サドルの製作


ビンテージ・中古ギターは 前オーナー様の自作のモノが装着されている場合が多くあります。
「かなりの力作」からちょっとした調整で「オオバケ」するものまでクオリティはさまざまです。
また多くの場合 象牙等の高級素材が使われていますので交換はもったいないのですが
接地が悪かったり 特に削りすぎでグラグラの物は ブリッジが割れる可能性もあります。


今回はオーソドックスに牛骨で製作します。
素材選びでは厚さが足りない事がありますので
楽器店で購入の際は気をつけてください。 

純正がある場合コピーを作るつもりでやや大きめに削りだします。
純正がない場合、また信用できない(笑)場合 指板のアールに
合わせて形を決めます。ピッチや演奏性に係わる重要な工程です

底面を最初に決めて真っ直ぐにします。私の場合砥石を使います。

又、大まかな形成にはルーターを使うと便利です。

600番のペーパーでほぼ仕上げ1000番で水研ぎ位で充分ですが
こだわる人はコンパウンドで「ピカピカ」に仕上げてみてください。

ブリッジの溝にキッチリはまるのが基本です。多少の遊びがでたら
すでに削りすぎですが「きつすぎる」場合無理してはいけません。
無理をすると外れなくなったり、ブリッジを割ってしまう事もあります

ただどんなに完璧に作ったつもりでも一流のリペアマンが作った物
には遠く及ばない事
も事実です。






ナットを「象牙・黒檀・象牙」3Pにて 試験的に製作

元のナットを外す際ヘッドの化粧板を傷めることがありますので
交換が必要な際はリペアマンに任せたほうが良いです。

溝きりには専用の工具が必要です。数千円で入手できますが
ここでしくじると作り直しですので・・・。

解放弦での「音詰まり」はナットの溝調整で解決するケースが
多いです。調整用にナットファイルを用意しておけば便利です。



ロングサドルの製作
御質問が多かったロングサドルのブリッジに沿ったアールの削り方ですが
ブリッジの立ち上がり角度にあわせて円筒形のモノに サンドペーパーを
巻いて削るのが簡単です。マーティンなどはピカールの缶が近いです(笑)