅田川を望む。
 東京タワー